勉強。それは、知りたいことを突き詰めていく面白さだ 3
「勉強。それは、知りたいことを突き詰めていく面白さだ」というタイトルで日記を2つ書きました。そして、今日はその続きです。
知りたいことを知ろうとしても、誰かが手取り足取り教えてくれるとは限りません。そんなとき、それをいいことに、自分で考えられるありとあらゆることをやってみるのはいい方法です。
知りたいことを突き詰めていく、というのは、誰にも指図されないで自分の頭で考える喜びで満たされる状態でもあるわけですから、楽しいけれどやっぱり苦しくて、それでもやめられない楽しいことです。
思えば『ピアノランド』を作った動機は、一言で言えば「欲しい教材がどこにもないから、自分で気に入るものを作ろう」だったのですから、それに比べたら、欲しいものが目の前にあったのだから、ないものを作るよりはまだ楽かもしれないと思いました。
ドキュメンタリー番組で出逢ったホルショフスキーの美しすぎるスケールに魅せられて、私は来る日も来る日も「ドレミファソラシド」を弾きました。
と言っても、むやみやたらにピアノを弾いたわけではありません。
もちろん、あの、受験生がやるような「ガガガガガガガガ、ジャーン、ジャーン、~」ではありません。
力任せに鍵盤をすごいスピードで嵐のように駆け抜けて、何が楽しいのだろう……。
あ、楽しい云々ではなく、受験の課題だから全調征服に必死で、スケールを美しく演奏するために心を砕いているわけではないということかもしれませんね。それは脇へ置いて話を進めます。
音程感のある「ドレミファソラシド」を求めて、鍵盤に接するタッチポイントの角度や面積を変えてみたり、打鍵のスピードを変えてみたり、色々な弾き方を工夫をするのは楽しいことでした。
そこで私が気がついたのは、何のことはない、ピアノランドの“二段階導入法”や“聴きとり術”(『耳を開く 聴きとり術 コード編』の中でも度々出てくる言葉です!)で提案している“心のピッチ”で弾く、ということでした。
ホルショフスキーはスケール練習の一瞬たりとも“心のピッチ”を忘れず、常に音楽として最高のものを演奏する姿勢そのままに弾いていたということに、私は気づいたのです。
単に指を動かすことなら誰にでも簡単にできます。
では、音程感のある音を出すには、どのような意味を持った音を響かせることができるか。
音と音との隔たり、距離感を感じさせるためには、どうしたらいいか。
低い音から高い音へと全音と半音を辿って上っていくとき、下りていくとき、オクターブユニゾンでの動き、反行する動き、それらをくっきりと観客に意識して届けるにはどうしたらいいのか。
それらがそれらしく聞こえるためには、自分自身が1音ずつその音になりきってその音の高さを具現化しようと努力することが絶対に必要な条件だと、私は思います。
「どうやって自分がその音になりきるのかがわからない」と多くの方がマスターコースや勉強会を受講されますが、いつの間にかできるようになっているのを見ると嬉しくなります。それは、本当は誰にもできること。
長くなるので、誰にでも“心のピッチ”をマスターするための具体的な2つの方法は明日、アップします!
もちろん、『ピアノランド スケール・モード・アルペジオ』のセミナーでもしっかりとお伝えします。
みなさんにも、知りたいことを突き詰めていく面白さを味わっていただけますように。
気がついたら連載になってしまったので、よかったらこちらもご覧くださいね!
2018年 4月 4日(水)
音感教育とテクニックの融合を!
話題の『ピアノランド スケール・モード・アルペジオ』応用編
〜バッハ インヴェンションへの扉を開ける〜
10:30〜12:45
TEL03-3409-2511
TEL03-5742-7542