ピアノランドフェスティバル熊本 特別公演、ありがとうございました!

昨年の夏、地震で中止となったピアノランドフェスティバル熊本公演を小原孝さんと再演する、ということに止まらず、もっと熊本のために何かできないかと思い続けてきたことが、1年以上の準備期間を経て、やっと「ピアノランドフェスティバル熊本特別公演〜樹原涼子と復興を応援する仲間たち〜」という形になり、多くの方のご支援をいただき、8月12日に無事終了いたしました。
長年のピアノランドフェスティバルのパートナーである小原孝さん以外は、皆熊本にルーツを持つアーティストばかりで、メンバーに共通するのは、「あの大地震のそのときに、大切な家族や友人の側にいられなかったことが辛く、居ても立っても居られない」という思いを共有していること。東日本大震災の後一緒に支援活動を続けてきた小原さんも一緒に、この7人の心が、熊本を応援する! という一点に向かって集中していきました。

 

終演後、県立劇場のロビーにて。

 

ピアノランドフェスティバルに出演してくださったメンバーの紹介、コンサートの報告の前に、まず、皆様への御礼と開催までの経緯を簡単に書かせていただきます。

 

【皆さまへの御礼】

これまで、くまもと音楽復興支援100人委員会のコーディネートで、避難所となっていた月出小学校体育館、城南スポーツセンターはじめ、被害の大きかった益城町杉堂、東町の仮設住宅、、小原孝さんと青磁野リハビリテーション病院他で音楽の「炊き出しコンサート」に伺いました。その他、個人的にも様々な施設で演奏して参りました。
もちろん、みなさんの目の前で電子ピアノやアップライトピアノでの演奏をお聴きいただくのも大切な活動で、伺う度にこちらが元気をいただきましたが、音響や照明のある大ホールで、素晴らしいピアノで、小原孝さんとの演奏をお聴きいただけたら……という願いが叶い、嬉しい気持ちでいっぱいです。

清水の舞台から飛び降りるつもりで、1800席の熊本県立劇場を予約した昨年の夏。
被災した方に聞いていただくには、有料の席だけではなく招待席を設けたいけれど、どのようにすれば実現できるのか考え、チケットは一律1,500円として、被災した方の分はプレゼントチケットとして全国から寄付を募ることにしました。
招待席300席に対して、熊本日日新聞、ラジオ各局から広報していただいたおかげで、締め切りの頃には往復葉書での応募は予定の倍以上、658席にも達しました。そこで、さらにプレゼントチケット購入追加を呼びかけ、ピアノランドメイト会員の皆さんを中心に、なんと小原孝さんからも!そして、全国各地の多くの皆様のご寄付をいただき、希望される方全員の招待席が確保できました。
無謀とも思えた私の計画が倍以上に膨らみ、それを上回る寄付によって達成できたときの喜び。ただただ感謝の涙が溢れるばかりで、良いコンサートにしなくてはと、心に誓い、出演者一同努力を重ねました。

あたたかいお気持ちをお寄せいただいた皆様、本当にありがとうございました。プレゼントチケットを購入してくださった方のお名前は、こちらです(掲載を希望されない方を除く)。

東京に居ながらにしての主催公演が可能だったのは、全国のピアノランドメイト会員(ピアノの先生方)、くまもと音楽復興支援100人委員会、熊本県文化協会、かけはし芸術文化振興財団、音楽之友社、熊本でご助言いただきました沢山の皆様、楽器店、協賛広告をいただいた皆様、足を運んでくださった皆様のおかげと、厚く御礼申し上げます。

 

 

メンバー紹介

NHKFM 弾き語りフォーユーでお馴染みのピアニスト小原孝さんは、ピアノランドの連弾はじめ、樹原孝之介の『ふたりで弾こう!ピアノびっくり箱2』の連弾、ブルクミュラー、トルコ行進曲、私の新刊『風 巡る』からコンテンポラリーダンスとの共演での演奏、春日保人さんの伴奏、ラ・カンパネラと休む間も無く、ノンジャンルなピアノランドフェスティバルを象徴する存在として全てを支え、大活躍していただきました。(上の写真の後列)

バリトン歌手の春日保人さんは、オペラの主役から古楽のアンサンブル等多岐にわたって活躍されていますが、今回はピアソラの「バチンの少年」、私の新作「親愛なる春日保人に捧ぐ《僕の故郷》」の2曲を小原孝さんのピアノで熱唱! さらに、「WILL」では篠笛、「虹」でもご一緒に歌っていただきました。なんて素晴らしい声なのかと、お聴きするたびに心奪われます。東京では度々ご一緒していますが、熊本では初共演。(前列左から2番目)

 

本番中の写真は追って公開していく予定ですが、ピアソラ作品を歌う前の居合抜きのような一コマを。

 

津軽三味線の本田浩平さんは、「じょんがら節」を樹原孝之介のピアノとのセッションで熱く激しく演奏。樹原孝之介のゲーム「俺屍2」の主題歌「WILL」では、レコーディングも生本番も度々共演しており、今回の熊本の大舞台では泣きそうになるくらい心震わせて演奏したとのこと。三味線を初めて聴く若い世代の心にも届く熱演でした。和楽器の良さを伝えようと各地で奮闘中。(前列中央)

フルーティストとして活躍している「栗谷かずよ」さんは、今回シンガーソングライター「KAJU」としての出演をメインに、自作の「繋がってるよ」を切なく美しく歌い上げてくれました。ピアノランドフェスティバル常連の子供たちにとっては憧れの存在として、初めておいでくださったお客様には魅力的な歌手として心に残ったのではと思います。「花」「WILL」ではフルートも、「虹」ではメインボーカルを務めてもらい、嬉しい共演となりました。(前列右から2番目)

コンテンポラリーダンサーの木原浩太さんは亡くなった祖父が熊本出身。数々のコンクールで1位獲得、振付家としても活躍中で、今回は『風 巡る』から「熊本に捧ぐ《君が笑えるように》」「昔子供だった人に捧ぐ《小さなお伽話》」「親愛なる宮谷理香に捧ぐ《巡る》」の3曲を振り付け、小原孝さんのピアノとコラボレーション、会場の視線と心を釘付けにしました。コンテンポラリーダンスを初めて見た方の反響が大きく、新たなジャンルへの目覚めとなってよかった!(前列右)

次男で作曲家の樹原孝之介は、昨年出版した名曲の連弾楽譜の第2弾『ふたりで弾こう!ピアノびっくり箱2』から「明るい表通りで」「くるみ割り人形」「赤とんぼ」を師匠小原孝氏と、私の「花」のフルート版編曲、自身の「WILL」のピアノ、三味線、フルート、篠笛版の編曲と演奏、彼のグループくりーむぱんだの作品で熊本復興支援ソング「虹」の7人バージョンの編曲と演奏と、アンサンブルをプロデュース。最年少ながら頑張りました。(前列左)

 

 

そして、私樹原涼子ピアノランドフェスティバルは、全国の子供たちのために18年、全国で62公演続けて来たものを、今年熊本ではピアノランドフェスティバル熊本特別公演〜樹原涼子と復興を応援する仲間たち〜として企画、ピアノランドを核としながら、様々な連弾、ピアノ曲、歌、さらにコンテンポラリーダンスと、ジャンルを超えて、小原孝さんとともに若い熊本の音楽家たちを応援、紹介して熊本の皆さんに楽しんでいただくという大きな夢を描き、このコンサートを制作しました。

 

ピアノランドについて

一部冒頭の「世代をつなぐ『ピアノランド』の人気曲パレード」では、短い曲を物語風につなげて小原さんと寸劇を演じながら演奏しました。子供たちに「音楽を、ピアノを愛する人に育ってほしい!」というピアノランドの願いが、きっと客席に伝わったのではと思います。

 

 

ピアノランドフェスティバルはもともと子供たちのためにスタートしたノンジャンルなコンサートで、近年は録音応募プロジェクトを開催、ピアノランドの連弾部門、子供たちによる作曲部門を設け、毎年数百人の子供たちにコメントを送り、各地で公開レッスンを開き、フェスティバルで優秀者の演奏のチャンスを……と続けてきたものです。(pianolandwebで、過去の動画がご覧になれます。今年の分はしばしお待ちください)

今年は東京と熊本のみの2公演でしたが、熊本公演では下記の3人が選ばれました。盛沢山となりましたが、このコーナーを外すわけにはいきません! 大阪、熊本、広島の子供たちの頑張りに、大きな拍手が送られました。

 

【録音応募プロジェクトで選ばれた子供たち】

♪作曲部門 
竹内唯夏 (小2)大阪府 「うみのぼうけん」作曲 竹内唯夏
海の様子を感じさせる緩やかな和音進行や波音、素敵な曲ができました。小原孝さんの演奏で聴いていただきました!

♪連弾部門 
月俣麻美 (小5)熊本市 「いかないで」樹原涼子ピアノ曲集『こころの小箱』より
私の伴奏にのって、表情豊かに、歌うように、訴えかけるように演奏。連弾の醍醐味を感じる演奏でした。

林美希 (中3)広島市 「子猫のワルツ」『ピアノランドコンサート』下巻より
小原孝さんの伴奏と、猫2匹の鍵盤上のやりとりがとても楽しく、聴く人もワクワクする生き生きとした演奏でした。

 

 

このように、元々は教育的な意味を持った特殊なコンサートですが、それを復興支援として多くの世代の方に楽しんでいただけるようにと工夫を重ねてプログラムを構成しました。懐かしい曲、有名曲も折々に交えながら、新作を聴いていただき、コンテンポラリーダンスまで……と、欲張りな欲張りなプログラム。

 

 

この日のために、私はピアノ曲集『風 巡る』を「捧げる」をテーマに書き上げ、8曲中4曲を熊本で披露(故郷へ、春日保人さんへ、昔子供だった人へ、宮谷理香さんへ)する事が出来ました。
樹原孝之介が熊本のために書いた「虹」はCDとなり、最後に出演者全員で演奏。

 

   

 

上記2作品の表紙は、いずれも本間ちひろさんです。

そして、アンコールには小原さんとの共作「願い〜震災を乗り越えて〜」をご縁のある方達にステージに上がっていただき大合唱でのお別れとなりました。

 

 

これらを、2時間半というコンサートに凝縮してやり遂げることができたことが、奇跡のように思えます。出演者全員の力を合わせることができたという充実感でいっぱいです。本当に、出演者の皆さん、ありがとうございました!
下記は、当日ピアノランドTシャツを着てお手伝いくださったみなさんとの写真です。心からお礼申し上げます。

 

 

そして、通常のコンサートの何倍もの曲数、編成も様々でしたが、県立劇場の照明、音響のスタッフの皆さんには、限られた時間の中で大変お世話になりました。感謝申し上げます!

調律の斉藤智さん、舞台上に素晴らしいお花を活けてくださったKensaku Oyama(小山賢作)さんのおかげで、美しいピアノの音色と存在感のある花がコラボレーションしているような舞台となりました。こちらはご本人が撮影された写真です。

 

 

多くの方からいただいたアンケートを抜粋して、webにアップさせていただきました。ありがとうございました。
書ききれなかったこぼれ話は、また次の機会に……♪

なお、このコンサートの様子は音楽之友社の雑誌『ムジカノーヴァ』に掲載される予定で、またお知らせいたします。

 

 

樹原涼子
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