リモートレッスン5 軌道に乗ってきましたね

リモートレッスン5 軌道に乗ってきましたね

リモートレッスンについて4回記事を書き、約6週間が過ぎました。
ひとしきりテスト通話も上手くいってレッスンも軌道に乗ってきて、次の問題が出てくる頃かなと思い、今日はリモートレッスンと普通のレッスンの違い、というだけではなく、そもそも私たちは何を教えるべきなのだろうかということを考えてみたいと思います。

後半は、その後いただいている沢山のレポート紹介をします。
子供や大人のレッスンをしている方、また、私のリモート勉強会を受講されている方の様子をお知らせして、これからスタートされる方の参考になればと思います。

その前に、大切なことを最初に。
コロナによって誰もが何かしらの影響を受け、そのダメージの深さも外からはわかりません。
生活が立ち行かなくなり深刻な人も、心に深い傷を負ってしまった人も、ご自身や親しい方が罹患した人も、恐怖でおかしくなりそうな人も、おおらかに受け止めている人もいます。

そんな中で、音楽のレッスンが救いになっている人もあれば、とてもそんな余裕がない人もあるでしょう。
経済的に、時間的に、精神的に追い詰められている人がとても沢山いることを念頭に置いて、その人の中での優先順位を尊重していけたらと思います。
音楽家にとって音楽が1番に優先されるのは当然ですが、まず、生きていかなくてはなりません。
大学生の13人に1人がコロナで生活が厳しく、退学を考えているという記事に心が痛みます。そういう記事には、どうしたらいいのか支援先の案内や提案も含めて書くべきではないのかと歯痒い思いです。
今日は、芸大生が1年休学するという投稿を目にしました。

「どんな事があっても きみたちを守る」困窮学生に10億円を緊急援助
あしなが育英会の記事

寄付をしたい方、奨学金希望の方はこちらを
あしなが育英会

暮らしに困っている方への支援窓口を探す
政府広報オンライン

各大学の窓口でも相談を受け付けていますので、お金がないからといってすぐに諦めないでほしいのです。若い人だけではなく大人も諦めないで!と思いますが、困っている人は自分で調べる気力もなく追い詰められ、病んでいくという構図があり、参考にしていただけたらと思います。今、レッスンをしたりレッスンを受けたりできるのは、恵まれた環境にあると言えます。周りに困っている方がいたときに、様々な窓口や方法を一緒に考えられたらいいなと思い、紹介しました。

 

 

 

3/14、3/29、4/5、4/14の過去記事はこちらです。

リモートレッスン、スタートされましたか?

リモートレッスン2 皆さんの様子とこれから

リモートレッスン3 オンラインレッスンは、リモートレッスンの一部です

リモートレッスン4 オンラインと録音録画の組み合わせで

 

目次

1)リモートレッスン、いいこと困ったこと

2)音楽を広く捉えてみよう

3)みなさんからのレポート

4)どうやってやるの? アプリは?

 

 

1)リモートレッスン、いいこと、困ったこと

コロナ禍によってリモートレッスンをスタートせざるを得なくなる人が増え、私もこの連載をしているわけですが、感染症というものに対する理解や考え方、対処方法は地域や家庭によってそれぞれだと感じています。レッスンをしばらく休む方法ももちろんありますし、リモートレッスンにするかしないかは個々の人が自分にあった方法を考えればよいことです。

※リモートレッスンは遠隔でのレッスン、オンラインレッスンは同時双方向でのレッスンを言います。

 

先生に言い出せない悩みがSNS上にありました。

・換気の悪い防音室でレッスンするから行きたくないけれど、レッスンが休みにならなくて困っている。
・先生も自分もマスクをしているけれど、鍵盤に触るのがためらわれる。
・毎回理由をつけて休んでいる。この先どうしよう。
・オンラインレッスンとか、してくれないのかな?

日本人特有の気の使い方なのでしょうか……疑問に思うことや希望があれば、話し合ってみることが大切だと思います。行きたくないのなら休むこともできる、先生にだけ決定権があるわけではない、と私は思います。

 

先生の悩みもありました。

・オンラインレッスンを提案したけれど、対面でお願いしますと来る人もいる。年寄りがいるのでと断りたいけれど言い出しにくい。
・生徒の安全を考えて、空気を入れ替え、毎回ドアノブを消毒、鍵盤も除菌しているけれど、感染したりさせたりしていないかとても気になる。疲れる。
・オンラインを希望されたけれど、機材とかどうすればいいのかわからない。ついていけない。

そんな方に、この連載が届くといいなぁと思います……。
それぞれのスタンスで自分の立場や考え方を持ったら、相談したり、提案したりしてみましょう。それを相手に押し付けないでお互いに選ぶ、ということが大切ではないでしょうか。どれが正解、ということもありません。

 

リモートレッスン、オンラインレッスンを始めて楽しいこと、大変なことなど生の声です。

・外出できないので、オンラインで先生とレッスンするのを親子で楽しみにしている。
・オンラインレッスンの日は忙しい。時間までに掃除して、着替えて、練習させて、というのが大変。
・先生に送る動画を撮るのが1週間の楽しみで、これがアルバムのように思い出になっていく。進歩が嬉しい。
・レッスンの移動時間がなくて助かる。下の子を連れていくのが今まで大変だった。
・先生の家で本物のピアノを弾くのが楽しみだったから、家の電子ピアノでレッスンはちょっと残念。

 

思わぬ発見をした方も!

・オンラインレッスンでは、電子ピアノの方が音がアコースティックより聴き取りやすくてびっくりした。
・携帯で撮影できる三脚を買ったら楽しくなって、どんどん自分の演奏をYouTubeにアップしています。
・夫や息子が撮影を手伝ってくれて、ピアノを教える仕事の大変さをわかってもらえた。
・パソコンも始めることにして、毎日が大変だけど楽しい。

 

 

 

 

2)音楽を広く捉えてみよう

 

いつもしてきたようなレッスンを、そのままリモートで、オンラインで行うことは難しいとみなさんすぐに気づかれています。と同時に、いままで、あれでよかったのかな? という疑問が湧いて来た方も多いようです。

学ぶ、は真似ることからとよく言われますが、音楽においてはよい音楽体験なしにいい演奏をすることは不可能です。「こんな風に弾いてね」とお手本を弾いて真似ることによって上達していく、というのは、どんな楽器においても、音楽以外の分野においても大切な要素であることは間違いありません。ですが、その方法だけで教えていくには問題があります。それ以外にも、音楽を外堀から理解できる手段を複数教えていくことが必要ですね。音楽には、多方面からの数限りないアプローチが必要です。真似をして先生のOKが出たら、それで終わり、でいいのかな?

限られたレッスン時間の中で、そのように弾いた方がいい理由を説明するのは大変です。場合によっては、理解させるのにレッスン時間全てが必要なことだってあるでしょう。何しろ、音楽、ですから。

ですが、なぜそうしたほうがいいのか、そうすべきなのか、他の考え方はないのかを説明したり検討したりする方法を教えないで、「こうするのよ」とほどよい最短距離の結果だけを教えてしまうと、成長の機会を奪うこともあります。

音大で学んで先生になった人でも、レッスンのときに「そこはなぜ、そのように弾いているのですか?」と質問すると、「そこはこう弾くように習いました」という答えが返ってくることがあります。が、それは、質問の答えになっていませんね。

 

先生の言う通りに弾いて仕上げていくのがレッスンだ、と思ってしまうと、恐ろしいことに自分の考えを持たないまま指だけ動かす習慣がついてしまうのではないでしょうか。自分で感じたり、考えたりできるための基礎力をつけていくのがある時期までのレッスンの果たす役目であり、楽譜の読み解き方がわかれば、あとはその人が自分の考えを持ち音楽表現することのサポートをすればいいのだと思います。が、現実には、急いで難しい曲を弾かせてそこを端折ってしまう、ということがあるのではないでしょうか。

私は、自分が作曲をしているから、という理由もあるかもしれませんが、音楽を学ぶ人には、そのフレーズ、その和声進行、そのテンポ変化にはどういう意味があるのか、それはなぜなのか、ということを作曲家の考えを推し量りながら核心に近づいていく喜びを知ってほしいと思っています。与えられた答えに向かって演奏するのではなく、試行錯誤しながら自分の考えを問われながら、音楽の秘密に近づいていくような面白さに気づけたらいいなと思うのです。

 

オンラインレッスンでは、現状、どんなアプリを使ってもたいして音がよくないので、真似をさせるというのも限度があります。弾いて教えるだけではなく、言葉で説明するだけのしっかりとした知識や、相手の理解度に応じて使い分けられる語彙の豊富さ、言葉の表現力、コミュニケーション能力が問われる、ということに、多くの方が気づき始めています。これは、ある意味、とてもいいことではないかと思っています。

 

現在、私が推奨しているのは、動画や録音をやり取りして、音楽表現についてはそれを元にレッスンする方法です。すでに実行している先生方は、録音、録画するために生徒が試行錯誤すること、客観的に自分の演奏を聴く機会が増えることによって、対面レッスンのときよりも練習するようになったという声を多く聞きます。まずは、自分に自分でOKを出す演奏ができたか、を大切にするのが一歩め。

そして、動画や録音を受け取った先生は、オンラインかメールなどでそれについてのアドバイスをするのです。ちょっとした指使いやリズムなどについてはオンラインで手を見せながらというのは有効ですし、少し大きい子であれば、「◯小節目と◯小節目は似ているけれどどこが違うかな? その違いを表現できているかな?」など質問していけばいいですね。

詳細に書いて送るのも、練習のたびに見直せるので有効です。先生は質問に答えるだけではなく、質問した方がいいでのです。その子は何を考えて弾いているのか、なぜ、そうなったのかを、見抜かなくてはなりません。真似させるだけではなく、自分なりの答えに辿り着ける方法を持たせられたかどうか。

 

ですから、教え子から動画や録音が送られてきたときには、まず、その子の評価よりも、教えている自分の評価が返って来たと思えばいいのです。

現状をしっかりと受け止めて、自分の指導の成果を見る時間は、私たちにとっての通知表のようなものだと思っています。生徒へ何をどう教えてきたかを問われ、それに向き合うことができる、考える時間をもらえるのがリモートレッスンのよさでもあります。

 

そんなことを考えていたときに、1984年、36年前の記事をツイッターで見つけました。

ショパン創刊号 内田光子さんインタビュー記事

 

また、こんなコラボもあると、昨日知りました。コロナショックに負けたくないと、全楽団員が自宅で力を合わせたモーリス・ラヴェルのボレロの演奏が話題になっています。

ニューヨーク・フィルのリモート合奏〜動画制作プロセスと《ボレロ》に託すメッセージ

もちろん、生で会場で聴くボレロの方が圧倒的に素晴らしいけれど、こうして音楽をしないではいられない彼らに接すると、本当にホールでの演奏が待ちきれなくなるのです。最後、ステキでした。

 

それで面白くなってきたら、いろんな人のボレロのバレエをYouTubeで鑑賞してみるとか。
(私は、シルビ・ギエムやマイア・プリセツカヤ、女性が踊るのが好き)
そして、いつかオーケストラを聴きたいね! では、CDを買って聴いてみよう!
どのオーケストラがいいかな? と、スコアを買って見ながら聴いてみたらどうでしょう?
出かけられるようになったら、バレエをやオーケストラを生で!と楽しみになるような時間が過ごせたらいいなぁと思います。

音楽に触れるとは、ピアノを弾いたり聴いたりするだけではなく、それ以外の世界も知ってみること。そうすると、さらにピアノの魅力がわかるようになる、のだと私は思います。ますます面白くなるような切り口を、さりげなく提供できたらいいなといつも思います。

 

そうそう、ピアノでボレロを弾いてみたくなったら、小原孝さんの楽譜がありました。オケ版と小原さんのCDを聴き比べながら、楽曲解説を書いたことを思い出しました。

ピアノ曲集小原 孝 アヴェ・マリア/ボレロ 音楽之友社

 

小学生には、作曲家の伝記もいいですよね。私が好きなのはチェリストのイッサーリスが書いた親しみやすい伝記「もし、作曲家と友だちになれたなら…」とか、CD付き音楽家ものがたりシリーズなど。

 

 

前回、前々回提案した、弾くこと以外の課題を出すことが大切だと提案したのには理由があります。

子どものうちから、美意識を持つ大切さを伝えられたらいいなと思うのです。
何が素敵で、何が素敵ではないか、なぜそう思うのか、そのことが人生に大きな意味を持ちます。音楽を学ぶ、楽器を学ぶとは、美意識抜きには考えられない、と思います。美意識は自分でも育てないと育つものではありません。

もしかしたら、ピアノを前にしてしまうと、やっぱり弾かせたくなるし、弾いて教えたくなりますね。だってピアノが好きだから……仕方ないですが、でもでも、鍵盤に向かわない時間にも、音楽の幅を広げていくことはとても大事です。この時期こそ、畑を耕すようなリモートレッスンができたらと思います。

 

3)みなさんからのレポート

4/16 茅ヶ崎 K.I.さん 1通目

樹原先生、メッセージをありがとうございました!! 極小わが教室も、リモートレッスンを考えやり始めました。パソコンのある大人の生徒は、先程FaceTimeが繋がり、感激。隣家の生徒たちには、ラインと、宿題をポスティングしました。新しい発見も見え、楽しくやっていきたいと思っています。

4/20 2通目

動画を見てコメントを書くのは、生徒に更に分かりやすく言葉を選んで書くので、いつも以上に時間がかかります。大勢の生徒さんのお持ちの先生方は相当大変ですね。樹原先生の録音応募プロジェクトのご苦労も凄くわかりました。FaceTimeの方は、思ったより上手くでき、生徒さんも喜んでくださました。

💠いよいよリモートレッスンスタート、おめでとうございます。先生の楽しげな気持ちが伝わっていますね! 書く、という作業は、伝え方をいつも以上に考えることになって、指導力アップになるのではと思っています。FaceTime、簡単につながって手間いらずなのもいいですね。

 

4/15 姫路市 黒田安芸さん 1通目

リモートレッスンに踏み切るかどうかいろいろ考えていたのですが、樹原先生の記事を読み、双方向のレッスンにこだわらなくても方法がある事に気づきました!🙌🏻  以前、録音応募プロジェクトの審査で、公開レッスンで何度かお世話になった事を思い出し、これからの先の見えない状況の中でレッスンを継続させていく事への大きなヒントとなりました。録画を送って頂いてのレッスン、現在お休みされている生徒さん達に実践できそうです! ありがとうございます! 出来ることからやってみます(*´﹀`*)✨

4/20 2通目

早速リモートレッスンを受け入れてくれた生徒さん姉妹と動画のやり取りでレッスンをスタートしました。やはり、ただお休みの状態では練習もダラダラになっていたそうで、「先生に動画を送る!という目標が出来た途端、2人ともとても頑張って練習出来ました」とお母様からコメントを頂きました!
また、私からアドバイス付きで動画を返信するととても喜んでくれて、やる気を出してくれている、との事で手応えを感じております。1番下に小さいお子さんがいるので、お母様のご協力の必要なオンラインでのやり取りは難しいので、今後も動画のやり取りになると思いますが、お互い顔も見れますし、声も聞けるので、楽しくやっていけそうです。(動画のやり取りはLINEです。)

💠そうなんです。演奏を聴いて細々したアドバイスをするには、オンラインにこだわらず、音質優先、本人がこれ、と頑張って録音したものを落ち着いて聴くのがよいと思います。オンラインでは互いの時間を合わせなくてはならず、それがいい場合と困る場合がある、とよくわかりました。ありがとうございました。

 

4/16 東京都 E.K.さん 1通目
大人のオンラインはしたことあったのですが、小さい子はどうだろうと、不安でいっぱいでしたが、樹原先生のブログには、本当に勇気、必要な情報をいただきました! そして意外にも、小さい子の『プレ・ピアノランド』のレッスンはオンラインでも、全く問題ないと思いました。画面越しにママとリラックスして受けていて、「お教室と同じように楽しかった!」と楽しんでくれる子が多いです(^^)

曲を弾いてる大きな生徒さんは、事前の録音で「1時間練習して撮った!」と言ってました(以前に録音応募プロジェクトに参加した子です)。演奏は録音中心にして、レッスンではソルフェージュや分析、宿題には作曲家調べなどを出して、休校中なので、頭を使いましょう~!と実践してますが、みんな詳しく調べてくれて、私が楽しんでいます。以上、私も近況をお伝えしたくなり、ご報告までに(^^) 先生のブログ、楽しみにしています!

4/23 2通目
オンラインに抵抗のある保護者もあり、週末に無料グループレッスンを企画したのですが、申し込んでくれるのは、オンラインで継続している生徒さんばかりです。まずは繋いでみて、みんなでお話しながら、簡単なソルフェージュをと思ったのですが(^^;

💠年齢に応じたメリハリのあるレッスンができてステキです。大きな生徒さんへの演奏以外の宿題も工夫されていますね。オンラインに抵抗がある方にも様々理由があると思うので、例えば、同時双方向ではなく、先生からのビデオレターという感じで、短いメッセージや演奏を送ってみたらいかがですか? レッスンに繋がらなくても、先生から時折連絡があると喜んでくれるかもしれません。私は、全員の足並みが揃わなくてもいいと思います。

 

 

4/15 杉並区 青木さん

メイト会員メールをありがとうごいました。
うちもご家族のご都合(在宅ワークで音出しが限られる)や生徒さんのご希望(性格や好み)により、オンラインレッスンとリモートレッスンをフレキシブルにやっている状況です。いくつかアプリを試してみましたがFaceTimeの方は断トツ、タイムラグが少なかったです。そして、オンラインレッスンは、お家の楽器での座り方や、椅子の高さ、椅子から鍵盤の距離を、その場でリアルに直せるのも良いですね。DVDえいごでピアノランドもいよいよですねー!

💠ピアノランドメイト会員へ、最近では会報発行時以外にも、サポートメールの配信を始めましたが、喜んでいただけて嬉しいです! 保護者のご都合に合わせての柔軟な対応、他の方にも参考になると思います。

 

4/16 横浜市 西野聡子さん

リモートレッスンを始めて1週間、私の教室では8割の生徒さんとLINEビデオ電話でレッスンしています。リモートレッスンを始める前は、レッスンがスムーズに進むのか、生徒と保護者に満足してもらえるか、いつもと同じお月謝をいただいて大丈夫なのだろうか……と不安ばかりでした。
ですが樹原先生が日記でリモートレッスンの進め方など具体的に教えてくださったので、私の不安もなくなり前向きな気持ちになりました。また、先生のTwitterで「できることとできないことを見極めて」と仰っていた言葉がとても印象に残り、できることに目を向けてレッスンすれば良いんだと腹を据えました!

こちらでレッスンシートを作成し、生徒には毎回シートに事前にわからないところや上手くできたところなどを記入してもらい、演奏動画と一緒に送ってもらっています。生徒が書いたレッスンシートを見てその日のレッスンを計画できるので、ピンポイントでテンポよく進められているかと思います。

リモートレッスンになって、普段あまり意識していなかったことに意識を持ったり、色んな気付きがあったり、普段会えない保護者さんともお話できたり、生徒さんのお家での顔が見れたり……リモートレッスンも悪くないなと感じています。樹原先生がリモートレッスンの指南書を書いてくださったことに大変感謝しております!

💠いえいえ、指南書などというものではなく、困ったり迷ったりしている先生方と一緒に、この時期をなんとか乗りきり、経験や情報を共有できたらという思いだけです。こうして皆さんの様子を伺うことができて嬉しいです。レッスンシート、いい考えですね! それから、Twitterで拝見しましたが、お楽しみ企画として生徒さんからのリクエストの曲を演奏した動画をYouTubeで共有していらっしゃるとか。喜ばれていることと思います♪

 

4/15 横浜市 岡太淳子さん

ちなみに、前回触れられたNETDUETTO、バンドで使ったことがあるのですが、かなり良いです。もし、これが画つきになるのだとすればすごいです。どう進化するのか楽しみにしている次第です。樹原先生が使ってるって言ってくだされば、YAMAHAさんもさらに頑張ってくださるかも・・

動画を撮ってもらうにしても、オンラインでつながるにしても、親御さんの協力が必要ですし、環境的に難しい方も多いです。でも、少しでも音楽が生活の中にある状態を続けられるよう、サポートしていきたいと思っています。また、周りのピアノの先生のサポートも今頑張っています。今、自分にできることをしなければと思っています。樹原先生やピアノランドの方の頑張りが、支えになっているという方は多いと思います。私もその一人です。

💠NETDUETTO、6月にどんな形で発表されるのか私も楽しみにしています。楽器メーカーのアプリということで、会議用のアプリとは異なるクオリティになりそうですね。アコースティックピアノだけで生きてきたピアノの先生が多い中で、DTMやバンド経験も生かして、みんなを応援してくださいね♪

 

 

リモート勉強会を受講されている方の声

4/15 埼玉県 K.A.さん

(ピアノランドリモート勉強会のために)自分の演奏を録画がするのが久しぶりでしたので、短い曲でも、たくさんのことに気を配りながら弾かなければならないとあらためて気付きました。そして、先生がお送りくださった講義DVDを拝見して、作るときのご苦労を思いました。

私はDVDマスターコースの受講もさせていただいていますが、ほんとによかったとあらためて思います。大切に何度も見返して勉強し、生徒さんたちに伝えたいと思います。

💠自分の演奏を録音する機会は意外と少ないですよね。先生方もリモート勉強会で自分の課題提出のために、とても練習されています。ご自身でその効果がわかると、リモートレッスンにも生かせることと思います。

 

4/20 横浜市 田中聖子さん

いつも大変お世話になり有り難うございます。今日はスケール勉強会でお送りした動画にたくさんのアドバイスを頂き本当に有り難うございます。スケールを美しく演奏するのは難しいですが、弾いていると心が落ち着きます。オクターブのまとまりを感じて、よりレガートで弾けるように頑張ります!

試行錯誤しながら少しずつリモートレッスンを始めております。緊張して震えるようでしたが、画面の中の可愛い生徒の顔を見たら嬉しくて、対面レッスンと変わらずできました。生徒もお母様も私も、この時間に没頭し共有できて幸せでした。

💠『ピアノランド スケール・モード・アルペジオ』勉強会、コロナでリモートになったので皆さんも演奏を送っていただくことになり、大変だったのではと思います。送る前に何度もチェックされたと思いますが、それが一番勉強になるかもしれませんね。生徒さんとのリモートレッスン、師弟で喜び合う姿が目に浮かび、幸せのお裾分けをいただいた気分です。

 

 

4)どうやってやるの? アプリは?

 

すでにスタートしている方には必要ないかもしれませんが、これからスタートする方のために。

オンラインレッスンのためには、双方にスマートフォンかiPadやノートパソコンなどを用意して、通信状態(オンライン)にします。声だけ、画像も入れる、複数で参加するなど選ぶことができます。それらの機器がカメラでありマイクにもなるので、お互いのピアノからある程度の距離をとって、専用の三脚やテーブルなどに固定します。

特に凝らなければ、これだけで十分、意思の疎通ができますので、意外と簡単です。テレビ電話するだけなので、難しく考えることはありません。ただし、現状では音的に満足できるアプリがないので、私は、練習して仕上げた曲をスマホで録音、録画して送信してもらったものにコメントしています。

特に、ピアノの先生方との勉強会では、録音、録画での提出が中心で、アドバイスはメールです。文章を何度も読んで注意深く練習しているとのことで、口頭でのアドバイスよりも役立つことも。

文章から想像するのがまだ難しい小さい生徒ほどオンラインの比重が高くなりますが、まだ音数が少なくて ff もない間は、オンラインでも耳が痛くならないので助かります。

 

 

アプリの解説は、3回目4回目にも述べていますので追加情報を。

ユリカバイオリンスクールでは、楽器は違いますがリモートレッスンについてブログで連載、アプリについての試行錯誤を経て様々な工夫をされているので、参考になると思います。辻有里香さんはマスターコースの卒業生なのでざっくばらんに伺ってみたら、オンラインでは音質については諦め(そうですよね!)、ポイントを絞ったレッスンで効果を上げているとのこと。オンラインでは弱音器を使ったほうがよい、楽器から遠いところにツールをおいた方が音が歪まない……というのは、例えば生ピアノより電子ピアノの方がオンラインでは音がきれい(音が小さく情報量が少ない)、遠くから撮った方がよいという点で、ピアノとも重なります。

 

ピアノの先生がよく使われているのは、比較的音質がよくAppleユーザーに人気の FaceTime(双方がiPhone、iPad、MacBookなどに限られる)、端末を選ばず簡単に使えるSkype、そして人気のzoomなど。Lineは、録音やメッセージのやり取りに使うという方が多いようでした。ただ、いずれもWi-Fi環境に負うところが大きく、機種により、設定により変わります。アプリ内のリミッターを外す設定ができるものも、あまり音質がかわらいないのは、いずれも音楽専用ではなく会話のためのツールだからかと思います。

映像や喋り声をきれいに伝えられるのはzoomですが、ピアノやギターや声楽などだと音が歪んでしまい、アプリの中では一番音楽に向かない感じですが、コミュニケーションには持ってこいのアプリなので、録音のやりとりと併用するのであればいいのでは。
ただ、4/19の日経新聞を要約すると、ビデオ会議不正侵入多発。漏洩したのはズームのアカウント名であるメルアド、パスワード、ミーティングI.D.など。日本法人は暗号化を急ぐそうで、会議ごとにパスワードを使ってほしい。警視庁はファイル共有機能をオフにと指導。4/23日経新聞では、5月末までに暗号化を強めるとのことです。レッスンごとにパスワードを使いロックするという手間が必要ですが、安全第一ですね。

 

NETDUETTOについては、前回も期待していると書きましたが、6月に新しいアプリ名に変わり、サービスが開始されます。新しい名前はシンクルームSYNCROOM。メトロノーム機能と録音機能がつくというので、レッスンにも使えそうですね! ヤマハが音楽に特化してシンクする(同期する)ことを前提に開発しているので、他のアプリよりもタイムラグがないのはもちろん、音質もよいはずだととても楽しみです。録音できるということは、オンラインでもリモートでも……ですが、映像がないのは残念。音と映像両方の情報量をシンクできるのは、まだ先の話なのでしょう。

 

 

 

 

今回も長くなりましたが、いよいよ、導入期の子どもたちのリモートレッスンにも使える、DVD「えいごでピアノランド」が今週末ごろに発売になります。

DVD前半は、ピアノを弾く前にマスターさせたい“二段階導入法”のための歌と指の体操が17曲、プレ・ピアノランド① 。後半は『ピアノランド① の固定5指のポジションの曲が28曲、日本語と英語で歌われています。体操はお手本に合わせて歌って実践できますし、『ピアノランド』は樹原孝之介との連弾動画を手本にしていただけますから、導入期の子どもたちに、家で楽しくリモートレッスンすることができます。「今週は、プレピ3曲を歌って体操するのが宿題です。DVDに合わせて、歌って体操しているところを動画で送ってね!」ということもできますね。オンラインでも、生徒宅にDVDがあれば、先生とタイムラグがあっても関係なくレッスンできます。

出版社から届いた見本盤の写真です。皆さんのお手元にも、早く届きますように!

DVD「えいごでピアノランド」

クリステル・チアリ 英訳・歌/樹原涼子 作詞・作曲・歌・ピアノ/樹原孝之介 ピアノ
定価:3,960 円 (本体3,600円)

先着300名の方に、プレ・ピアノランド特製下敷きプレゼント♡

4/24現在、Amazonに相当数の予約が納品してありましたがすでに在庫切れとのことで、一時的に品切れになっています。お昼頃は新着ランキング16位。皆様、ありがとうございます。
現在、下記のセミナー開催店で予約、購入いただけます。

 

 

そして、DVD発売記念セミナー情報です。

2020年 5月 19日(火)10:30〜12:45 カワイ表参道 コンサートサロンパウゼ

ピアノランドがえいごになった! 見て、聴いて、歌って、覚えよう! NEW

DVD『えいごでピアノランド』発売記念セミナー
DVDを活用して、英語&ピアノ&日常生活を劇的に向上させる方法を、具体的にお伝えします

※新型コロナの影響が危ぶまれますが、お申し込みくださった方へは、開催できない場合に動画配信などのリモート受講が、後日、可能になる可能性もあります。また、詳しい情報をお伝えします。受講料は当日精算で承ります。(カワイ表参道より)


カワイ表参道

電話:03-3409-2511 (閉店中も電話受付 11時〜16時)
FAX:03-3797-5872 メール:omotesando@kawai.co.jp

 

それでは、皆様、どうかお元気で!
必要があれば、連載をつづけますので、体験談などお知らせいただければ幸いです。
そして、いつかお目にかかれますように!

 

 

樹原涼子
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