第15回 3つのポジション移動を覚えよう♪
ピアノランドの教え方 How to use PianoLand
第15回 3つのポジション移動を覚えよう♪

第15回 3つのポジション移動を覚えよう♪

芸術の秋、いかがお過ごしですか?

いつも「ピアノランドの教え方」をご覧いただきありがとうございます。

趣味でピアノを弾く大人の方から「基礎をおろそかにしたくないので、参考になる」との感想をいただき、嬉しい気持ちです。

アダルトビギナーのみなさんこそ、積み重ねた先に何があるのかを、冷静にご覧になっているのかもしれません。

 

 

これまで“二段階導入法”を経て、固定5指のポジションでタッチを使い分けて歌うように演奏することを学んできましたが、いよいよ3種類のポジション移動です。ここで音域が広がり、音楽の楽しさが倍増するところです!

ポジション移動の基本動作を覚えて、無理なくムダなくスムーズなポジション移動ができれば、音楽の流れが自然になり、楽しく演奏することができます。

そう、“自分の手が次にすること”を予め知っておくことは、とても大切なことです。

次の場所にスムーズに移れないと、不用意なタッチで音楽を台無しにしてしまうことがあります。

目的地に応じて交通手段を決めるように、楽譜を見て、次のポジション移動の種類を確認して、迷わず「いい音」を響かせましょう!

 

 

太鼓の子どもと2匹

目次

●ポジション移動 その1「おひっこし」とは?

●ポジション移動 その2 手を「ひろげる」幅を覚えよう

●ポジション移動 その3「かぶせる、くぐらせる」動きで、1の指大活躍!

 

 

『ピアノランドたのしいテクニック』シリーズを作るときに考えたことは、「ピアノの先生に、“ポジション移動”という概念を持って教えてもらうにはどうしたらいいか」ということでした。楽譜を追いかけて音にしているだけで“手のポジション”に注意を払わないでいると、曲が難しくなったときに応用が利きません。

そこで、ポジションに関してこのような大きなくくりを考えて書き進めました。

上巻は固定5指のポジション内で、3つのタッチを使い分けることを学ぶ。

中巻では、難易度順に3つのポジション移動を学び、曲を分析しながら使い分けることを学ぶ。

下巻では、さらに難しいポジション移動「とぶ」の他、上級への扉を開く様々なテクニックを学ぶ。

 

では、3つのポジション移動と、『ピアノランド』2巻の曲中での使い方をご覧ください。

 

 

●ポジション移動 その1「おひっこし」とは?

『ピアノランドたのしいテクニック』中巻では、固定ポジションの基本位置の手の形のまま、鍵盤の右や左に移動させることを「おひっこし」と呼び、下記のようなマークを楽譜に書き込んで予め準備するよう教えています。

おひっこし

 

 

「おひっこし」を応用した『ピアノランド』2巻の「ぶらんこ」をご覧ください。

プリモのメロディは、5の指からスタートするの下行形で、連続した「おひっこし」の音型です。

これに、セコンドの上行形が応えるように歌い合って、連弾を楽しみます。

 

 

このように、『ピアノランド』2巻の後半は、「おひっこし」をはじめ、ポジション移動がどんどん出てきます。

先生がマークを書き込むのではなく、子ども自身が楽譜を見てポジション移動がどこにあるのか考え、マークを書き込むことが大切です。

慣れるまでの一時だけでもマークを書き込む習慣をつけておくと、「次のポジションの準備はどこだろう?」という視点で楽譜を見る習慣がつき、脳内に「次の動作を知っておくべきだ」という回路ができます。

出かける前に地図や行き方をチェックするのと同じです。演奏で「迷う」ことのないように、ポジション移動チェックを習慣にしましょう。

 

『ピアノランド』2巻より 「ぶらんこ」

ぶらんこ

 

 

 

●ポジション移動2 手を「ひろげる」幅を覚えよう

ひろげる

「手を広げる」と言っても、ピアノの場合は、楽譜が要求するように、ある指とある指の間を「鍵盤の幅」を基準にミスタッチしないようにぴったりに広げる必要があります。

『ピアノランドたのしいテクニック』中巻のレッスン6「ゆびをひろげるたいそう」を充分に行なってから、レッスン7で鍵盤上の幅(鍵盤上の幅はもちろん、音と音の隔たり=音程にも気を配る!)を確かめつつ広げていきます。

手のフォームが崩れないところまで、よい形で楽に広がるところまで行なってください。

 

 

次は、楽譜から見てみましょう。

ポジション移動「ひろげる」と「おひっこし」が出てくる曲です。

 

『ピアノランド』2巻より「にげだせロック」

にげだせロック

 

リズムにのって弾くのはなかなか難しいのですが、ノンジャンルにピアノを弾けるようになるために、ロックンロールや12小節パターンのブルース進行の曲は欠かせません。

ミュージックデータのドラムやベースラインをよく聴きながら、楽しく合わせていきましょう!

 

 

●ポジション移動 その3「かぶせる、くぐらせる」動きで、1の指大活躍!

かぶせる-くぐらせる

 

スケールはもちろんのこと、何をを弾くのにも、「かぶせる、くぐらせる」テクニックは重要です。

『ピアノランドたのしいテクニック』中巻のレッッスン8で、机の上で「かぶせる、くぐらせる」美しいムダのない動きをマスターしてから、★3「ピアノでかにさんあるき」に進み、短い曲中で2、3、4、5の指を1の指に「かぶせる」、そして1の指を「くぐらせる」練習をします。

動画では、1、3の指を使った曲例「ようきなダンス」を紹介しています。見やすいように左手だけで演奏していますが、もちろん、右手だけ、両手同時も練習してください。

1の指で演奏するときに、手首が大きく上下しないこと、手首が下がりすぎないこと、また、指のつけ根から手の甲にかけての“屋根”にあたる部分が安定することを心がけましょう。

 

 

 

おつきさまのふね

 

いかがでしたか?

「ポジション移動」という概念をしっかりと持ち、鍵盤上を安心して移動できたらいいですね。

みなさんが、今演奏されている曲には、どのようなポジション移動が使われているか、改めてご覧になると面白い発見が有ることと思います。

 

そうそう、お気づきの方も多いと思いますが、3つのポジション移動は、“二段階導入法”の体操各種の応用でもあります。

「おひっこし」の動きは、膝打ちをするときの「つるさん」の脱力した手を使います。

「ひろげる」は、「うーわっ」で一瞬だけ手を広げる動きを応用します。

「かぶせる、くぐらせる」は「ぐーぱーたいそう」「ぐーぱーたいそうスペシャル」の動きを応用します。

 

それでは、また、来月お会いしましょう♪

 

3匹

樹原涼子

公開日:

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