ピアノランド スケール・モード・アルペジオ
発売元:音楽之友社
定価:本体価格1,400円+税
発行年月日:2016年07月
樹原涼子著
菊倍判・64頁
ピアノテクニックの基本中の基本であるスケールとアルペジオの仕組みが理解でき、音感と読譜力を鍛えながら、日々練習できるように構成した新機軸のテクニック教本。これにモードや全音階等を加え、テトラコードや五度圏の解説を盛り込み、アルペジオは12のコードとその転回形を収録。調性感や多様な響きに対応できる感性と、クラシックからジャズ、バロックから現代音楽まで、さまざまなジャンルに役立つ技術を養成する。リベラルアーツとしての音楽を捉えた画期的なテキスト、実践の書。
大きな特徴は、「スケール・モード・アルペジオ」3つのカテゴリーに分かれており、それぞれが難易度順に数段階に分かれており、初めての子供は最初のレベルのみに取り組み、2周目には次のレベルまで、3周目には全ての手順を学ぶという具合に、難易度を選んで何回も螺旋状に繰り返し学べることが挙げられる。子供達は、シンプルで美しい1オクターブのスケールを学びながら、音楽の大きな宇宙に少しずつ触れていくことができる。
本書は、スケールを学び始める時期(ポジション移動〈かぶせる、くぐらせる〉を学ぶ頃)にスタートするとよい。子供達へのスケール指導に重要なのは根性ではなく、知性と美意識、良い耳であるという著者の考え方が反映されており、一生使えるスケールの本として広まりつつある。
本書は単なる指練習のためのテキストではなく、音楽を学ぶ人が知っておきたい知識と概念と応用方法が網羅されており、「ハノンにはない美しいカデンツを味わって弾きたい」「曲中のモードを調べるために使いたい」「全ての音を根音とした12半音階上のコードブックとして」「アドリブの練習に」とピアニストが愛用していることでも話題となっている。
特筆すべきこととしては、短調の3つの種類に、それぞれの美しいカデンツを与えていること。音域によって掴み方を変えていることに気づかれるだろうか。
また、モードは半音階上の12音すべてからスタートする84種類全てを網羅していることから、モードの見分け方、聴き分け方、弾き分けの練習としても重宝する。
本書の概念、目的、効果的な練習方法、指導法を学ぶためには、樹原涼子が講義するコード塾、ピアノランドマスターコースで著者本人から、あるいは、各地の『ピアノランド スケール・モード・アルペジオ』勉強会で派遣講師から学ぶことができる。コード塾ではメインテキストとして、マスタコースではピアノランドメソッドとの併用方法について、勉強会では本書の全てを隅から隅まで勉強することができる。
音楽之友社のサイトで、実際のページを立ち読みすることができる。
『ムジカノーヴァ』2017年9月号から2018年4月号まで、本書の使い方が好評連載中。
●目次
ようこそ『ピアノランド スケール・モード・アルペジオ』へ!
本書をお使いいただくにあたって
スケール
スケールの練習方法
C major
A minor
G major
E minor
D major
B minor
A major
F♯minor
E major
C♯minor
B 【C♭】major
G♯【A♭】minor
G♭【F♯】major
E♭【D♯】minor
D♭【C♯】major
B♭【A♯】minor
A♭major
F minor
E♭major
C minor
B♭major
G minor
F major
D minor
五度圏
半音階
全音音階
ディミニッシュトスケール
その他のスケール
モード
モードのしくみ
Cを中心音とするモード
Dを中心音とするモード
Eを中心音とするモード
Fを中心音とするモード
Gを中心音とするモード
Aを中心音とするモード
Bを中心音とするモード
D♭【C♯】を中心音とするモード
E♭【D♯】を中心音とするモード
F♯【G♭】を中心音とするモード
A♭【G♯】を中心音とするモード
B♭【A♯】を中心音とするモード
コード&アルペジオ
コード&アルペジオの練習方法
Cを根音とするコード&アルペジオ
D♭【C♯】を根音とするコード&アルペジオ
Dを根音とするコード&アルペジオ
E♭【D♯】を根音とするコード&アルペジオ
Eを根音とするコード&アルペジオ
Fを根音とするコード&アルペジオ
G♭【F♯】を根音とするコード&アルペジオ
Gを根音とするコード&アルペジオ
A♭【G♯】を根音とするコード&アルペジオ
Aを根音とするコード&アルペジオ
B♭【A♯】を根音とするコード&アルペジオ
Bを根音とするコード&アルペジオ
チェック表