レッツプレイ♪ピアノランド in 大阪 特別な1日となりました!
9月1日(日)レッツプレイ♪ピアノランド in 大阪は、本当に楽しい集いとなりました。
出演者は難易度別に3グループ、合わせて42組、のべ161人が集い、音楽三昧の特別な1日がアッという間に終わりました。
参加の子供達、保護者、先生方、お手伝いくださった「ぷちピアノランド♪関西」のメンバーの皆様、ご協力くださった三木楽器のスタッフの皆様にも心から感謝申し上げます!
「レッツプレイ♪ピアノランド」とは、ピアノランドや樹原涼子作品を演奏、または自作曲を披露して、樹原涼子のアドバイスをその場で聞く、というイベントです。全国各地に私の曲を演奏したい子供達がいてくれるのは、なんと幸せなことでしょう。子供達が、ピアノや音楽を好きになれるように、学んだことが役に立つように、辛いことがあってもピアノが人生を助けてくれるように、と願いながら活動しています。
回を重ねるたびに新たな発見に出逢うのですが、今回も本当にエキサイティングな1日でした。
(今年の5月から、カワイ表参道、汐留ベヒシュタイン、カワイ名古屋、そして昨日の大阪三木楽器開成館……と各地に伺って開催中。来年春は広島、倉敷、津山で開催予定、その他も開催希望受付中です)
“素晴らしい楽器”から学べることがある
まず、「ピアノはどんな楽器で演奏するか」がとても重要です。
レッツプレイ♪ピアノランドでは、子供達が触る機会が少ない名器を演奏してもらい、楽器やホールによる音色や音楽の違いに気づいてもらうことも目的の1つにしています。
今回は素晴らしく繊細な反応でいつまでも弾いていたくなるベーゼンドルファーが待っていてくれていました!
ピアニスト(の多く)は会場に楽器を持って行けないので、行った先の楽器でなんとかしなくてはなりません。そこで出会った楽器と一瞬で仲良くなっていい演奏をするためには、良い耳と観察力、臨機応変に対応できる力が必要です。
少し乱暴に叩いてもいい音で響く楽器もあるのですが、ことベーゼンドルファーに関しては、演奏者が弾いた通りの結果が音になってかえってきます。繊細にあやつれば繊細な音色がグラデーションのように美しく響きます。反対に、雑なタッチで無計画に演奏するとぶっきらぼうなままの音がそこに現れます。
脳とタッチポイントでピアノと対話しながら、美しく響くよう、客席に届いている音を想像しながら、次の音へ全神経を集中させて弾きましょう!
……と、各グループのレベルに応じて、演奏前に話をしてからのスタートです。
「練習した通りに弾かないでね」と言われて子供達は面食らったかもしれませんが、新しい体験のための場を用意したのです。
どんな機種でもどんな場所でも、練習してきたように、何も考えずに同じように弾いてしまうのでは、音楽は台無しになってしまいます。
「練習」というのは、どんな状況にも応じられるために準備することを言うのです。
前置きはこれくらいにして、昨日の様子を簡単にレポートします。
各グループのプログラム、集合写真、その他、ちょっとだけエピソードもご紹介します。
(※写真は、保護者の承諾をとっています)
グループA ピアノランド①②の演奏&作曲へのアドバイス
演奏した後は、みんな私の目を見てアドバイスを聞いてくれました。
「どんなところが素敵だったか」を具体的に褒めて、「ここに気をつけたらもっとよくなるポイント」を伝えます。
丁度写真があったのが、親子連弾で「パパのおみやげ」を演奏した藤田さつきちゃん&弓子さん。
親子で演奏って本当にいいですね🎶
スタッフが、反対側から撮った1枚。
わぁ、こ〜んな顔で話していたんですね、私。
一言も余さず……と、どのお子供にも一生懸命伝えました。
他にも親子連弾、姉妹連弾、先生との連弾、歌いながらの演奏、ミュージックデータと共演など、様々な形での参加があり、とても楽しい時間でした。
〈追記〉そうそう、もう一組の親子連弾、藤戸理愛さん、麻理さん親子は「おばけやしき」を演奏した後、お化けの絵をプレゼントしてくれました。記念にここに貼っておきます。
グループAはまだ小さいお子さんが多いので、ピアノを弾く”手”を無理なく作りながら楽しむ時期でもあり、それぞれへのケアのポイントには個人差があります。
手の育ち具合と曲の難易度、それにふさわしい音楽的な教育を先生方もしっかり考えて指導されていることがわかります。
作曲の応募では、匂坂志織さん作曲「ホウキでおそうじ」、柴田紗奈さん作曲「まほうのつえ」(写真)と面白い曲が並びました。大人には考えつかないような臨時記号の使い方や、そうと知らずに使ったミクソリディアンモード……等、やはり時代が変わり教育方法が変われば子供が思いつく曲も変わるのだ、としみじみ思いました。
レッスンの中で、作曲のきっかけを作る工夫をしている先生方のおかげで、こうして作品が生まれます。
素晴らしいことですね!
そして、「上達のコツ」では、固定5指のポジションを学ぶ間に身につけたいことについて。
『プレ・ピアノランド②』や『ピアノランドたのしいテクニック上』で取り上げる大切なポイントです。
指のつけ根の山をしっかりと出して、指の長さを意識して使える手のフォームを初めに身につけてね!
写真では、指先の鍵盤に接する面の中心点「タッチポイント」を合わせています。
そのタッチポイントで鍵盤を自然に掴むように演奏するコツ、演奏する指だけはしっかり立って、演奏前と演奏後の指は脱力すること……。一瞬で入れ替わっていく緊張と脱力の交代劇……百聞は一見にしかず、子供達も注意深く見て、聞いてくれました。
グループB ピアノランド③④の演奏&作曲へのアドバイス
Bグループは22組の応募があり、作曲も3作品。
演奏は、ミュージックデータでの練習が習慣になっている子供達のテンポ感のレベルの高さ、“聴きとり術”でコードを覚えたりドミナントモーションの解決を聴き分けることが習慣になっている子供達のハーモニーを感じる力、二段階導入法で手に入れたきれいな音色、情景を伝える力等、いいところがいっぱいでした。
課題は、気持ちはあるのに具体的なテクニックがわからないでぼんやりしてしまう部分や、立体的な演奏を求める視点や考え方や経験の不足など。と言っても、育ち盛りでこれから身につけていくことばかりなのですが、そのためには、いい演奏とはどういうものかを体験することが大切です。
保護者の方には、どんどん生演奏を聴きに連れていっていただけたらいいなぁ、一緒に感動する機会があるといいなぁと思いました。
下の写真は、「大切な音を響かせるために、内側に掴む力を利用してね!」と「動物園は大さわぎ」を演奏した山羽夏鈴さんにアドバイス中。どうしても実際に音の変化を聴いてもらいたいときだけ、ピアノを使っての具体的アドバイスをしました。
ちょっとしたコツが飲み込めれば、以後、ずっと使えるようになります。その場限りではなく、ずっと覚えていてもらうためには、「何のために」今伝えているのかを理解してもらう必要があります。
そして良いピアノでは、その変化がハッキリと聞こえるので、本人はもちろん、お客様にもよくわかっていただけます。
作曲3作品は、タイトルと曲想が一致していて、それぞれに工夫がありました。
イメージしたことすべてを楽譜に書くのはまだまだ大変なのだけれど、3人とも思いのこもった力作です。伊藤菜奈さん「たびびとのサーカス」、庄源真由さん「オーロラの国」、石井琴羽さん「遊園地」。お客様も楽しめたことと思います。
グループBの「上達のコツ」では、速いパッセージを演奏するためにどうしたらいいか、について。
速く弾きたくてぐちゃぐちゃになってしまいがちなこの時期、そのために必要なことを短時間にぎゅーっと伝えました。何しろ、速く弾く実演が嬉しいらしく、早弾きやトリルのコツを披露したら子供たちに大ウケで……笑。だったら、各指の付け根からの動かすことを意識して、一瞬での緊張と脱力のトレーニングを頑張りましょう!(“二段階導入法”が本当に大切です!)
作曲の「上達のコツ」として、新刊『即興演奏 12のとびら 音楽をつくってみよう』の紹介も。
11月20日(水)カワイ梅田で新刊発売記念セミナーがありますので、大阪近郊のみなさんぜひいらしてくださいね。
そして、ミニコンサートタイムでは、ピアノランドの曲でアドリブも披露。
コンサートの終わりは、『やさしいまなざし』から「やさしいまなざし」を演奏しました。
小さいお子さんも静かに聴いてくれて、本当に嬉しくなりました。
グループC ピアノランド⑤と樹原涼子作品の演奏&作曲のアドバイス
年長さんからピアノの先生のデュオまで、作曲では録音応募プロジェクトに何年も応募してピアノランドフェスティバルに出演したことをきっかけに、作曲家を志して音大に進んだ横山あかりさんも……と、バラエティに溢れるグループC。
写真は、竹内唯夏さんに、長い音のあとに休符があるときにその響きがブチッと切れないための「あとふみペダル」の使い方を解説中。ペダルは、使っているのかいないのか、聴いている人が全く気にならないように踏めるのが良い演奏ですが、そこまでいくには、様々なペダルのテクニックをマスターすることが必要です。使用前使用後の変化、バッチリでした。
(『ピアノランドたのしいテクニック下巻』参照)
高校1年生のペア、岩井咲羽さん&皆木あやなさんで『こころの小箱』から「いかないで」の連弾。
音色の美しさ、テンポ感の共有、和声感などよいところが沢山!
パートナーがいるからこそ学べることも多く、4手のバランスを聴き分けて練習すると(ソロだと2手で自分の音だけですが、連弾では2倍の音数を聴きながら音楽的判断をし続けて演奏することになるので、より高い能力が必要です)、とても耳がよくなっていきます。アドバイスは、相手パートも必ず練習して全体を知ろう、受けわたす音型は必ず渡そう、受け取ろうと感じあって。アンサンブルでは、互いの音の動きを我がことのように感じられる準備が大切です。
グループCのミニコンサートを終えたときには、体力ギリギリ、時間もギリギリでしたが、全てが無事に終わった安堵感でいっぱいになりました。大阪のみなさん、沢山おいでくださってありがとうございました。
お子さんたちの可能性は未来に向かって大きく広がっています。私たちにサポートできることはまだまだありそうです。
最後に、このイベントを企画運営するにあたって大変お世話になった、ぷちピアノランド♪関西のみなさんと♡
本当に、本当にお世話になりました!
10時半から午後6時近くまでかかったレッツプレイピアノランドが終わって2階ホールから降りていくと、なんと、下田幸二先生がニコニコと立っていらしてびっくり〜!
定期的に三木楽器でレッスンをされているとのことで、偶然お会いできたのです。
山ほど売っていた新刊『即興演奏 12のとびら』を思わず購入して謹呈させていただきました。
下田先生のFacebookから写真をお借りしました。ありがとうございました!
樹原涼子の今後のスケジュール
🔷2019年 9月 10日(火)10:30~12:45 樹原涼子 新刊発売記念セミナー
『即興演奏 12のとびら 〜音楽をつくってみよう〜』
【お問い合わせ・申し込み先】 カワイ表参道 03-3409-2511
🐰🐻新刊発売記念の来場者へのプレゼントが音楽之友社より用意されています。動画で紹介しています。
🔷2019年 9月 29日(日)開演14:00(開場13:30)
鳥越由美ピアノリサイタル 幻景の雫
ナビゲーター 加藤正人/樹原涼子
汐留ベヒシュタイン・サロン(東京都港区)
樹原涼子スタジオ TEL 03-5742-7542 e-mail info1@pianoland.co.jp
北海道ツアー
🔷2019年 10月 14日(月)えびなイベントホール(北海道稚内市)
10:30〜
一生役立つ 教え方 ピアノランド著者の樹原涼子が、これまでの著書、経験を凝縮してお伝えするセミナー
13:30〜
MTC創立30周年記念事業 樹原涼子レクチャーコンサート
🔷2019年 10月 16日(水)カワイ札幌 コンサートサロンChou Chou(シュシュ)(北海道札幌市)
一生役立つ 教え方 ピアノランド著者の樹原涼子が、これまでの著書、経験を凝縮してお伝えするセミナー
10:00〜
新刊発売記念セミナーツアー
🔷2019年 11月 20日(水)10:00〜12:30 カワイ梅田(大阪市中央区)
『即興演奏 12のとびら 〜音楽をつくってみよう〜』樹原涼子 新刊発売記念セミナー
ピアノランドメイト事務局 info1@pianoland.co.jp 03-5742-7542