第12回 黒鍵でペンタトニック、3〜4本指で長調、短調、ポリフォニーへ♪
ピアノランドの教え方 How to use PianoLand
第12回 黒鍵でペンタトニック、3〜4本指で長調、短調、ポリフォニーへ♪

第12回 黒鍵でペンタトニック、3〜4本指で長調、短調、ポリフォニーへ♪

お待たせいたしました!

web連載中の動画でも度々使用しているピアノランドシリーズの「ミュージックデータ」ですが、とうとうダウンロードでの発売が始まります!

音楽之友社のウェブサイト、オントモヴィレッジの中に、なんと「ピアノランドの広場」が開設され、その中で試聴、購入することができるようになります。

「ピアノランドの広場」は、7月22日(水)10:00にオープンの予定です♪

フロッピーディスクで15年、USBメモリーで5年、多くのみなさまに愛されてきたピアノランドのミュージックデータですが、パッケージではなくダウンロードで発売される日が来るなんて、20年前には想像もできませんでした。

iPhoneやiPadなどでも再生できるおススメアプリの情報もありますので、ぜひ、「ピアノランドの広場」を覗いて、村民登録(なんと言ってもオントモヴィレッジですから…)をしてください。登録は無料です。

 

すでに使っている人にとっては当たり前のアイテムですが、まだ使ったことがない人にとっては、ミュージックデータ練習スタートのチャンスです。

今後は、ミュージックデータの効果的な使い方を、いろいろな形でお伝えしていく予定です。

どうぞお楽しみに♫

 

 

それでは、今回の目次です。

●「黒鍵ゲーム」で指の独立と拍子感を→「星の砂」

●長調も短調もバランスよく。子ども達は、短調も大好き!「わたりどり」

●「ピアノランド」1巻から、ポリフォニーの導入♪「ゆうぐれのすべりだい」

●跳躍進行、シンコペーションのエネルギー、アウフタクトのフレーズ「ひこうき」

 

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●「黒鍵ゲーム」で指の独立と拍子感を→「星の砂」

黒鍵5音のペンタトニックスケール(五音音階)で、子ども達の耳とハートを刺激しましょう♪

 

連載第9回目で初めて演奏するとき、黒鍵の和音からスタートしたことを覚えていますか?

ピアノランドメソッドでは、「演奏は黒鍵から導入、読譜はミドルCから両側へ」と広がります。

前回は、ミドルCから2本の指を使い「シドレ」の3音を中心に演奏する曲をご紹介しました。

今回は、「プレ・ピアノランド」3巻のレッスン7「こっけんゲーム」で、一挙に4の指まで使うレッスンをご覧いただきましょう。

 

 

 

『プレ・ピアノランド』3巻より「こっけんゲーム」

こっけんゲーム

 

★和音で弾くときには同時に打鍵して美しい響きを得ることを意識します。

★アルペジオで弾くときには、イン・テンポで“ひとかたまりの音型”としてレガートを意識すること、音色、音価を揃えて拍子感をもって演奏することを心がけます。

黒鍵を使うと、譜読みの苦労なしに2、3、4の指の独立をはかることができます。

特に、動きにくい3、4の指の動作をなめらかにして、一音ずつのクオリティを高めていくことができる、大切なレッスン。

しかも、まだ難しい曲が弾けない頃から、2拍子、3拍子、4拍子、5拍子、6/8拍子等の拍子感を養い、3連、5連符の感覚にも慣れ、音色やフォームに集中できるのですから、繰り返し行ないたい練習です。

 

「黒鍵ゲーム」は、疲れて集中力がないとき、宿題の曲が練習できなかったときなどにも役立ちます。

大きくなった子ども達にも応用編として、テンポを上げる(メトロノームを使って正確に!)、強弱をつける(左右の手の強弱を変えて切り替えの練習をする/上行はcresce.下行はdim.にする)等、利用してください。

鍵盤の広い音域に渡って美しい音を響かせる経験ができるのはステキなこと。

五音音階での即興演奏のヒントもギュッと詰まっています。さぁ、楽しく取り組みましょう!

 

 

 

hoshinosuna

次は、『ピアノランドコンサート』上巻の黒鍵だけを使った2曲の中から、発表会向きの「星の砂」をお聴きください。

動画の1回目では、ミュージックデータに合わせて、自宅で一人で練習しているところを想定して演奏しています。

「星の砂」 『ピアノランドコンサート上巻』より ソロバージョン/ミュージックデータと

子どもにとっては、「黒鍵5つを順番に演奏するだけで、5拍子のステキな曲になる!」「クロスハンドは面白い♪」「ミュージックデータに合わせたら、長い音も自然に演奏できるよ」という具合に、5拍子も楽しく演奏することができます。

 

そして2回目は、ミュージックデータを使わないで”連弾”で息を合わせたアゴーギグバージョンです。

このように、「星の砂」は〈かわいらしく〉&〈大人っぽく〉の、どちらにも変身できる曲です。

 

「星の砂」 『ピアノランドコンサート上巻』より 連弾で

 

いかがでしたか?

「黒鍵や5拍子は難しい、もっと後になってから」と思わず、子どもの感性が柔らかいうちに、大人の先入観なしにシンプルに教えていくと、とても上手くいきます。

あなたが難しいと思うことを、子どもに難しいと感じさせる必要はありません。

実際、黒鍵を長いこと教えなければ、4拍子ばかりを教えて他の拍子を避けていれば、黒鍵や複合拍子を難しいと思う子どもが誕生します。

子ども達は、大人が考えるよりも軽々と柵を乗り越えていきます。

『ピアノランド』を作りながら私が学んだことは、「音楽の美しさ、楽しさ、面白さを、私達大人がいかに伝えていくかにかかっている」ということ。

「教えやすさ」よりも、子どもに受け取って欲しいことは何かを考え、開発してく大切さ。

それは、次回の6/8拍子の教え方にも通じるものです。

 

ああ、そろそろ、ポイントを絞って先を急ぎます。

メソッド全曲を隅々まで勉強しようという心意気の方は、ピアノランドマスターコースピアノランド勉強会においでくださいね。

 

●長調も短調もバランスよく。子ども達は、短調も大好き!「わたりどり」

“二段階導入法”で、長調と短調を聴きわけること、味わうことを学んだ子ども達は、短調も大好き。

黒鍵ゲームの後はまた白鍵に戻って、両手の1、2、3の指でしっとりと短調を歌い上げましょう。

 

『ピアノランド』1巻の「わたりどり」では1番と2番の伴奏の厚みの違いを感じて、子ども達の表現も1番と2番では自然と変化します。

 

 

 

 

『ピアノランド』1巻より「わたりどり」

わたりどり

 

●「ピアノランド」1巻から、ポリフォニーの導入♪「ゆうぐれのすべりだい」

〈聴く〉ことをさらに一歩進めて、もう、この段階でポリフォニーの曲が始まります。

といっても、もう一声部は先生が弾く伴奏パートです。

自分が弾くメロディに対して、先生の対旋律が模倣しながら追いかけてくることを感じて、反応し合うということが大切です。

先生も、生徒と歌い合うという意識でポリフォニーを作っていくように演奏してください。

自宅で一人で練習するときには、ミュージックデータのセコンドパートを聴きながらメロディを弾く練習が有効です。
慣れたら、オーケストラのパートまで含めて、音楽全体の関係を聴きながら表現できることを目指しましょう。

最後のグリッサンドは、ペダルを使ってもいいですし、もっと高い音域から下りて来ても構いません。

どんな滑り台か想像しながら演奏しましょう(高い?長い?スピードは?等イメージして)。

 

 

 

『ピアノランド』1巻より「ゆうぐれのすべりだい」

すべりだい

 

●跳躍進行、シンコペーションのエネルギー、アウフタクトのフレーズ「ひこうき」

『プレ・ピアノランド』3巻で、前回は2本指(シドレ)で様々なアーティキュレーションを学びましたが、今回は音数、音域が増えたので(ソラシドレミファ)、順次進行から跳躍進行という魅力的なカードを手に入れました!

レッスン7で黒鍵、レッスン8で長調と短調を、レッスン9では4本の指で様々な音型とタッチ、跳躍進行、シンコペーション、アウフタクトのフレーズのブレス等を学びます。

テクニックと音楽の関係をしっかり学んだ後に、『ピアノランド』1巻の「ひこうき」を演奏します。

曲の初めの属音から主音への4度の跳躍エネルギー、4小節目のアウフタクトでのブレスと歌い出しのエネルギー、ラストの「ひこうき」という歌詞にのったシンコペーションのエネルギー。

 

“エネルギー”という言葉を使いましたが、音楽とは、このエネルギーの動きを表現できてこそ聴き手に伝わるものです。

音型の持つエネルギーと歌詞との関係、さらに伴奏のハーモニーとの関係も味わいながら連弾できるよう、デリケートな感性を育てていってください。

セコンドのベースラインの取り方、経過的なオーギュメントやディミニッシュ、たった一音の♭9thのスパイス等、ポイントを理解して伴奏してください。

それをプリモに感じさせるように連弾していきましょう。

 

 

『ピアノランド』1巻より「ひこうき」

ひこうき

 

『ピアノランド』は、自分の音はもちろんのこと、セコンドパートやオーケストラを聴きながら演奏できるように育てていくメソッドです。はじめから全曲に伴奏がありますから、当然、アンサンブル能力が高く、聴く力が育っていきます。

ところが、聴く体験をしてこなかった子どもの中には、「先生、伴奏弾かないで。わからなくなる」と伴奏を嫌がるケースもあるのです。

そのような場合は、まず、自分の音を聴いていない、セコンドの音を聴いていない(聴く習慣がない)、テンポ感が育っていない(つっかえ弾きをする)ということが多いので注意が必要です。

 

〈聴く〉という行為は目に見えないだけに、弾くことよりおろそかにされがちですが、上手に弾くためには、何よりも〈聴く〉ことが大切であるということを、何度でも,何度でも、繰り返し伝えていきたいと思います。

 

 

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いよいよピアノランドフェスティバルが始まります!

今年もピアニスト小原孝さんと樹原涼子の演奏で、『ピアノランド』の生演奏をお楽しみください♪

新曲の初演、小原さんのソロコーナー、「樹原先生と小原くんの爆笑レッスン」、そして録音応募プロジェクトで選ばれた子ども達のとの連弾、作曲も素晴らしいです! 会場でお会いしましょう!

2015年7月29日(水) ピアノランドフェスティバル2015 (名古屋)

2015年8月7日(金) ピアノランドフェスティバル2015 (西宮)

2015年8月9日(日) ピアノランドフェスティバル2015 (熊本)

2015年8月21日(金) ピアノランドフェスティバル2015 (東京)

お申し込みは、チラシ裏面の楽器店、またはこちらまでどうぞ → E-mail:plf2015@pianoland.co.jp

 

ピアノランドフェスティバル2015

ピアノランドフェスティバル2015

樹原涼子

公開日:

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