ピアニストの楽譜の読み込み方を目指して『風 巡る』勉強会スタート
昨日はピアノ曲集『風 巡る』勉強会がスタート、〜親愛なる宮谷理香に捧ぐ〜「巡る」1曲を、微に入り細に入り解説するという濃い講義をしました。
昨年の夏に出版して以来、1年以上も開講をお待たせしたのですが、よりによって、マスターコース卒業コンサートの翌日というスケジュール! ですが、これはとてもいいタイミングだったと思います。感傷に浸る暇もなく、有無を言わせず、とにかく「巡る」と深く向かい合うことになり、私の中には次にすべきことが明確に見えてきました。
たとえ自分で作曲した曲でも、仕事として解説する場合には、他の作曲家の曲を勉強するときと同じように隅々まで勉強します。すると、「あらまぁ、そうだったのね~!」と、改めて気づくことがあったりするわけです。ああ、ここはそういう進行だったのね、おお、ここは左右で強弱を変えているのは次への伏線なのね……と、過去の自分が書いたことに改めて別の言語体系で出逢い直します。
面白い! そうか~。そうよね~、書いた時にそこまで考えてた私っていい線いってるかも(笑)とか言いながら、解説したように演奏してみると、いいんです。よくなるんです。自分の曲だってそうなのだから、人様の曲など、穴のあくほど楽譜をみつめて勉強しないと、と思います。
そして、勉強会の日の朝、レジュメを仕上げながら突然閃きました。
この勉強会の目的を最初に申し上げました。
「ピアニストのみなさんが演奏してくれるとき、いったいどれくらい楽譜を読み込んで演奏してくださることか……。みなさんは、ピアニストとご自身との違いは、「テクニック」だと思っていらっしゃるかもしれませんが、いえ、それ以前に、曲の見方、楽譜の読み込み方の深さが違う、ということを申し上げておきます。作曲者としてこの曲をこのように理解してほしい、こう弾いてほしいと解説するのは簡単なことですが、その前に、ピアニストのみなさんと同じくらい、自力で楽譜から音楽を読み取れるようになりませんか?」
みなさんは、「そんなことができるなら、ぜひやりたい!」「もちろんそうなりたい!」と力強く頷いてくださったので、これまでの勉強会とはまた違う方向から勉強していくことにしました!
第1回目の昨日は、大変大きな充実感に(みなさんが)包まれたようで、いつもよりずっと深い拍手と賛同をいただけて、嬉しいスタートとなりました。私の解説と演奏の前に、自力で何を読み取ったかの検証からスタートするスタイル、つづけていきたいと思います。
二ヶ月後には、ピアニストレベルに楽譜を読み込んで練習してくるはずのみなさん、楽しみにしています!(プレッシャーをかけているのではありません、本当です!)
これは、今年の夏の合宿で『風 巡る』を解説しているところです。
セミナーや合宿でも解説して、私自身、「巡る」への理解が深まりました。
また、宮谷理香さんの《樹原涼子》を弾きたいシリーズ トーク&コンサートシリーズでの演奏を4回も聴かせていただいて(東京、倉敷、大阪、熊本)、自分の曲ながら本当に感動した体験を通じて、「この曲をしっかり伝えていかなくては」と使命感も感じています。
12月14日には『時の旅』勉強会(樹原クラス)も開講します。
来年2月7日には、心機一転、樹原涼子マスタークラスも開講予定です。(詳細はしばしお待ちください)
最後に、今年最後となる2つのセミナーのご案内です。
『ピアノランド スケール・モード・アルペジオ』を真ん中に据えて、時代ごとにどのように役立てていけるかをそれぞれお話します。名古屋では『時の旅』を曲例にモードについても解説いたします。
2018年 11月 21日(水)10:00~12:30 カワイ名古屋 tel:052-962-3939
ショパンにも、近現代作品にも役立つ『ピアノランド スケール・モード・アルペジオ』
樹原涼子 これからの音楽教育を考えるシリーズ
2018年 11月 22日(木)10:30~12:45 カワイ梅田 tel:06-6345-8300
音感教育とテクニックの融合を!
話題の『ピアノランド スケール・モード・アルペジオ』応用編
〜バッハ インヴェンションへの扉を開ける〜
教えるだけではなく、ステージに立ち続けることを大切にしていきます。
クリスマスコンサート、ぜひいらしてくださいね!
2018年 12月 23日(日)19:30開演 (18:00開場) アート・カフェ・フレンズ(東京都渋谷区恵比寿)
樹原涼子の モードなクリスマス
mail:info1@pianoland.co.jp