諦めたこと、諦めないこと、そして夢。延期になった「レッツプレイ♪ピアノランド」

諦めたこと、諦めないこと、そして夢。延期になった「レッツプレイ♪ピアノランド」

今年、延期&中止になった「レッツプレイ♪ピアノランド」

 

このイベントは、「ピアノランド」の作曲者である私が、
子供達の「ピアノランド」の演奏や作曲作品を聴いて、
その場でアドバイスをする、という内容です。

演奏した本人も保護者も、後日送られてくる紙を読むのではなく、
その場で、目を見てアドバイスをもらえることが好評で、
しかも、他の人の演奏や作品のアドバイスも全て聴ける、
というので評判を呼び、全国各地に急速に広まっているところでした。

昨年の東京でのレッツプレイ♪ピアノランドの一コマ

 

 

 

諦めたこと

下記が、2020年に開催できず、延期となった7ヶ所のレッツプレイ♪ピアノランド。

 

3月20日 広島

3月21日 倉敷

3月22日 津山

7月19日 大阪

8月30日 名古屋

9月6日 札幌

10月25日 大阪

 

7ヶ所全てが、地元のピアノの先生方と相談を重ねて企画を温めていたもので、
特に始めの3ヶ所、春の連休に広島、倉敷、津山を廻るツアーは、
何度も相談しながらチラシもできて、いよいよこれから、というところで
COVID-19が世界中で拡大する時期と重なってしまいました。

言い出しっぺさんたちと「延期」の決断をした後には、
秋の開催を目指して新たな会場の手配もほぼ済ませていましたが、
収束が見込めずに秋も延期……となってしまいました。

決まるまでの間、どれが正しい答えなのかと悩み続けた地元の先生方には
本当に苦労をおかしけました。
今となっては、延期にしてよかったなと心から思います。

企画してくれた皆さんへの感謝をこめて、思い出のチラシをここに。

 

 

その後の大阪、名古屋、札幌、大阪(参加人数が多いために大阪は2回予定)も
次々に延期と決まりました。
ただ、延期後のスケジュールは決められない状態です。

大人が集うクラシックコンサートなら「一席置き」でもいいかもしれませんが、
家族で参加してみなでピアノを囲み、
演奏や作品についてコミュニケーションするのが目的ですから、
そうもいかないイベントです。

 

とても残念ですが、子どもたちや保護者のみなさんが安心して参加できるときに!
と気持ちを切り替え、お楽しみはまたいつの日か実現させたいと思います。
沢山練習して待ってくれていた子どもたち、ごめんなさい。
いつかまた、きっとお会いしましょう!

各地の言い出しっぺのみなさんには、ご苦労をかけてしまいました。
本当に、企画から延期決定まで何かとお骨折りいただき、ありがとうございました。
これからもまた、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

2020年の春に起こったことを、忘れないでいよう

そして、諦めないことを「選ぶ」

 

個人個人の予定はとてもちっぽけなものかもしれないけれど、
それでも、とても楽しみにしていた人たちがいます。
この春、様々なことを諦めた人が沢山いるというのは
とても悲しいことでした。

私自身は、できないことは諦め、できることをする、と決めてからは、
猛然とリモートレッスンについての記事を書きました。
ピアノの先生方が仕事を失ってしまわないように
何かできないかと思ったのです。

主催しているマスタークラス、コード塾、各種勉強会をどうしたら継続できるかを考え、
3月はほとんど開催できなかったものの、
4月以降は少しずつリモートでの開催が増えていきました。

 

こんな状況下でも勉強したい方がいる限り、「できることをする」というスタンスは
DVD「えいごでピアノランド」の発売記念セミナー開催(無観客、配信)に繋がり、
それが、ピアノランドフェスティバルの無観客開催、配信にも繋がっていきました。
この2つのイベントの成功は、私に力を与えてくれました。
ピアノランドファンの皆様、カワイ表参道、音楽之友社の皆様の
音楽に対する熱い思いとご支援のお陰です。
本当にありがとうございました!

 

 

 

 

残念だったのは、次男樹原孝之介が作曲をしている劇団S&Dぷrオジェクトの新作「ひみつの箱庭、」公演が
延期になり、中止になったことです。
20代後半の元劇団四季の人たちが中心となり、
プロの公演を見せ、ミュージカルをやりたい学生を育てていくという素晴らしい夢は、
昨年『ひとりぼっちの夜」で大輪の花を咲かせ、
いよいよこれからオリジナルミュージカルの2作目を披露する、というときでした。

 

 

 

 

けれど、彼らもまたこの状況下で投げ出すのではなく、
知恵を絞って、できるだけのことをしています。
(配信でのダンスや歌のレッスン、ミュージカルの歌だけの配信コンサート等)
頑張っている姿はとても眩しく、尊いと思います。
私が出版のあてもないのにbeansというチームを作り、
出版できると信じて「ピアノランド」を作っていた頃の苦労に重なります。

どんな行事や催しや式典にせよ、何かが中止になることによって、
人生の歯車が狂った人や、目標を失った人、
何かのチャンスを、仕事を、収入を失った人が沢山いるということを
私は忘れないでいようと思います。

そして、誰もが苦しいときだからこそ、手を差し伸べ合うことが大切だと思います。

できなかったことについては諦める。

けれど、
できる可能性のあることは諦めない。

諦めないことを、選ぶ。

誰もが、自分の人生にとって、そのことの重さを測るようになったのは
いいことかもしれません。
「それは、あなたにとって、どれくらい大事なの?」という問いかけなしには
取捨選択できないことがあります。

 

 

それでも、希望の光はあります

 

社会のあちこちに、明るい出来事もあります。

楽器店の方から伺いましたが、
自粛期間中に学校も部活も塾もないので、
こころゆくまで練習して上達したお子さんがとても多いのだそうです。
それを見ていたご両親が、そんなに弾くのなら、と
楽器がとても売れているそうです。

電子ピアノからアコースティックへ、
アップライトからグランドピアノへと
買い替えのきっかけになったのなら
そのお子さんやお宅にとって、
自粛期間は悪いことばかりではなかったのですね。

 

大人の方で楽器を始める方も増えたというニュースも見ました。
時間さえあれば、音楽に触れたい!という方は
実は多いのかもしれません。

忙しすぎて自分の好きなことをする時間がなかった方が、
リモートワークによって余暇を持ち、楽器を弾き始められたのなら、
これまた素敵な出来事です。

 

 

 

 

キャンセルが生んだ、さらなる新しい夢

 

3月の「レッツプレイ♪ピアノランド」ツアーを諦めたときに、
その3日間、私はあることに取り組み始めました。
この3日間を休暇にしてしまうこともできたけれど、
私にはとても貴重なツアーだったのだから、
何かそれに変わるくらい大切なことに使いたいと思ったのです。

いつか、この夢が形になったら、
災い転じて福となるかもしれません。
まだ、もっともっと頑張らないと形にならないのだけど、
あの判断はナイスだったかも。

 

物事は、ある部分だけを見ているのではなく
長いスタンスで見ていくことが大事かも。
一見「いい出来事」に見えることは時が経っても本当にそうなのか、
一見「悪い出来事」に見えることだって本当にそうなのか、
まだまだどちらに転ぶかわからないことがあるかも……。

そして、運命を良い方に転がしていくためには、
すっぱり諦める潔さと、
諦めない強い気持ちの
両方が必要なのかもしれない、と思っています。

 

 

 

 

2020年9月11日 追記

昨日(9月10日)この日記を書いたときには、来年になってもいったいいつ開催できることかと
先行きが見えない状況でしたが、今日のニュースで明るい見通しが報じられました。
9月19日より、クラシックコンサートの一席置きでの鑑賞の必要はなくなり、
5,000人規模のコンサートまで満席で大丈夫になりました。

少しずつ、状況が好転する兆しが見え始めて本当に嬉しいです。
もしかしたら、来年開催できるかもしれないという希望の芽が見えてきて
本当に嬉しいです。

 

 

 

🔶樹原涼子の最新スケジュール

2020年 9月 25日(金)

連弾&ソロ『ラプソディ第2番』レクチャーコンサート

新刊発売記念レクチャーコンサート カワイ表参道 コンサートサロンパウゼ
ゲスト:小原孝

11:00~13:00 完全予約50席限定/動画配信受講も受付
(ホールで参加プラス動画配信の方は1,000円追加)

 

一般 3,500円
カワイ表参道メンバーズ&ピアノランドメイト会員 3,000円

 

▶︎お申し込み カワイ表参道 

電話:03-3409-2511
メール:omotesando@kawai.co.jp

 

 

 

樹原涼子
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