樹原家のクリスマス、樹原涼子のクリスマス、終了いたしました♪
例年はクリスマス前の開催が多かったのですが、今年はクリスマスの余韻漂う、12月26日。
「毎年この時期に必ず1度は、オリジナルの歌を演奏する日を作ろう!」とスタートしてから、20数年続けてきました。
初のクリスマスライブは長男がお腹にいるときで、休んだのは、次男を10月に出産した年だけ。
作曲をするだけではなく「歌うこと」も好きなんです。
こちらは、夜の部でのご挨拶。於、アートカフェ・フレンズ。
我ながら、とても嬉しそう(笑)。
歌手として活動するという選択肢もあったかもしれませんが、『ピアノランド』を書いてからはずっとピアノを教えること、ピアノを教える人に伝えること、作曲をして新しい楽譜を作り、本を書くことだけで手一杯で、子育てと両立するだけで限界でした。
それでも、「リンダキューブ」や「俺の屍を越えてゆけ」の作曲を担当したときには歌も録音しましたし、CD「ギリシャ神話のように」や4枚のミニアルバム「The Four Seasons」も折々に作ってきました。
そうそう、HARA HARA 倶楽部のCDも3枚も作りましたし、考えてみたら歌手としてのステージ活動は少ないですが、録音はしていますね!
「歌手」をメインの仕事にするスケジュールは組めなくても、歌いつづけたいというエネルギーはフツフツと活火山のようにあって、どんなことがあっても、最低年に1回はライブをしないと死にそうになるということだけは、確かでした(笑)。
あと何本原稿を書いたら、〇〇を仕上げたらコンサートができる! と自分を励ましながら仕事をする12月、病気をしないで過ごせたのは、コンサートがあるおかげかもしれません♪
【樹原家のクリスマス】
昼の部は、昨年作曲家としてデビューした次男樹原孝之介と私が、普段家でどんなものを演奏しているか、樹原家のリビングに遊びに来ていただいたつもりでとプログラムを組みました。
始まりは孝之介の演奏で「夕べの祈り」、私との連弾で、「天の調べ」。
写真は2部で『こころの小箱』より「いかないで」の連弾をしているところです。
細貝柊君(小原孝先生門下の兄弟弟子)と孝之介の連弾で、新刊『ふたりで弾こう!ピアノびっくり箱』(樹原孝之介編曲、アルソ出版)より、「ジングルベル」「喜びの歌」「別れの曲」を2つの対照的なアレンジでじっくりと楽しんでいただくコーナーも大好評。
若いって、いいな〜。
そして、1部の最後は、細貝柊君も一緒に6手連弾で、孝之介の新曲「海辺のノクターン」。楽しかった!
ちなみに、ペダルは一番左にいる私が、水面下の白鳥の足のように(笑)、頑張って踏んでおります。
途中、孝之介とのトークタイムでは、プロを志した頃の話や子供の頃の想い出話も。
彼の伴奏で「君は君のままで」(作詞作曲/樹原涼子)「アメイジンググレイス」「WILL」(作詞作曲/樹原孝之介)も歌いました。
特に、ゲーム「俺の屍を越えてゆけ2」の主題歌「WILL」を歌うとき、私は特別な気持ちになります。
作曲家の思いを伝える歌い手として、心がスーッと、あるゾーンに入っていく感じ、と言ったらいいでしょうか。
本当にいい曲だとしみじみ思い、歌う度に好きになる曲です。
ゲームの作者でもある桝田省治さんも来場されて、ピアノだけで歌う「WILL」の世界が会場いっぱいに、広がっていくのを感じました。
あとで、「涼子さんの声が自由自在で、風の中にいるみたいだった。安定感があって、でも自由自在で伸びやかで、空に手が届きそうだ」と。
今回、ボーカリストとしての自分を問い直すような気持ちで挑んだライブでもあり、とても嬉しく、励まされました。
その他、孝之介のピアノソロ、弾き語り、ボーカル、私が父に捧げた『やさしいまなざし』、左手のための「想い出の小箱」、クラシックからクリスマスソング、オリジナルまで、いろいろなジャンルの曲をいろいろにお届けした昼の部。
音楽をジャンルで切り分けるのではなく、音楽の世界丸ごとを楽しんでいただけたらと、お客さまと時間いっぱいに楽しみました。
おいでいただいた皆様、本当にありがとうございました!
終了後にお配りしたセットリストです。
【樹原涼子のクリスマス】
夜の部は、少し前の“時々日記”に書きましたが、「今、歌いたいこと、伝えたいこと」を凝縮して演奏しました。
人生の折々に書かずにはいられなかった曲達、ときに涙を流しながら綴ってきた歌を、トークと一緒にお届けするプログラム。
昼の部で歌う人になりきっていたので、「Open Your Heart」をピアノだけで歌い始めたときにはすでにゾーンに突入。
そして、懐かしい「子供達へのバラード」へ。
つづいて、ごきげんバンドが登場して、息子達が大人になりかけた頃に書いた「船出する君へ」、両親との関係の変化を歌った「ありがとう」、女の子達(だけではなく、全ての人を!)応援する「ティンカーベル」、多分自分に向けて、そしてみんなに伝えるためにおりてきた曲「愛する者達よ」。
思い起こせば、昔々、はじめは宮野さんと二人だけのユニットでコンサートを開きましたっけ。
その、宮野弘紀さんのギターの美しいサウンドとノリは言葉にできないくらいステキで、ご一緒するのは私にとって大変なことでした!
宮野さんが「樹原さんの音楽に合う人はね、」と紹介してくれたのが、ベースの高尾幸宏さんと、パーカッションの海沼正利さん。
彼らの音楽に共通するのは、同じ楽器の人はいるけれど同じプレイをする人はいない、品があるけどアグレッシブ、自由奔放、音楽に妥協しないところ。
おかげ様で、こんなに長く(途中宮野さんがジャズに専念された後、初代メンバーに)ごきげんバンドを組んできたのでした。
そして、くーこさんの声の存在感がまた素晴らしく、私の作品の一部を形成してくれているのが嬉しい。
バンドで演奏して思うのは、ステージの上で通じ合うもの、分り合えることが増えるとどんどん音楽が光り輝いて来るということ。
やはり、パートナーと遠慮し合っていては音楽はできないのだとしみじみ思います。
丸ごと自分をさらけ出して、聴き合うこと。
特に、私の作品を私がどう伝えようとしているかを、しっかりと舵取りしていかなければならないことを、ごきげんバンドは長い時間かけて私に教えてくれたと思います。
2部では、孝之介も加わって「WILL」をバンドで演奏、昼の部とはまた違った世界がそこに立ち現れるのが面白い。
歌い慣れた「祈り」「永き道」、そして、出来立てホヤホヤの「一人の夜に」を宮野さんと二人で。
「Happy Life」では、両親への思いをバンド+孝之介のコーラスでがっしりと支えてもらいつつ歌い上げ、「クリスマスには」を会場のみなさんの分厚いコーラスと一緒に歌う喜び。
そして、「花」。
作品に生命を吹き込む。
そんなことが少しできたかもしれない。
作り手である樹原涼子が、演奏者としての樹原涼子に「ありがとうね!」と言えるような(珍しい)夜でした。
ごきげんバンドに、感謝せずにはいられません。
スタート前には、最後まで声も、気力も、体力も保つかしらと心配したことが嘘のように歌うことができた一日でした。
お集まりいただいたみなさんからエネルギーをいただいたおかげと、心から御礼申し上げます!
ごきげんバンド、おすましで♪
海沼さんの掛け声で、羽目を外して〜♪
来年はピアノランド25周年ではありますが、みなさんのアンケートやメールに励まされて、「歌うことを諦めない樹原涼子で行こう!」という結論に達しました!
みなさま、どうぞ歌う樹原涼子も応援していただけましたら幸いです。
「ごきげんバンドでお招きいただけたら、どこへでも行こう!」と、一同、盛り上がっております。
年末のこんなに忙しい時期にご都合をつけてくださったみなさま、本当にありがとうございます。
お元気で、よい年をお迎えくださいませ!
追伸
いつもはピアノのことばかり書いているので、今回は歌のことを書きましたが、ピアノ曲集、来年出しますからね〜!
楽しみにお待ちくださいませ!
と、まだまだテンション高めの樹原涼子でした♪
夜の部のセットリストです。
※ゲーム『俺の屍を越えてゆけ2』の制作日誌に、私と孝之介のインタビューも掲載されています。