ピアノランドフェスティバル2015初日、名古屋公演ありがとうございました!
暑い中、沢山のご来場ありがとうございました! 名古屋公演、7月29日、楽しく終了しました♪
初日が終わると、それまでの長い間の苦労が形になって、本当に嬉しい気持ちです。
私を励ましつづけてくれた、全国のピアノ指導者のみなさんに、感謝の気持ちでいっぱいです。
名古屋公演を終えて、小原孝さん、ボランティアスタッフのみなさんと撮った大切な1枚です。
でも、この幸せは、“当たり前”のことではありません。
これまでの様々なことが、脳裏に甦ります。
前の年の夏には小原さんとスケジュールを合わせてホールを手配、冬の間に録音応募プロジェクトの詳細を企画して音楽之友社の担当者と打ち合わせをしながら募集要項を作成、それに合わせてプレ・セミナーの開催スケジュールを各地のお店と相談してチラシを作り、春までには小原孝さんとプログラムの相談をした上でピアノランドフェスティバルのチラシを作り、それから全国から集まった子ども達の録音をひたすら聴いて審査の日々がスタート。
子ども達の心に、どんな言葉なら真意が伝わるだろうかと悩みつつ、応募者全員に演奏や作曲に関するアドバイスを書き、公開レッスンの出演者を選び、5カ所分の審査とプレ・セミナーを併行させながら、公開レッスンからピアノランドフェスティバルに進む子ども達をさらに選び、そのコメントも書きながら、フェスティバルのリハーサルがやって来て、あっという間に本番が来る……!
という、書いているだけで恐ろしいですが、今年はさらに「樹原涼子と名器を巡る旅 樹原作品を弾く・聴く・学ぶ」という新たなシリーズを始めたものですから、スタッフの忙しさも頂点に達しました(汗)。
録音応募があるというのに、3月にはベヒシュタイン、6月にはShigeru Kawaiで開催、充実した勉強ができました。
そして11月にはベーゼンドルファーで行ないます(聴講受付中)。
もちろん、この他に、ピアノランドマスターコース、コード塾の講義、主催している勉強会約30クラス以上のお世話と講師研修、楽器店等のせミナー、コンサート、様々な原稿等も入るので、ピアノランドメイト事務局のスタッフはてんてこ舞い。
ですから、初日が無事に終わるということは、スタッフ全員にとって本当に有り難いことで、これまでの努力が報われる、その一歩でもあるのです。
彼女達の原動力は、「ピアノを愛するみなさんのお役に立ちたい」という真摯な気持ちだけ。
しかも、名古屋公演は昨年の夏の段階では開催できるかどうか分らない状態だったので、スタッフの喜びは一入(ひとしお)です。
名古屋のピアノランドメイト会員のみなさん、おいでいただいたみなさまに心から感謝申し上げます!
アイドルグループのコンサートとは違って、ピアノ教育という地味な分野でのコンサート。
しかも、ピアノ教材をメインとした、珍しいコンサートです。
よく考えたら、毎年開催できたことが奇跡と言ってもいいくらいです。
以前、小原さんが「バイエルのコンサート、というのはあり得ないから、コンサートができる曲ばかりで作られたピアノランドは凄いね! ピアノランドがなかったら、日本のピアノ教育はどうなっていたんだろう」と言ってくださったことは忘れられません。
その、小原さんとの出逢いは、ピアノランド出版の1991年、音楽之友社の担当者に奨められて家族で伺った「ねこふんじゃった」のセミナーで。
「ピアノランドの樹原さん? 僕、使ってるよ、ピアノランド」と仰ったのは社交辞令かと思いきや、「コロコロコロッケ〜パッパヤ〜♪」とハモリまでつけて歌われたことに感動。
「レコーディングする時は僕に言ってね!」と言われた通りに、小原さんとはそれ以来のおつきあいとなり、ピアノランドコンサートからフェスティバルに至る今日まで、大変お世話になっています。
そして感じるのは、ピアノランドの時代がやっと到来したのかな、ということです。
『ピアノランド』のポップなメロディや新しい和声感覚、リズム感が、時代とマッチしてきた!
当時は、オーギュメント、ディミニッシュなんて、という方もありましたし(ベートーベンもショパンも、みんな昔から使っているのですが……)、16ビートはもちろん8ビートにものれない人が多かったので、セミナーでは苦労しました。
ですが、継続は力なりとは本当ですね。先生達の意識、演奏力、指導力が劇的に向上して、「3巻以降の伴奏は難しくてお手上げなので、2巻までしか使えない」という方も減り、伴奏パートをステキに演奏できる先生方が増え、コードネームや作曲の指導までされる方まで♪
後に出版した『ピアノランドコンサート』上、中、下巻全曲も、小原さんとレコーディング、多くの方が発表会の選曲や演奏の参考に聴いてくださるようになりました♪
また、オーケストラパート付きのピアノのためのミュージックデータを日本で初めて制作した20年前は、生音の録音ではなく「データ」というだけで、子どもには聴かせてはいけないとかたくなに主張する人もいました。
音楽の上達のために、どういう理由でどのような練習をすればいいのかを考えることが大切で、その中にデジタル機器をどのように利用するか、という時代が来たのに……。
でも、それさえも、もう、過去のこととなりました。
やはり、ミュージックデータを使った効果の大きさに使いつづける人が圧倒的に多かったために、フロッピーディスクが消滅するときにはUSBメモリーとして生き残り、さらに今日、ダウンロードという形になった『ピアノランド』。
これも、データの編曲をしてくださった外山和彦さんのおかげでもあります。
当時、子どもを子どもだからと侮らず、レコーディングクオリティで教材のミュージックデータを制作してくれるアレンジャーは、他にいなかったと思います。
フロッピーディスクで15年、USBメモリーで5年という長期間に渡り、多くの方に愛されつづけてきたミュージックデータが、オントモ・ヴィレッジのサイトの「ピアノランドの広場」で、ダウンロードで購入できるようになったのも、ピアノランドを使いつづけているピアノの先生と子ども達からの圧倒的なリクエストが出版社にあったからと聞いています。
こんなにも愛されつづけてきたことに感謝を!と、今年のピアノランドフェスティバルでは、ミュージックデータをバックに何曲か演奏しています。
会場でオーケストラとピアノと歌の共演を聴いたみなさんは、大喜び。
既に使っている人にとっては当たり前でも、知らない人にとっては大発見!
「ピアノランドの広場」では、iPhoneやiPadを使って自宅でデータ練習できるアプリも紹介されていますから、どうぞ安心してダウンロードしてくださいね♪
さてさて、やっと名古屋公演の話です(笑)。
♪ピアノランドコーナーはいつにも増して客席の集中度が高く、楽しい曲はもちろんですが、「センチメンタル」や「ソナチネ」などの大人っぽい曲も大人気。会場の隅々まで、美しい音色に満たされました。
♪「爆笑レッスン」では、樹原先生が心臓マヒを起こしそうになるくらい小原くんが爆走して大変でした(汗)。
会場は大爆笑でしたが、大人の方からは「爆笑レッスンのコーナーの樹原先生と小原くんの掛け合いがとてもおもしろく、でも、脱力のコツが良く分りました」と、しっかり教育的な評価も★★★★★
♪小原さんのソロコーナーは、子ども達もマナーよくじっくり聴きました。
小原流の「トルコ行進曲」「Let it go〜ありのままで」とサプライズの1曲も♪(他の会場のみなさんも、お楽しみに!)
♪第二部。子ども達の出演コーナーでは、みな、公開レッスンのときよりもずっと素晴らしい演奏に。
連弾部門では、ノリノリの歯切れのいいリズム感が魅力の坂田朱唯斗くんの「明日はいい日だ!」。
作曲部門では、鍵盤の端から端までを使った表情豊かな「かわいいきらきらな はな」を披露した水谷心音さん。
「幸せいっぱい」という曲の弾き語りで、全身から溢れる喜びを表現した岩瀬千佳さん。
「小人の夜のパニック」を作曲した中村聡里さんは、小原孝さんに特別に演奏していただき、作曲者として登場。
「light flow」を作曲した土岐あさひさんは、昨年につづき、自己の世界観をピアノで表現、聴衆を惹きつけました。
本番中は撮影禁止なのでリハーサル時の写真です。(出演者の保護者の許可をいただいてアップしています)
本番での子ども達の堂々とした演奏に、大きな拍手が贈られました。
才能は、認められて、育まれていくことで大きく伸びていきます。
音楽を受け身ではなく、能動的に創っていく側に回る。そんな子ども達を育てるという壮大な夢は、もう、夢ではないのだと、感動しました。
録音応募プロジェクトに参加、ご協力いただいた先生方、保護者のみなさま、プレ・セミナーにおいでいただいた方にも、厚く御礼申し上げます。
子どもの5年、10年は凄いですね。きっと、作曲部門に参加した子ども達の中にも、あと10年もすると音楽を本職にしている子どもがいるかもしれない……とニンマリしつつ、次のコーナーは、『ピアノランド』発売時に1歳だった次男、樹原孝之介が登場、よく知られた童謡や名曲を、2つの対照的なリハーモナイズで楽しんでいただくコーナーへ。
7月25日に発売になった樹原孝之介編曲『ふたりで弾こう!ピアノびっくり箱』(アルソ出版)を、師である小原さんとの連弾でお聴きいただきました。
「キラキラ星」「別れの曲」アンコールに「メリーさんの羊」。
よく知られた曲だからこそ、斬新なリハーモナイズに衝撃が走ります。
小原さんから孝之介に、「家でのお母さんはどんな人?」「先生としての僕はどうだった?」等、爆笑インタビューもあり、袖でドキドキしていた私です。
♪そして、私の新曲を初演(タイトル未定)。名古屋のみなさんへの、ありったけの感謝をこめて演奏しました。
初演には珍しく緊張しなかったのは、きっとフェスティバルが開催できた“感謝”の思いが大きかったから。
来年には曲集が届けられるよう、秋以降、全身全霊で作曲していこうと心に誓いました。
♪小原孝さんと久々の『ラプソディ第1番』。
ピアノランドフェスティバルのために書き下ろした曲の再演なので、ちょっと同窓会のような気持ちで演奏したのですが、会場の方も覚えていらして、アンケートでも大好評。本当に嬉しかったです。
そしてアンコール3曲の余韻も名残惜しく、名古屋を後にしました。
音楽は、本当に人を幸せにするのですね。
小原孝さん、ご来場のみなさま、応援してくださったみなさま、ありがとうございました!
引き続き、8月7日の西宮、9日の熊本、21日の東京公演に、ぜひぜひお出かけくださいませ。
小原孝さんのビデオメッセージと本公演のプログラムは、7月25日の“時々日記”にあります!