リモートレッスン4 オンラインと録音録画の組み合わせで

リモートレッスン4 オンラインと録音録画の組み合わせで

リモートレッスンについて、3回にわたって記事を書いてきました。
とても反響があり、これらの記事をきっかけに多くのピアノの先生方がリモートレッスンを始められたそうです。
また、それ以前からスタートされている方からも沢山メッセージをいただきました。
みなさん、レポートや質問をお寄せいただきありがとうございました。

数ヶ月前には思いもよらなかったことですが、私たちの日常は一変してしまいました。
2020年の春は、あとで振り返って見ても大きなターニングポイントになるのではと思います。
いつか世界中からコロナが収束することを祈って、そのときまで元気で、音楽の灯火を絶やさないでいられるよう、みなさんと一緒に頑張っていきたい……と、続編をお届けします。

 

3/14、3/29、4/5の過去記事はこちらです。

リモートレッスン、スタートされましたか?

リモートレッスン2 皆さんの様子とこれから

リモートレッスン3 オンラインレッスンは、リモートレッスンの一部です

 

目次

1)みなさんからの報告

2)いただいた質問など

3)使用アプリについて

4)演奏家のみなさんの様子

5)ピアノランドスクール、樹原涼子の使い方

 

1)みなさんからの報告

いろんな報告をいただいているのでいくつか紹介します。お名前は、ご本人の希望の表記、長いものは許可を得て編集しています。それぞれ使っているアプリが違うのも参考になるでしょう。後で振り返ったときのために、日付も入れています。2020年春の先生方の記録でもあります。

みなさんの音楽への情熱、短期間で工夫されている様子には驚きました。ピアノランドメソッドや私の著書を使っている方からは、リモートレッスンでどうやってピアノランドのミュージックデータ『耳を開く 聴きとり術 コード編』を使っていったらいいかが話題になっています。ピアノ演奏の指導については4)でも詳しく述べます。

まずは、これからやってみようかな、という沢山の声から抜粋してお届けします。

 

・3/30 K.T.さんより

リモートレッスン、びっくりしています。自分が動画に映るのは少し抵抗がありますが、伝えたいことをはっきりさせてポイントを絞らないといけないですよね。コロナウイルスのこの状況でもやれることがある! ありがとうございます😊

 

・4/7 大阪のひよこ音楽教室より

緊急事態宣言。昨晩から、教室生のみなさんへ今後の対応をどうするか、繰り返し連絡を入れています。完全リモートレッスンは難しいのですが、これまでにも教室では録音動画を送ってもらってその演奏に対してコメントしたり、聴音の課題を送って答えを書いたノートを写メして送ってもらったりと、リモートレッスンをしてきました。全員ができるわけではありませんが、録音動画を何回か経験している親御さんからは、「動画を撮るとなると、間違わずに弾けるまで練習してくれるし、自分の中の演奏も見直せるので、効果的と感じました✨」とご感想をいただいております。この効果はかなり高いと確信しています。長丁場になりそうな新型コロナウイルスと戦い、充実したリモートレッスンへ向けて模索、研究していきます。

💠その後、ひよこ音楽教室では子どもから大人まで、順調にリモートレッスン中とのことで、随時ブログで発信されています。

 

・徳島の吉永理恵さんより

報告その1(3/30)

リモートレッスンについて、とても参考になりました。今のところは対面でレッスンをしているのですが、レッスンをお休みにした方が良いのでは、と悩んでいたところです。色々なアイテムを工夫して使えば、新たなレッスン方法の開拓ができるのですね。

報告その2(4/13)

私の教室では、リモートレッスンの手始めに、無料オンラインレッスンを希望者に試していただくことにしました。ツールはLine FaceTimeを試したのですが、LINEの方が聞きとりやすいようでしたので、LINEのビデオ通話を使いました。wi-fiの環境などによっても変わってくるようです。3歳から高校生まで約半数の生徒さんが試してくれました。

お家でのピアノを弾く姿勢をチェックできたり、お互いに顔を見られたのが良かったです。小さい子は何回も手を振ってくれたり、手元のアップが続くと「先生の顔が見られなくて寂しい!」と言ってくれたり、顔が見られることで安心するんだなあ、と思いました。通話時間が記録に残るので、時間をものすごく意識してレッスンするようになりました。

音に関しては、強弱はわかるのですが、やはり響きのニュアンスはわからないので、普段の生徒さんの響きを思い出したり、弾き方を見て想像で補いながら聴くという感じです。

私の課題だな、と思ったのは、ピアノの響きを同じ空間で聴いてもらうことができないので、それを言葉で表現するために「言葉の力」を磨くことです。樹原先生がおっしゃるように様々な分野の本を読むことが大事だな、と実感しました。

あと、兄弟が同じ部屋にいてワイワイ楽しい!という生徒さんや、レッスンは兄弟から離れて一人で落ち着いて受けたい、という生徒さんなど様々だったので、その辺りの環境を整えることも大事かな、と思いました。

親御さんも「次回までに写し方など改善します。」と協力的な方が多くて、私と一緒に試行錯誤しながら続けていただけそうです。曲を弾いている生徒さんには、録音して次のレッスンまでに送ってもらうようにしました。

私にとっては、収入面のこともありますが、こどもたちの笑顔が見られて音楽を共有できたのが何よりも喜びでした。今年は発表会のかわりにCDアルバムを作成するのも楽しいかな、と思っています。

対面レッスンはしばらくお休みになると思うので、リモートレッスンの可能性を広げていきたいです。

即興演奏勉強会がDVD受講に変わり、続けられるか不安だったのですが、リモートレッスンに慣れてきたので続けられそうです。時間はたっぷりあるので!頑張ります!

 

 

 

 

・藤井明美さんより
3回にわたってのレポートです。ぐいぐいと進化されている様子が頼もしい。

報告その1(3/31)

先生のDiaryにもありましたがリモートレッスンへの移行をしています。何度か試みてみました。タイムラグがあるのがもどかしいですがこれを機会に新しい視点で勉強してみようと思います。グループレッスンもできると楽しいなと考えています。“聴きとり術”(樹原注:コードの響きを覚えて聴き取れるようにする手法)も美しくコード感を持って弾いてYouTubeで限定公開したりしてもいいかなと楽しく乗り切りたいと思います。そのためには私が一生懸命練習して限りなく美しく弾けるようにならなくてはいけませんが。先生のご提案も参考にさせていただきながら生徒のために私にできることをやっていこうと思います。

報告その2(4/6)

あれから聴きとり術のCsus4までの4つのコードを教えていただいたように(樹原注:コード塾 第4回での特訓)練習し、『耳を開く 聴きとり術 コード編』“聴きとり術”の4つの課題の動画をお家で聴いてもらえるように、Googleフォトで生徒と共有しました。コードを聴いて、その違いについて感想を送ってくれた小3の男の子。

Cm「妹を大丈夫かな~っていつも心配している気持ち」
Caug「もう〇〇ちゃんったら!またどこかに持っていっちゃったよ!」
Csus4「やっと寝てくれて自由になれた」
C「5月に森林浴をしている感じ」

と表してくれました。(2歳の妹の様子が目に浮かびます)

これからも、樹原先生のレポートを参考にさせていただきながら、この状況で私に出来ることを考え明るく過ごしてもらえるようにやってみようと思います。明後日にはテストも兼ねてオンラインでグループレッスンをしてみようと思っています。
DVD「えいごでピアノランド」も閉じこもっていないといけない時期に、親子共に有難いツールになると思います。期待して応援しております。

報告その3(4/11)

グループレッスンは生徒3人と FaceTimeでリアルタイムで行いました。相手の顔が大きく見えるので分かりやすく、何より元気な生徒の顔が見れて私がとても嬉しく安心しました。最初に“聴きとり術”をしてコードを弾くと、その場でどんどん感想が出てきました。ピアノで弾いた音を(3音)音符カードで探してもらい、カメラに見せてもらいました。

あとは身体を動かそうと、「きつねとうさぎ」「ぶらりんこのほい」「ぶらぶらたいそう」など(樹原注:『プレ・ピアノランド』の中の指の体操)をして終わりました。お母さま方からはとても楽しい時間が過ごせた、“聴きとり術”の他の人の感想が聞けて新鮮だった、みんなの顔が見れて面白かった等の感想をいただきました。とても好評だったのでまた計画しているところです。

友人といろいろ動画アプリのオンラインテストをしたのですがFaceTimeが1番音がよく通信状況も安定していました。次がSkypeでした。Lineはどうしても、ということでなければ使いたくはない感じでした。

 

💠以上、わずか2週間足らずの間に、思い切ってリモートレッスンをスタートされて教室が活気づいていく様子が伝わってきました。アプリについても、ご自身での実験で納得されているのがいいですね。FaceTime>Skype>LINE、という音質については私の実験結果と重なります。アプリについては後述します。

 

 

 

2)質問

 

・愛知県 Marikoさんより
4/7にいただいた質問と、私の答え(電話でお伝えしたことの要約)、4/9に問題点が解決した様子です。

質問 (4/7)
今月からコロナの影響で、オンラインレッスンを始めました。
当初zoomでと思いましたが、私と同じ位初心者の親御さんにとって、zoomはハードルが高いので、アプリを取るだけで簡単に出来るGoogleDuoで徐々にですが行っています。

昨年2月からプレピを始めた、この春年中さんになる女の子ですが、昨日オンラインレッスンをしましたが、まず私と自分の顔がスマホに映っている事に大興奮で、全くレッスンになりませんでした。

少し落ち着いて話が出来るようになったので、始めようと思ったのですが、こちらでミュージックデータを再生するとあちらに届くタイムラグがあるので、合っているかが確認できません。

そして何より、プレ・ピアノランドで二段階導入法をしている生徒さんには、私が寄り添って、手を触りスキンシップをしながらきめ細かい指導をしてあげなければならないのに、画面越しで口頭で伝える事が私の指導力では難しく感じました。

プレ・ピアノランドのオンラインレッスンの方法を教えて下さい。お願いします🙇⤵️

 

樹原涼子より

小さい子は画面越しの対面に大興奮しますが、それはとても良い傾向です。画面に集中できる証ですから心配はいりません。「見て欲しいところだけを写せる」ことを武器に、先生の手の形を親指側から、5の指側から、上から、と色々な角度から見せて、手のフォームにアドバイスしたり、指の体操の手の動きだけをアップにしたりしてみてください。喜んで真似してくれるはずです。

タイムラグの解決方法ですが、ミュージックデータを再生するのは生徒さんのお宅でお願いしましょう。そうすれば、音楽と動作のタイミングのチェックは問題ありません。

『プレ・ピアノランド』時代の“二段階導入法”の時期に幼児が喜ぶのは、『即興演奏 12のとびら 音楽をつくってみよう』の中のレッスン1オノマトペです。言葉遊びがリズム感も育みます。(詳しくは次回!)

大切なのは、子どもの様子を画面越しでもしっかり観察することです。その子ができていること、できていないこと、興味のあること、ないことなどをよく観察すれば、次に何をすべきかは子どもの方から教えてくれます。感じ取れるようになります。一人一人をよく見て、オンライン、リモートならではの楽しいレッスンになりますように。

 

その後の報告(4/9)

今日は年長さんの男の子のオンラインレッスンをしました。オンライン指導に自信が無かったのですが、先生に教えて頂いたオノマトペで、掴みはOKでした。そして音楽カルタ、プレピの音符カード、その後もう一度復習も兼ねて、先週私がリモートで送ったプレピ1の体操を音楽無しでやりました。指の動きだけに集中して、タイムラグを気にせず、じっくり取り組めます。

教えて頂いた様に、私がスマホを指に近付け、親指側からや、小指側、普段は見えない角度で見てもらい、私もお母様に色んな角度で撮影して頂き、生徒の指も確認して、普段のレッスンでは出来ない事が出来ました。

そんなこんなで40分レッスンの内30分出来ました❗️これで、前回お悩みの年少さん女の子のレッスンもやって行ける自信が付きました。

オンラインレッスンは何に特化出来るか?不自由を自由にするのにはどうしたら良いのか?普段では見えない事が見える化を沢山見つけて、非常時だけでなく、台風などの自然災害時、インフルエンザでお熱も無くて元気だけど外出禁止時等々、色んな場面でお休みする事無くレッスンが出来ます!
コロナ騒ぎが無かったら、今までの機械音痴の私は何も出来ず、ただただ休講していたかもしれません。本当にありがとうございました。

 

 

 

 

・小川優子さんより

質問(3/26)

『耳を開く 聴きとり術 コード編』を使って、オンラインで中学生にコードのレッスンができないでしょうか? 部活で疲れているけれど、ピアノを頑張っている中学生たちにコードを教えたいと思いながら、ピアノのレッスンだけで終わってしまっていましたが、時間がとれるこの機会に、“聴きとり術”ができないかと思いました。また、テキストを渡してどのように教えたらいいのかわかれば、「コードを勉強してみない?」と声をかけたいです。また、根音を入れ替えた他のコードネームについてはどうしたらいいでしょうか。

 

樹原涼子より

“聴きとり術”については、私もどれくらい効果があるのか迷いながらでしたが、リモートレッスンの「録音してから送る」、その後「じっくり聴いて感想を送ってもらう」という方法でうまくいっている先生方が多数です。音質が大切な部分については、みなさん、録音、または録画してLINEなどで送り、アドバイスはオンラインでという方が多いです。

オンラインのままですと、かなり音質がよくないと難しく、アプリを選びますね。“聴きとり術”に関して、zoomでは和音が割れて汚くなってしまうので無理かなぁと思います。レポートにあった藤井さんはFaceTimeでオンラインで大丈夫とのことでしたが、元々先生のお宅のピアノの音色で経験していることが大事で、その復習ということならよいイメージで取り組めるでしょう。FaceTimeも、ピアノから少し離れた位置にiPhoneをセットして音が綺麗に伝わる距離を確認するといいですね。

教え方は、テキストに沿ってCを根音とした12のコードを1つずつ順番に教えていきます。冒頭の課題を楽譜通りの掴みかたで演奏して、その倍音まで含んだ響きと、名前と、イメージをしっかりと伝えて、全身が耳になったように味わってもらいます。中学生ならコードの響きや名前に興味を持ってくれると思うので、すぐにコードの違いを聴き分けられるようになると思います。いくつかのコードの聴き分けができる、という段階で、今度は冒頭の課題を生徒が演奏して録音、それを先生に送る宿題を出したらどうでしょう。

自分で演奏すると、コードの響きと、様々な音域でのコードの掴み方がマスターできます。その後、「お団子図」のページを使って各音の音程関係を教えながら、少しずつ根音を入れ替えていく面白さを教えていくといいですね。

このあたりの理解力、想像力は個人差があるので、何も言わなくてもどんどんできる子と、じっくり説明してわかる子、曲の中でコードに出会うことで納得する子など、様々です。オンライン講義で音程関係を説明したり、いつもできない楽典的なことに時間を使うのは有効です。この期間にコードがマスターできたらいいですね! コードの響きは録音で送り何回も聴いてもらう、講義はオンラインで。

先生の“聴きとり術”の演奏を聴いて、響きと名前を覚える▶︎自分で弾く▶︎お団子図で音程関係を把握

最初の2つは録音のやり取り、3つ目はオンラインでの講義がおススメです。

コードの“聴きとり術”で大切なことは、「覚えたら使う」です。覚えたコードはピアノ曲の中でもすぐに見つけるよう促す、先生からも毎回話題にしていくことです。漢字をマスターするとき、読み方、意味、書き順を覚えた後、どんな風に使えるようになるか……と考えるとわかりやすいですね。本をよく読む子や熟語に興味がある子は、漢字や熟語を覚えるとすぐに自分の語彙となり使えるようになります。ですから、とにかく覚えたら使う。先生が普通にコードネームをドレミと同じようにレッスンで使うことが何より大事で、そうすると、ルート(根音)を変えてもメジャーコード、マイナーコード、セブンスコード、その他もすぐにコツがわかるようになります。

コードネームは英語での音楽用語ですから、難しく考えないでどんどん覚えて、音楽の語彙を増やしていきましょう! コードネームを習ってこなかった先生方も、“聴きとり術”を教えながらどんどんマスターされています。

 

***

💠以上、リモートレッスンでは録音を送ることでコードの“聴きとり術”ができます。他にも、ひよこ教室のレポートにもありましたが、聴音などの課題も「録音を送ったものを書き取る練習」ができますね。答えは写メで送ってもらうこともできますし、視唱の課題は録音を送ってもらうととても頑張ってくれます。また、小さい子どもには、練習している曲の写譜の宿題もとても効果を上げます。

 

 

 

 

3)使用アプリについて

レポートの中で、皆さんが様々なアプリや方法を使って努力していらっしゃることがわかり、感動しています。仕事上の必要に迫られると、否が応でもできるようになっていくものなのですね。

そう言えば、元々超アナログな私も、その昔ミュージックデータ開発のためにパソコン上での音源の扱いを学びDTMの講義もしましたし(もう今のレベルは無理!)、本を出版するにあたって、手書き原稿だとピアノが弾けないほど手にダメージを受けるために始めたパソコンは、仕事柄、脱力してのブラインドタッチで高速で打てるという結果で今に至り(話すスピードで打てます)、肌身離さずノートパソコンを愛用するようになりました。

初めは億劫でも、やってみるとできたこと、もう以前の生活には戻れないことって多いですね。これからスタートする方も、アプリや機材に凝らなくていいので、大事なことはただ1つ。

「問題はレッスンの中身だ!」

ということを心の真ん中に置いて、使えるものを使うところからスタートするといいと思います。料理と一緒です。手持ちの材料で作れるものからスタートして、自分なりの使い方に慣れていけばいいのです。

 

アプリについても、パソコンか、iPhone、iPadか、Androidか、OSのバージョンやWiFi環境、会話や録音録画するときの楽器との距離、様々な設定など、上手くいくかどうかの条件は様々異なるので、簡単に良し悪しを判断することはできません。

 

それを踏まえた上で、前回の記事でもリモートレッスンで使えるアプリについて書いたことを思い出しながら、今回はおさらいと、追加情報です。

 

オンラインでレッスンするとき、音質が許せる、使えそうなアプリ1位、2位はこちらです。
演奏家の友人との間での評判も、ほぼ同じでした。録音録画のやり取りももちろん可能で、気楽に使えます。ですが、先日防音室同士でやりとりしたら、画像がスムーズではなかったので、やはりWiFi環境は大事です。

フェイスタイム FaceTime

スカイプ Skype

 

 

録音や動画のやり取りや講義に使えるアプリ。
私の実験では演奏をオンラインでというのはちょっとキツイ感じですが、レポートで「大丈夫」というケースもありましたね。

ライン Line

ワッツアップ WhatsApp

フェイスブック メッセンジャー facebook messenger

 

 

私は使っていませんが、レポートの中で使われていたアプリです。

グーグルデュオGoogleDuo

グーグルフォトGoogleフォト

 

 

会話の音質はダントツのアプリ。
会話は一番聞き取りやすく使い勝手がよいですが、楽器の音には全く向いていないアプリですね。
ピアノやギターの演奏でのやり取りを試しましたが、とても残念……でも、会議用に開発されているので、音楽に使えないと文句を言われる筋合いはないですね! 会議、講演会、講義、オンライン食事会などには最高です。
セキュリティの問題がクローズアップされているので、毎回パスワードを使用してください。
録音をやり取りしたあとのアドバイスにzoomを使うのであれば、言うことなしです。

ズーム zoom

 

こちらはヤマハの音楽専用のアプリで、オンライン、同時双方向ということではタイムラグが一番少ないようで、私もダウンロードしたところで、これから試してみます。6月からは新しいアプリとして切り替わるそうなので、本格的に使うのはそれから、と楽しみにしています。

ネットデュエットNETDUETTO

 

 

 

 

 

4)演奏家のみなさんの様子

ウェブ上で発信する人が増えました

YouTubeで発信している人が激増中です。
小原孝さんもYouTubeチャンネルを作って発信をスタートされています。

ピアノランドのYouTubeチャンネル、かなり前に作りましたがもうすぐ登録が800人。宣伝しなくては!
無料の連載「ピアノランドの教え方」の中の解説動画やこれまでのピアノランドフェスティバルの抜粋など、楽しめます。

演奏家の友人は、ネット上でのインスタライブで海外のアーティストとの共演を盛んにしています。
演奏と踊りを同時に発信している滝澤志野さん(『即興演奏 12のとびら 音楽をつくってみよう』のインタビューに登場しているバレエピアニスト)は、ウィーンに居ながらパリのファヴォラン先生のバーレッスンと共演したり、シルヴィア ・アッツォーニと共演したり、それぞれの自宅からの発信は楽しいものでした。

普段のレッスンはインスタライブというわけにはいかないですが、インスタライブで一般の人も楽しめる工夫をいろんなアーティストがしているのは嬉しいことですね。

公開レッスンならインスタライブも可能かも!?

 

同じように、facebook上でライブをしているアーティストも沢山いますね。これは、使用機材によって音質がかなり変わる印象です。生に勝るものはないけれど、これがCDの売り上げや、今後のコンサート来場へと結びついていくのかもしれませんね。

 

リモートレッスン、オンラインレッスンについてのプロの意見

演奏家の皆さんはピアノの音色にこだわりがあって当然ですから、リモート&オンラインレッスンに積極的な方はあまり多くない印象がありましたが、若い方はそうでもないようです。年代差がかなりある感じです。

 

リモートはどんな形でもしない

空気を震わせる振動が音なのだから、生でなければできない、という方もいらっしゃいます。年齢層は高めの先生が多いです。周りが環境を整えてお願いすれば、可能な場合もあるかもしれません。その方の主義は尊重すべきところです。

 

生音がいいのは当たり前だけど……

それでも、困っている弟子を見殺しにできない……と、いろんなケースを聞きました。

1)受験生、発表会、コンクール前、演奏会前のレッスンといった必要に迫られて、録音か録画を見てのリモートレッスンならする

2)遠方から通う弟子のために、時間と交通費の節約も兼ねて、対面レッスンの間に、時々オンラインレッスンをする

3)こちらから録音して送るのは面倒なので、伝えたいことはオンライン通話で伝える

ただし、リモートレッスンはよく知っている相手でないと、難しい。いつもの様子を知っているから、想像力で補いながら指導すればできる、との声が多いです。

 

「レッスン? オンラインでOKだよ!」

かと思えば、「いつでも時間があるときには見てあげるよ!」と、海外からFaceTimeで日本のお弟子さんにレッスンしている方もあります。「音の問題はない」というのは、それでもわかるという経験値の高さかもしれません。

演奏家でレッスンにzoomを使っている人は、今のところ存じ上げません。

 

 

 

 

5)ピアノランドスクール、樹原涼子の使い方

 

ピアノランドスクールでは

私の教室では、ほぼ全員がFaceTimeかSkypeでのオンラインレッスンと、宿題は録音での提出を組み合わせています。期日までに録音することで目標を持って練習できるのでかなり上達できます。

講師も子どもたちもとても楽しそうで、リモートレッスンは上手くいっています。新鮮な驚きと感動と発見の連続です。もし、この期間休んでいたとしたら、これまでのことを忘れてしまう子どもも多かったのではと、導入してよかったと思います。

 

※この期間、医療関係や仕事を休めない職種の親御さんの場合、幼児のリモートレッスンには親御さんの付き添いが必要なので、難しい場合もあるでしょう。家庭環境に応じた無理のない方法を、ご家庭ごとに相談する必要があります。リモートレッスンよりも、まず、健康で生きていること、安全が最優先です。

 

樹原涼子の仕事での使い方

リモート勉強会への切り替え

もともと、私自身が講義している月に1回のマスタークラス、コード塾の2つのクラスは、リアルに出席していただく一般受講と、遠方の方のためのDVD受講を選べる形にしていて、どちらもDVD受講の人数が多いという状態でした。

それで、コロナによる外出自粛になったときにも、これらのクラスはすぐに全員をDVD受講に切り替えることができました。これまでは、ホールでの講義を3つのカメラで撮影して編集していたのが、会場を事務所に変えて無観客になったという違いはありますが、伝えたい内容はしっかりと伝えています。

オンラインではなくDVDなので、何度も見直せること、ピアノの音がよいこと、チャプターがあるのが嬉しい等の感想をいただいています。

その他、4月からは講師を派遣しているクラスをリモート勉強会にしたので、これまでの私の講義DVDを送ったり、新たに撮影したりしています。皆さんからの演奏も、講師と私が聴いてコメントするので、ちょっと様子が変わって新鮮です。

 

 

レコーディング前のレッスンもリモートで

今年、私の曲集や作品をレコーディングする方が何人かいるのですが、そのためのレッスンや細かいチェックを、毎日のようにしています。

 

『やさしいまなざし』をレコーディングするピアニストの鳥越由美さんは津山に在住。コロナの影響で行き来できない今は、毎日メールで数曲ずつの録音が届き、空き時間に聴いてコメントを返信しています。
オンラインではお互いの時間が縛られてしまいますし、音質が今ひとつなので、録音がベスト。
よく知っている方で何度も演奏を聴いていているので、問題もなくアドバイスができます。
鳥越さんにとっても、録音する練習になっていいのではと思っていたところ、
「録音を聴いて頂くことも、最初は緊張しましたが、慣れてきました。時間を選ばす出来る事と、返信を頂くまでが楽しみな時間です」とのこと。

発売前に、すでに予約が250枚近くと聞いて驚いています。素敵なCDになりそうです✨

 

もう1人は、コントラバス奏者の髙杉健人さん。彼にプレゼントした「KENT」をレコーディングするとのことで、ピアニストとの合わせの動画を受け取りました。時間のあるときにスコアと照らし合わせながらチェックしてメールで返信しています。

演奏を聴いてからアーティキュレーションを直したい箇所もあったりするので、とても大事な作業なのですが、これも、何度も聞き直して考えながらアドバイスできるので、リモートの方がいいくらいです。もちろん、最終段階では迫力満点の生で聴きたいところです。また送られてくるのを、楽しみに待っているところです。

 

こうして、録音や動画でのレッスンや打ち合わせは、ひと昔前を思い出すと夢のようです。時間短縮にも経費節約にもなります。ただ、今、聴こえていない部分もあるのだ、と思いながら聴くようにしています。

 

このように、曲が高度になるにつれて、比重がオンラインよりも録音の方に傾いていきます。

・小さい子どもには、顔を見て語りかけることと反応を見ることが重要なので、オンラインでする意味があります。

・音楽的に高度なことを伝えるのであれば、音質を第一に考えて録音データをやり取りする。コミュニケーション方法はメールでもオンラインでも、何でもよい。

 

 

はぁ、疲れたところで甘いものをどうぞ!

 

 

 

さて、コロナさんはGW明けまでにどうなっているのでしょうか。
みなさんとお会いできない日がつづくので寂しいですが、TwitterFacebookにこの記事をアップしますので、よかったら感想や新たな情報、質問など寄せていただければ、また、ここでお伝えしていきます。

 

 

4月の24〜26日頃に、DVD「えいごでピアノランド」が各楽器店に配本されることになっていたのですが、肝心のお店が閉まっているところが多いかもしれません(涙)。ですが、なるべく、お近くの楽器店に予約を入れていただければ有り難いです。リモートレッスンで使えますので、幼児、小学生の生徒さんたちにご推薦いただければ幸いです!
そして先着300名の方に、特製下敷きのプレゼントがあります!予約の際にご確認いただくか、ピアノランドメイト事務局までお問い合わせください。info1@pianoland.co.jp tel:03 5742 7542)

4/11毎日新聞夕刊「楽庫・見聞読」で取り上げていただいています。

 

 

そして、DVD発売記念セミナー情報です。

2020年 5月 19日(火)10:30〜12:45 カワイ表参道 コンサートサロンパウゼ

ピアノランドがえいごになった! 見て、聴いて、歌って、覚えよう! NEW

DVD『えいごでピアノランド』発売記念セミナー
DVDを活用して、英語&ピアノ&日常生活を劇的に向上させる方法を、具体的にお伝えします

※新型コロナの影響が危ぶまれますが、お申し込みくださった方へは、開催できない場合に動画配信などのリモート受講が、後日、可能になる可能性もあります。また、詳しい情報をお伝えします。受講料は当日精算で承ります。(カワイ表参道より)


カワイ表参道

電話:03-3409-2511 (閉店中も電話受付 11時〜16時)
FAX:03-3797-5872 メール:omotesando@kawai.co.jp

 

 

樹原涼子マスタークラス、コード塾、勉強会の情報はこちら

 

それでは、皆様、リモートレッスンが上手くいきますように!

 

 

樹原涼子
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