北海道ツアー2 札幌編 夢のような二日間

北海道ツアー2 札幌編 夢のような二日間

北海道ツアー、稚内からプロペラ機で新千歳空港に着いたのは10月15日のお昼過ぎ。

「北海道ツアー1 稚内編」はこちら

高い建物がなくてどこまでも空が広かった稚内と比べると、札幌は大都会ですね。
それにしても、北海道は台風の傷跡もなく平和な日常。そして、東京よりも「寒い」けれど、室内はとても暖かいので、薄手のコートを新調してきてよかった。玉川高島屋での遠藤湖舟展の帰りに購入した、アヒルを苦しめないために開発された化学繊維のダウンコート。これから、東京でも活躍しそうです。

結局、北海道用にと用意したニットの衣装2着は室内が暖かすぎて持ち帰り、薄手のワンピース2着を着用したのでした(汗)

 

 

北海道ツアー2 札幌編のタイトルは、「夢のような二日間」としました。あれ、どこかで見たような……と思ったら、野崎さん(後述)が今回のことを書かれたFacebookの書き出しと同じ。本当に楽しく、夢のような二日間でしたから!

 

ベヒシュタインのある豪華なサロン、敷島別邸へ

空港ではピアノランド勉強会の原田さんと長江さんが待っていてくださって、公開レッスン&コンサート会場である敷島別邸まで急ぎます。車中、4人でお喋りに花を咲かせながらも、用意してくださったシャケおにぎりと海老蒲鉾(アイスキャンディのような串状になっていて可愛くて美味しい!)を頬張り、絶好調でレッスン開始時刻直前に到着。

ベヒシュタインのある素敵なサロン「敷島別邸」でレッスンとコンサートを開催することになったのは、札幌にベヒシュタインのあるサロンがあると聞いてwebで写真を見て、ぜひ小さなコンサートをしてみたい(樹原涼子ピアノ曲集を作曲したベヒシュタインで聴いていただけたら)、また、せっかくだから勉強会のみなさんにもレッスンができたら……と、移動日のはずなのに欲張ってしまったから。偶然にも、今回の札幌ツアーの企画と打ち合わせをしてくださった野崎さんも、このサロンに来た時にいつか私に演奏してほしいと思っていらしたそうで、その思いが通じて、綱渡りのような北海道ツアー後半戦が決まったのです。写真は野崎さんの投稿からいただきました。

 

 

到着すると、敷島別邸をご紹介くださったエルム楽器社長の江幡一馬さんが、すでに音響設営もしてくださっていてスタンバイ。夜のコンサートでは歌も歌うので、まずは音響バランスをチェックして、コンサートまではいられない江幡さんに感謝をこめて1曲だけ演奏しました。

親愛なる宮谷理香に捧ぐ「巡る」(『風 巡る』より)

 

 

 

勉強会受講生8人の 公開レッスン

 

他にリハーサルらしいことはできませんでしたが、もう、ピアノと仲良くなったので大丈夫。着替える時間もなく、白いパンツ姿のまま公開レッスンスタートです。

8人のミニ公開レッスン。みなさん、初めて弾くベヒシュタインの響きに圧倒されながらも、とても集中して演奏されました。タッチもペダルも歌い方も、「さっきと今の違いを聴く」ことで音楽がどんどん変わっていくのを弾く人も聴いている人も感じられる、本当に有意義な時間となりました。4年間、勉強会を通じて培われたものがあればこその吸収力だなぁと嬉しい時間でした。ご自身の作曲作品でレッスンを受けた方がいたのも嬉しい。

(青木さんの公開レッスン中の写真を、江幡さんからいただきました)

 

 

 

コンサート〜やさしい時間〜 大人の皆様に

 

公開レッスンの間にもコンサートのお客様がどんどん集まっていらして(汗)、受付をしている間にやっと着替えることができました。どうしてこんなにタイトな時間割にしたのか、いつも後から反省するのですが……。お手伝いくださった皆様、ありがとうございました!

 

今回は最初と終わりに歌を配置して、間はピアノ曲というプログラム。
歌詞があることで、より細部まで伝えたいことが伝えられるから、歌を作り歌うのも好きです。

この日は、台風で大変な思いをされた方々のために「祈り」からスタート。

あなたのために祈りましょ あなたがいつか誰かのために
祈れるように祈りましょ あなたのために祈りましょ

私のために祈りましょ 私がいつも誰かのために
祈れるように祈りましょ 私のために祈りましょ

 

 

 

 

ミニコンサートということで、休憩なしの約1時間。〜やさしい時間〜というタイトルをつけました。

曲にはそれぞれ、生まれ落ちるときのドラマがあります。
初めは、連弾組曲集『時の旅』から、「小さな時間旅行」(子供のためのモード組曲)をお話し付きでアシスタントの梶さんと演奏しました。タイトルと曲の響きで、モードの名前も覚えてもらうという試み、きっと成功したかな?

そして、2011年の東日本大震災の後にできた『こころの小箱』から「想い出の小箱」「時の砂」、ピアノという楽器の特質を生かしたいと書いた『夢の中の夢』から「夢」、父が母を看病しながら注ぐ優しい眼差しに打たれて書いた『やさしいまなざし』、大切な人たちへ捧げた『風 巡る』から「巡る」。

ベヒシュタインで作曲した5冊のピアノ曲集から数曲を演奏しましたが、写真は、『こころの小箱』の本間ちひろさんの表紙について解説しているところです。

 

 

この日の演奏はちょっと特別な感じがしました。
書いたときの気持ちそのままの演奏も、書いたときから少し成長したかもしれない曲たちも、それぞれがこの空間に放たれると、お客様の心に吸い込まれていくように感じました。跳ね返ったり、逸れたりすることなく、そのまますーっと吸い込まれていく、というのが一番ぴったりな気がします。サロンの広さと楽器と曲の相性もあるのでしょうか。私の部屋のピアノとはまた違った明るさと強さを持った音色は、今日だけの音を皆さんの心に届けてくれたようです。

 

コンサートの最後には、絵門ゆう子さん作詞の「光る星があったから」。小原孝さんとの“HARA HARA 倶楽部”のCDに収録したこの曲は、病気の人、傷ついた人を励ましてくれる曲でもあります。どんなときも、音楽がそばに寄り添うことができれば……。

年配の方も、若い方も、何人かのお子さんも、それぞれにどんな風に感じたのかを一生懸命伝えてくださって……音楽家冥利につきる夜でありました。お聴きいただき、ありがとうございました。

 

 

お疲れ様! 乾杯!

音楽を共にした皆さんと一緒に、お疲れ様! 乾杯! そして、明日のセミナーがうまく行きますように。何時間おしゃべりしても、音楽の話は尽きることがありません。

 

 

 

セミナー「一生役立つ教え方」 今日はフルバージョンで

 

 

 

稚内では短時間に凝縮してお伝えしましたが、こちらでは休憩を入れて2時間半。

まず、センスを育てること。つまり、違いがわかるように育てることの大切さについて。

それには、「二段階導入法」で必ず準備をすること。

聴く力をつけること、すなわち、聴いて違いがわかるようにすること。

近現代から未来の音楽へ対応していくこと。

そのためには……と、具体的なことを様々講義していきました。行き当たりバッタリで子供達の時間を無駄にしないで、学んだことが積み重なって一生役立つように教えるにはどうしたらいいか、順序立てて考えることが必要です。教える人が意識していないことを、習う側に意識できるわけがありませんから、常に、何を目指しているのかを子供にも、保護者にも明確に示して、その手法を具体的に知っていること、進み具合をどちらも把握しておくことが大事です。

 

セミナーでは、これからの時代に目指すべき方向性をそれぞれの先生がしっかりと持つこと、その要素とは何かについてお話しました。この、「一生役立つ教え方」のセミナーは、来年の私の重要なテーマになるのだなぁと、改めて思いました。

これまでは、一冊ずつ著書についてのセミナーをしてきましたが、いよいよ、それらが束になってメソッドとしてできること、という次の次元に足を踏み入れました。

 

 

ちょうど時間にセミナーを終えたところで、Shigeru Kawaiの澄んだ美しい響きが心地よく、どうしてもピアノ曲を弾きたくなったので、アンケートを書いていただきながら、お礼に1曲「やさしいまなざし」を演奏しました。音楽は、音楽で伝え、締めくくりたいと思いました。

このような機会を作ってくださった勉強会の卒業生のみなさん、カワイ札幌のスタッフの方々に御礼申し上げます。

 

アンケートの回収率がこれまでになく凄くて、これはまた後日アップいたします。ファックスやメールでも届いていて、本当に嬉しいです。きっとまた、札幌に参りますね!

 

 

 

 

最後のランチパーティー、ありがとうございました!

 

終了してから、沢山の方と昼食会を開催していただき、様々な質問に答えつつ、美味しく楽しいひと時を過ごしました。初めてお会いする方も多く、ご縁に感謝するばかりです。写真掲載の許可を全員にいただくのを忘れてしまったので掲載しませんが、本当に素敵な時間でした。

 

北海道各地からコンサート、セミナーにお集まりいただいた皆様、ありがとうございました。
ご希望が多く、下記の通り2つの勉強会を12月からスタートすることになりました。
webをご覧の方も、お申し込みできますので、こちらをご覧下さい。
更に詳しいことは、決まり次第追加します。

ピアノランド勉強会

『ピアノランド スケール・モード・アルペジオ』勉強会

 

それでは、稚内、札幌の皆さん、どうぞお元気でお過ごしくださいね!
またお会いできる日を楽しみにしています。

 

 

 

下記は、11月の樹原涼子のスケジュールです。
お問い合わせ、お申し込みは、いずれもピアノランドメイト事務局までどうぞ。

2019年 11月 1日(金)

樹原涼子の最後のコード塾  第8期開講!NEW

2019年11月1日開講 2年間、20回コース 1月、8月を除く 月1回/金曜日

10:15~12:45(トート音楽院 または、ピアノランドメイト事務局(DVD受講も受付中。)

 

2019年 11月 7日(木)

樹原涼子マスタークラス 第9回講義 NEW

倍音について その5 “聴きとり術”を限りなく美しく弾く

10:20~12:30 講義 13:00~15:00 グループレッスン  エナスタジオ(渋谷区恵比寿)

 

2019年 11月 20日(水)

『即興演奏 12のとびら 〜音楽をつくってみよう〜』NEW

樹原涼子 新刊発売記念セミナー

10:00〜12:30 カワイ梅田(大阪市中央区)

 

2019年 11月 21日(木)

『即興演奏 12のとびら 〜音楽をつくってみよう〜』NEW

樹原涼子 新刊発売記念セミナー

10:00〜12:30

カワイ名古屋(愛知県名古屋市)

【お問い合わせ・申し込み先】
ピアノランドメイト事務局
03-5742-7542
info1@pianoland.co.jp

樹原涼子
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