「上杉春雄インヴェンションとシンフォニアを紐解く」を聴講しました!

「上杉春雄インヴェンションとシンフォニアを紐解く」を聴講しました!

9月16日、何とか予定を組むことができて、大阪での「上杉春雄インヴェンションとシンフォニアを紐解く」を聴講してきました。ぷちピアノランド関西のメンバーが平均律のセミナーに続いて企画してくれたもので、継続は力なり!続けて勉強しているメンバーの目も耳も肥えてきたことを実感、とても嬉しい1日となりました。それに、講義をするのも楽しいですが、講義を受ける側の喜びはまた格別。久しぶりに体験して、耳も心もリフレッシュしました。

早速いただいた集合写真です。

 

 

 

この日は、インベンションの1番から紐解く前に、なぜ人類にとって芸術が必要なのかという氏の考えを地球の歴史とともに解説されるところからスタート、西洋音楽を私たちが学ぶにあったて輸入超過な現状の中にあって、日本で基礎を学べるような環境を作りたいとの熱い思いが伝わってきました。それは、本当に大切なことです。ただ、1曲ずつを学んでレッスンで使えるようになりました……というだけではなく、その根本にあるものを知っていれば応用ができるでしょう、自分でも調べたり演奏したりしながらより良い方法を考え続けていきましょう、バッハのどこをどのように美しいと感じることができるかが鍵ですね(とご自身の感動のツボを解説)、今日の講義と演奏から学んでくださいね……と、言葉にされなかった部分のメッセージまで含めて、を皆さんが深く受け取れるようにと、周到に準備された資料や映像の数々。音楽への飽くなき探究心溢れる講義は午前午後と続きます。

また、研究者としての態度というものも先生方は学べたことでしょう。誰かがそう言えば「そうだ」と多くの人は思い込んでしまいがちですが、「今現在自分の研究はここまでたどり着いてこのように考えています。その根拠は~」という前置きを聞くとき、「世の中に“絶対”というものはない。これだけ研究されていても、決断を下すまでに何十年もかかることがあり、それも、今後変化するかもしれないのだ」ということ。何事も深く勉強している方ほど謙虚な態度で対象に向き合っていらっしゃるのだと改めて思います。偉い先生としてあがめられることに価値を置かず、あくまでも芸術の道を歩く人として孤高に研究を続けていらっしゃること、その研究の成果をこうして多くの方に分けてくださることが、とても有難い。

そして、何通りにも演奏してくださるその演奏の美しく軽やかな響き、匂い立つような表現に心奪われます。これなら、誰でもインベンションを弾きたくなってしまいます♬

いただいた資料と、来年のセミナーのご案内です(もう、受付開始とのこと)。

 

上杉春雄氏は神経内科医として北海道で勤務しながらピアニストとして演奏活動を続けてこられた類稀なる方で、私は、氏の演奏を初めて聴いて以来、一貫してその自然な解釈と演奏法に魅了され、演奏会に通ってきました。今では、多くのピアノランドメイト会員がその素晴らしさに気づき、学びながら応援してくれています。とくに、関西での定期的な一連のセミナーは素晴らしいものです。単発ではなく、深く理解するためには連続でなければ学べないということも多くの先生方が理解して、長いスタンスで氏のセミナーを楽しみにしています。素晴らしいことです。

 

ゴールドベルク変奏曲の2枚組CDが『レコード芸術』9月号の特選盤に選ばれるという快挙!なんて素晴らしいのでしょう。
これまでの研究の成果が、やっと満足できる形で演奏できたとご本人が仰るゴールドベルク。本当におめでとうございます!

 

 

主催のぷちピアノランド関西のみなさんとパチリ。

 

「樹原先生、モードの本を出されているとは目の付け所が素晴らしいですね!Amazonで買います」と上杉氏に言っていただいたのが、拙著『ピアノランド スケール・モード・アルペジオ』。モードのことを誰も知らないという状況を何とかしたくて、スケールとアルペジオの間に挟んで書いた本ですが、おかげさまでとても好評をいただいています。スケールは指練習のことだと思っている人が多いのですが、スケールの種類や使われ方を学ぶ機会はとても少なく、さらにリベラルアーツとして一生使える本を目指して書いたので、当然、音楽家が知っておくべきモードや、作曲や分析、即興演奏の参考にとアルペジオも……と作曲家としての思いをこめて作ったので、上杉さんに興味を持っていただいて嬉しい限りです。

ちょうど、カワイ梅田で11月22日にこのテキストを主教材にして、上杉氏が今回講義されたバッハのインベンション1番、6番を例に引きながらというセミナーを予定しています。インベンションが演奏できるような生徒をどのように育てていけばいいのか、指を動かすのではなく(もちろん指も動かしますが!)、心を動かす演奏をするための音感教育の方法とともに解説していきます。偶然にもテーマが連携しているようで本当に嬉しくなりました。

 

●2018 11 22日(木)10:30~12:45

音感教育とテクニックの融合を!

話題の『ピアノランド スケール·モード·アルペジオ』応用編 ~バッハ インヴェンションへの扉を開ける

カワイ梅田 06-6345-8300
お問い合わせ お申し込み ぷち・ピアノランド♪関西 puttipianolandkansai@yahoo.co.jp

 

 

2018 11 21日(水)10:00~12:30

ショパンにも、近現代作品にも役立つ『ピアノランド スケール·モード·アルペジオ』

樹原涼子 これからの音楽教育を考えるシリーズ ロマン派の曲で役立てていく方法

カワイ名古屋

【お申し込み先 お問い合わせ】ぷちピアノランド名古屋 mail: puttipianolandnagoya@yahoo.co.jp

 

●今回の会場となったサロン・ドゥ・アヴェンヌで、10月28日にピアニスト宮谷理香さんをお迎えして、私の作品とショパンを演奏していただくという「《樹原涼子》を弾きたいシリーズ トーク&コンサート」を開催いたします。次回は、こちらのベーゼンドルファーを宮谷理香さんの演奏で楽しみたいと思います!

こちらもぜひ、お出かけいただければ幸いです。お申し込みは、ぷち・ピアノランド関西まで。

 

さて、今夜はゆっくりとインベンションを紐解き、至福の時間を持ちたいと思います。
来年、皆様とご一緒に「上杉春雄インヴェンションとシンフォニアを紐解く」の続きを勉強できますように!

 

 

 

 

 

樹原涼子
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