ピアノランドフェスティバル2019、盛りだくさんでした!
ピアノランドフェスティバル2019 vol.20 無事に終えるができました。
8月2日のさくらホールでの公演は、私にとって「おてんば王女の冒険」で初演技をしたこと、「ラプソディ第2番」の初演ができたこと、そして父への追悼の思いをこめたコーナー等、忘れられないフェスティバルとなりました。
こちらがプログラムです。
第一部
「ピアノランド王国物語 おてんば王女の大冒険」
第一部は、「ピアノランド」シリーズの曲を繋いで作った「ピアノランド王国物語 おてんば王女の大冒険」を上演しました。配役は下記の通りです。
おてんば王女、歌詞の英訳、歌、Christelle Ciariさん!
宮廷の音楽士 オバラッチ 小原孝さん & コノスキー 樹原孝之介
作詞、作曲、王女の先生(ばあや)、樹原涼子
おてんば王女に手を焼く先生と、先生を「ばあや」と呼んでは叱られながら逃げ回る姫の物語。
ある日、姫はカンガルーのニーナをみつけてお城から遠くまで追いかけて行方不明になってしまい、大変なことに!
先生(ばあや)は、大福地蔵に大福をそなえたときだけ願い事が叶う、という『ピアノランド②』の歌の通り、遠くで道に迷った姫を探し出し、「だいふくじぞう」にお礼参りに行って、王宮に戻る、というストーリーなのですが、途中に、姫と先生との心の交流に思わず涙が……演技初体験の私もクリステルさんにつられて、なんとか演じました(゚o゚;;
華やかなドレスを着たクリステルさんが日本語と英語でピアノランドを歌い上げ、客席に降りてお客様に関西弁で語りかけ(笑)、小原さんと孝之介の即興を織り交ぜたピアノランド連弾や小原さんのソロに運ばれて、物語は本当に不思議な色に輝きます。
クリステルさんは小さいころから父上クロード・チアリさんの娘として様々な音楽に触れながら育ち、歌手、声優、鉄道の英語アナウンス等の仕事をされていて、NHKの「えいごであそぼ」のお姉さん役でも活躍されてきました。
クリステルさんとの出逢いがきっかけで、昨年からピアノランドの歌詞の英訳に取り掛かっています。
ピアノランドの「歌」を世界中に届けたいという私の願いが、少しずつ現実のものへと近づいていく喜びがじわりと広がります。
耳から入る英語の響きと、日本語の歌詞の響きの違いは、同じ歌なのにまるで違う歌のように聞こえるし、歌ってみると顔の筋肉の使い方が全く変わること、声の出し方も変えたくなることも面白い!
私が大好きな英訳は、「ぶらんこ」「おつきさまのふね」「好きな色は」などなど。
他の国の子供たちにも、ピアノランドの歌詞に込めた思いも一緒に受け取ってもらい、音楽での国際親善の一歩となればいいなぁ……。
今、私の大きな夢が、少しずつ前進しているところです。
ステージ写真が手元にないので、物語出演者一同、楽屋前での写真を。
左から、小原孝さん、樹原孝之介、クリステルさん、樹原涼子。
樹原先生と小原くんの爆笑レッスン
子供達が喜ぶツボを、即興でどんどん演じて行く小原さん。
こちらは台本なしの楽しい即興劇を毎年ご覧いただいています!
今年は、トリルを上手になってほしい樹原先生と、1年ぶりのレッスンなのに逃げ出したい小原くん。
一音一音乱暴に打ちつけるようなトリル練習から、レッスンを受けるうちにみるみる上達してテクニック下巻の「お月様の涙」を美しく演奏する小原くんって……やはり、謎の小学校1年生です!
小原孝 ソロコーナー「ピアノ名曲フォーユー〜あなたが大好き〜」
「踏まれた猫の逆襲」他の名演で会場が沸いていました!
衣装替えで袖で聴けなかったので本当に残念です。
詳しいレポートは飯田有抄さんによる「ピアノランドメイト」と「ムジカノーヴァ」の記事をどうぞお楽しみに♡
リハーサル中の小原孝さん。(写真:滝澤志野)
第二部
ミュージカル「ひとりぼっちの夜」よりテーマ ひとりぼっちの夜
7月20日に公演のあった樹原孝之介が音楽を担当したミュージカル「ひとりぼっちの夜」。友人たちと涙でぐしゃぐしゃになった顔で感動を語り合ったのでした。その感動を伝えたく、思い切って歌うことにして急遽練習をして、孝之介と親子共演をしました。
作詞のひらたあやさんや、ミュージカルで主役を演じた井上万葉さん他の出演者も客席で聴いてくださったようで嬉しい。あまりにも井上さんの歌が素敵なので動画を紹介しておきます!
『即興演奏 12のとびら 音楽をつくってみよう』
新刊『即興演奏 12のとびら 音楽をつくってみよう』の発売を記念して、ウィーン国立歌劇場バレエ団の専属ピアニストの滝澤志野さんをゲストにお招きしました。
昨年の連載時から毎月一言メッセージを寄せていただいていたので、本ができあがったからには是非おいでいただきたいと思っていました。そして、全音音階のページの使い方を二人で紹介してから、今日の気持ちを即興演奏で表現していただきました。なんと美しい音の連なりでしょう。
志野さんの即興演奏は、前々日の事務所でのリハとも、当日のリハとも違う、それぞれの魅力に満ち溢れています。毎回志野さんの思いがしっかりと宿っていて、それはもう、生きているから、即興だからこその魅力なんですよね。ここに居合わせて聴くことができたみなさん、よかった〜♡
志野さんのバレエレッスンCD、1枚目(上)と2枚目(下)。
ウィーン国立バレエ団監督のマニュエル・ルグリ氏の、
「レッスンでもリハーサルでも本番でも、輝かしい演奏ができるピアニスト。志野は僕の宝物です」
とは、凄い言葉ですね。
連弾組曲集『時の旅』〜「美しい時間」より
Ⅰ ゆらぎ Ⅱ 青空の下で
昨年出版した『時の旅』から、フェスティバルで演奏していない2曲を選びました。
「ゆらぎ」では小原さんがプリモ、「青空の下で」は私がプリモに変わって、2月の演奏会とはまた違う雰囲気で演奏してみました。この組曲は、人生の色々な場面を音楽でアルバムにしたようなつもりで書き上げましたので、その時々で変化する、人生に寄り添うような音楽を楽しんでいただけたらと。
“父に捧ぐ”曲たち やさしいまなざし
(写真:滝澤志野)
4月に亡くなった父を偲んで、父のために書いた曲集『やさしいまなざし』の表題曲を演奏しました。
病気の母を看病するときのやさしい父の眼差しに打たれて書いた曲で、これを演奏するたびに思います。
「まなざし」には全てが現れるのだなぁと。
父を思い出すときには、いつも父のまなざしは誰に対してもやさしい。
自分の中にどんな「心」を住ませるのかは、自分次第ですね。
『やさしいまなざし』の表紙は、本間ちひろさん。
次の曲は、まるでこの絵の通りのような……。
舘野泉に捧ぐ左手のための「季節の三部作」より 濡れた紫陽花
父が亡くなった翌日に、舘野先生が汐留ベヒシュタインサロンんで初演してくださった曲です。
実家の紫陽花を思い出しながら書いた曲なので、父に捧ぐコーナーでこの曲も、と思いました。
舘野先生はまろやかで芯のある素晴らしい音で紡いでくださったことを思い出しながら、私なりの紫陽花の色、雨の色を紡ぎました。
会場のカワイのピアノはとても反応がよく、ホールの隅々まで心を伝えてくれるような気がしました。
本番で演奏しながら音の行方を味わい、追いかけ、次の音を待つ、という時間をお客様と共有できるのは大きな喜びです。調律の小野寺仁さんにも感謝いたします。
新作を子供達に聴いてもらう大切さや、自分の思いを伝える大切さと、そして、左手だけの曲の存在を伝えたい、バラエティに富んだ“出逢い”のあるプログラムに……と考えました。
『やさしいまなざし』より ノスタルジー
「ノスタルジー」は、小原孝さんが新しいCD「ピアノ名曲フォーユー〜あなたが大好き」に収録されています。この曲も、両親と過ごした子供時代のイメージを投影しているので、父に捧ぐコーナーで演奏していただくことにしました。
小原さんの演奏からは、私の個人的な思いとはまた別の世界へ、誰の心にもある“過ぎた時へのノスタルジー”を感じます。こうして、曲は生まれてから成長していくんですね。
名ピアニストに曲を育てていただけるのは、本当に嬉しいことです。
昨年、小原さんが初めて演奏してくださった映像はこちらです。
「ラプソディ第2番」初演
2月のデュオコンサートでの一コマ、「ラプソディ1番」を演奏したら、、小原さん、会場の皆さんが、2番を楽しみにしている!と大きな拍手をいただき、それが嬉しくて、8月初演を決意して作曲に取り掛かろうと思った矢先、4月17日に父が他界しました。
けれど、どうしてもこの夏「ラプソディ第2番」を初演して、来年の夏には楽譜を出版したいという気持ちをおさえることができませんでした。本番2週間前のリハーサルでは中間部ができていなかったのを、ギリギリまで頑張って10日前に何とか完成。ですが、手書き楽譜での本番は危険過ぎるので、それから浄書を頼んで何度か校正をして、フェスティバル前日にやっと楽譜が仕上がってきました。
本当にギリギリセーフ!
大変な仕事を仕上げていただいた浄書の小倉秀一さんに心から感謝いたします!
スリルに満ちた初演となりましたが、演奏後に割れるような拍手に包まれたときは、ああ、諦めなくてよかったと、心から思いました。
初演を聴いていただけた皆様、客席からの物凄い熱量に感動しました。ありがとうございます。そして、何よりも、連弾してくださった小原孝さん、本当にありがとうございました!
来年の出版を、どうぞお楽しみにお待ちくださいませ。
こちらは、『ラプソディ第1番』の楽譜です。こちらは、動画です。
これも、本間ちひろさんの素敵な表紙です。
“HARA HARA 倶楽部”「光る星があったから」
小原さんとの歌のユニットで作った2枚目のCD「光る星があったから」。
故絵門ゆう子さんが、病気の自分にはこんな風に励ましてほしい……と作詞された作品に、私が曲をつけたものです。
子供も大人も、何かしら困難を抱えて生きているこの時代に、「目を開ければきっとわかるよねぇ 君は一人じゃないと」という歌詞が本当に心に届きますように、と願いながら歌いました。
この核心にあるのは、人に寄り添っていこうというあたたかな気持ちです。
作詞者の世代は違っても、二部の最初に歌った「ひとりぼっちの夜」と相通じるものを感じないではいられません。
人を排除するのではなく、歩み寄ろう、理解しよう、励ますことができれば、という思いが届きますように。
アンコールは、このCDから小原孝さん作詞作曲の「逢えてよかったね」でお別れです。
出演者全員が登場して、会場の皆さんと一緒に歌いました。
今年は、出演者が5人という初のフェスティバル。
みなで力を合わせると、大きなことができるのですね。
そして、今年は音楽之友社のたくさんの方々が表も裏も支えてくださって、安心して取り組めたことがとても有難いことでした。ピアノランドメイトでスタッフをしてくださった皆さんも、一丸となって会場を見守っていただき、例年よりも静かで集中できるコンサートだったことも嬉しいです。
売り場では、『即興演奏 12のとびら 音楽をつくってみよう』のキャラクター、ウサコちゃんやくまピョン、フクロウ博士のお面をつけて、出版社のみなさんが販売してくださっていたと、終演後に写真をいただき、感激しています。
『即興演奏 12のとびら 音楽をつくってみよう』のイラストと装丁を手がけたトナカイフサコさんは、お客様のために、表紙の塗り絵と、漫画を特別に用意してくれました!
フサコさん、ありがとう♡
サイン会のあとに、お手伝いをしてくださったピアノランドメイトの皆さんと出演者で記念撮影をしました。
一日中、本当にお世話になりました!
一番右、小原さんのお隣は、ピアノランドのミュージックデータの編曲をしてくださった外山和彦先生。
一番左は、トナカイフサコさん。
赤いお揃いのTシャツは、ピアノランドメイトの皆さん。
写真は、広報、衣装、メイクのスタッフの皆さんも一緒に。
最後に、いつもいつも私を支えてくれているプロデューサーである夫もチラリ。
黒子のように表に出ない人なのですが、この日は志野さんがパチリ。
フェスティバル20周年の記念に。
毎日、続々とアンケートが届いていますので、近々、スタッフがまとめます。
来年も、さらにパワーアップしてみなさんにお会い出来ますように。
ご来場いただいた皆さま、応援してくださった皆さま、また、お会いしましょう‼️
大切なお知らせが2つあります!
♦️来年のピアノランドフェスティバルも、さくらホールでの開催!
2020年8月21日(金)
来年のカレンダーにぜひ、印をつけてくださいね!
♦️ピアノランドの歌を日本語と英語で歌う
DVDが発売になります!
来春頃発売予定です。
詳細は追ってお知らせしていきますが、これまでコツコツ頑張ってきたことが発表できる段階となり、とても嬉しいです。クリステルさんと一緒に頑張ります。
途中経過はYouTube等でもお知らせしていきますね。
みなさん、どうぞよろしくお願いいたします!
明日は名古屋へと向かいますので、なんとか本日中に日記をアップして……。
と思いましたが、もう、6日ですね。本日、名古屋へ向かいます(笑)。
8月7日の「レッツプレイ♪ピアノランド in 名古屋」で、名古屋近郊の皆様にお会い出来ますように!
2019年 8月 7日(水)
みんなで弾こう 作ろう! レッツプレイ♪ピアノランドin名古屋
AM10:00〜17:00頃
聴講 午前1、午後2グループ 各回大人2,160円、子供1,080円(税込)