譜面地獄、許諾地獄だったそう!大成功のPRESS START
“時々日記”に書いておきたいことが多すぎる夏。
ゲーム音楽をフルオーケストラで楽しむ、ゲーム音楽の祭典“PRESS START”ファイナルに出演させていただきました。(2015年8月8日)
昔々、すぎやまこういちさんが「ドラゴンクエスト」をオーケストラで聴くコンサートを企画されていましたが、その後続々と生まれたゲーム音楽にも素晴らしいものが沢山あります。
それらを、ゲーム会社、レコード会社の垣根を越えてオーケストラで聴くコンサートができないかと、ゲーム業界で活躍される5人の方が企画されたのがPRESS START。第1回は2005年に開催されました。
それは、考えただけでとてつもなく大変なことだとわかりますが、インタビューの中でゲームデザイナーの桜井政博さんは「(楽曲の演奏許可をとる)許諾地獄」、作編曲家の酒井省吾さんは「譜面地獄」と仰って、本当にその通りだろうと、ゲームファンのために、ゲーム音楽発展のために尽くされたこの10年間の大変な日々を思いました。
池袋の芸術劇場(1999席)は昼夜2回とも超満員。
このおなじ場所で、私は2009年に「花」を歌い、ファイナルの今回はピアノコンチェルト形式で弾き語りで演奏するというチャンスに恵まれました。
夏の間はピアノランドフェスティバルツアーでピアノランド一色ですが、この日だけは“ゲーム「俺の屍を超えてゆけ」の「花」の樹原さん。
ゲーム本編の編曲者外山和彦さんの2009年のオーケストラアレンジを元に、イントロ〜バースはピアノと歌だけという、サントラCDのバンドバージョンとも、私のミニアルバム“The Four Seasons-spring-約束”のアレンジともまた違った、一度きりの豪華なサウンドとなりました。
竹本泰蔵さんの情熱的で繊細な指揮で、神奈川フィルの熱演は素晴らしく、本番でもオケと一体となってぐいぐいと曲の中に分け入って表現することができて、音楽家としてとても幸せなステージを経験させていただきました。
出演者一同の記念撮影。
「俺屍」の作者桝田省治さんもかけつけてくださって、「俺屍2」の音楽を担当した次男樹原孝之介と一緒に袖で記念撮影。
企画者のみなさんと舞台袖で。左から、「ファイナルファンタジー」のシナリオライター野島一成さん、「ファイナルファンタジー」作曲の植松伸夫さん、「MOTHER3」作曲の酒井省吾さん、右は「星のカービィ」のゲームデザイナー桜井政博さん、錚々たるメンバー!
夜の部のカーテンコールで、みなさまとともにスタンディングオベーションを受け、ゲーム音楽の仕事ができたことをとても嬉しく、誇りに思いました。
多くの人にとって、昔の映画音楽以上の意味を持つゲーム音楽。
「花」をゲーム主題歌にと言ってくださった桝田省治さんに改めて感謝します!
指揮の竹本泰蔵さん、神奈川フィルハーモニー管弦楽団のみなさま、リハーサルでもずっとお世話になった酒井省吾さん、本当にありがとうございました!
会場においでくださったゲーム音楽ファンのみなさま、関係者のみなさま、ありがとうございました!
※「花」の楽譜を探していらっしゃる方がいたそうですが、弾き語りバージョン、ピアノソロバージョン、ビギナーバージョンの3種類の編曲を楽しむことができる『“The Four Seasons” ベスト・セレクション』で、演奏を楽しんでいただけたら幸いです。