ピアノランドフェスティバル東京、『耳を開く聴きとり術 コード編』先行発売! 最終公演、盛り上がりました♪

ピアノランドフェスティバル東京、『耳を開く聴きとり術 コード編』先行発売! 最終公演、盛り上がりました♪

 渋谷駅から5分の大和田さくらホールで、8月9日の東京公演も無事に終了いたしました! ご来場のみなさま、応援してくださったみなさま、ありがとうございました!
 響きのよいホールだったとアンケートの評判もよく、一安心。早速、来年もさくらホールでの開催が決定しました。「音楽の友」「ムジカノーヴァ」から記者、カメラマンもいらして、それぞれ10月号に掲載されます。どうぞそちらもお楽しみに!
 
 まず、フェスティバル前日に届いた、『耳を開く聴きとり術 コード編』(音楽之友社)をご覧ください。
 
耳を開く聴きとり術 コード編耳を開く聴きとり術 コード編

 

 表紙の水彩画は、ここ数年私のピアノ曲集の表紙を描いている本間ちひろさん、装丁は佐藤朝洋さん。美しいコードの響きが表紙からもきこえてきそうで、本当に幸せです。出版社、Amazonのホームページでは「表」しか見えないので、思わず裏表紙も写真を撮りましたが、ぜひ、実物の美しさを手に取ってご覧くださいね!
 

 『ピアノランド』の頃からいつもそうですが、表紙の中に、本の内容全てが凝縮されていること、中のイメージと一致していることを追求してきました。『耳を開く聴きとり術 コード編』は、コードの聴きとり、ドミナント・モーション(お辞儀をしたくなるコード進行)の聴きとりができるよう、幼児から大人まで使える不思議な本です。耳を開くことは心を開くことでもあり、“聴きとり術”によって音楽の聞こえ方が変わっていくと同時に、音楽そのもので心が満たされていくことを願って作りました。そんな願いが、この装丁からも伝わっていきそうで、とても嬉しいのです。
 

 フェスティバル会場のみの先行発売でしたが、8月末には店頭に並ぶとのこと。楽譜もたくさん入っていますが、今回は「書籍」に分類されますので、どの棚に置かれるのかな? 平積みだと嬉しいな〜。裏もステキだから裏もぜひ…(笑)。でも、“ニ段階導入法”でも使うので、まずは『ピアノランド』の横に…!
 
 
 恒例の“樹原先生と小原くんの爆笑レッスン”では、小学校1年生の小原くんに、その“聴きとり術”を教えました。
 「小原くん」はピアノの下から登場して、のっけから「先生、宿題がなかったから、1年間ピアノを弾きませんでした〜!」と会場を沸かせてくれます。「みんなで C のコードを静かに聴いてね!」と美しく演奏しているのに、「シー、シーッ、シーーーッ!」と邪魔をしたり、お辞儀のコードバリエーションではコード変化に応じた素晴らしい身のこなしで、正に会場は爆笑の渦。あ〜、動画をご覧にいれたいくらいです!
 このコーナーは、台本なしの全くのアドリブなので、会場ごとに雰囲気が変わります。アンケートには、「劇が面白かった」「漫才のコーナーはずっとつづけてください」とあって…、もう、役者になれるかもしれない…。
 

 あ、小原孝さん「ピアノレッスン、なう。」というお芝居で、本当に本当の役者として、12月に名古屋公演が予定されているのでした! 昨年、私も拝見しましたが、おススメです!
 

 その後、ピアニスト体操〜小原さんの“生弾き語りフォーユー”のコーナーへ。「エリーゼのために」上達のコツ、ショパンのノクターンのヴァリアント付きの超豪華な演奏、アンパンマンの歌詞に秘められた想い、あまちゃんのテーマ…と、小原さんのピアノの世界を堪能していただきました!
 

 そして、第2部。作曲で選ばれた4人の子ども達が登場すると、会場は驚きと感動に包まれました。
 特筆すべきは、選ばれた作品が、偶然にも全て「歌」であったこと。
 さらに、年長さんの2人は、ピアノランドの“二段階導入法”の第一段階で、まだピアノを弾かないで4つの柱に沿ったレッスンをしているところなので、ピアノを弾かずに作曲していること! 子ども達が歌ったものを、先生や親御さんが採譜して、さらに本人が一生懸命楽譜にして、録音と共に応募したのです。本番では、私が横で、レッスンのときと同じようにメロディを演奏しました。(あえて、伴奏という形での編曲はせず、作ったまま)
 5才から17才まで、それぞれの年齢にふさわしい、生きていることが嬉しくなるような作品ばかりで、このプロジェクトをつづけて来てよかったと、心底思いました。
 
 

1. 高橋 みなも(年長) 「ピクニック」(作詩/作曲:高橋 みなも)
 「ピクニック〜 ピクニック〜」という歌い出しが印象的! ピクニックの楽しさと喜びが自然に溢れてきた感じの曲で、歌詞とメロディの動き、リズムがよく合っています。イントロなしで、息を吸って私に合図を送ってくれたのもとても上手で、2番でもしっかり振り向いて合図ができて、すでにアンサンブルの基本を身につけていました。もうすぐピアノを弾き始めるのが楽しみです。
 

2. 米山 亜海(年長) 「だいすきな なつ」(作詩/作曲:米山 亜海)
 ヤマハ銀座店の公開レッスンでは1番のみでしたが、ピアノランドフェスティバルでは付け加えた2番まで歌いました。わらべ歌風の曲で、夏の大好きなもの、かき氷や花火などを盛り込み、躍動感に満ちた曲です。一字も一音も動かせない必然性のある歌詞とメロディ、しかも途中で転調しており、こんな曲はプロにはできないな〜、参ったな〜という素晴らしさでした。これからものびのびと、作曲してね!
 

3. 足立 菜々美(小5) 「カレーのうた」(作詩/作曲:足立 菜々美)
 表情のあるきれいな声で、弾き語りでの演奏。この歌を聴いたら、カレーを食べたくなる、作りたくなる! 人の気持ちを動かせる、素敵な曲になりました。カレーの作り方に沿って、歌詞とメロディがどんどん展開していきます。玉葱で涙するところで短調になったり、思いがけない転調をして突然終わるところなど、和声の動きをとても上手に、自然に操ることができました。拍手!
 

4. 佐治 万智子(高2) 「ここから」(作詩/作曲:佐治 万智子)
 「シンガーソングライターになりたい」と、公開レッスンで話していた通り、ライブで演奏を聴いているような気がしました。試験前の切羽詰まったとき、進路に悩む気持ちなどが曲になったそうです。「ここから」がスタートだという前向きなメッセージとまわりへの感謝を歌い上げ、胸を打つものがありました。人生折々の思いを自然に曲にして、歌い、演奏できるところが素晴らしいですね。これからが、楽しみです。
 
 

 作品発表に出演したのは、各会場合わせて13人。そのうち、歌での出演は東京の4人と熊本1人、計5人。「どどどど どーなつ」の頃から歌いながらピアノを弾いてきたのですから、ピアノランド育ちの子ども達にとっては、きっと自然なことなのですね。
 ピアノ曲においても、子ども達が使う和声の多彩さ、小節線なし、あるいは自然に拍子が変化していく、トーンクラスターやグリッサンドの使い方等、一昔前の子どもの作品とは一線を画しています。そして、いずれも音が美しい! 作曲そのものを教えたかどうかではなく、どのような曲でどのようにに育てていったかが大切なのだと、しみじみ思います。
 

 来年も、作曲作品の募集を行ないますので、今年応募しなかったみなさんも、どうぞチャレンジしてくださいね!
 

 
 第2部の後半は、「作曲する人生」と題して、これまで歩いて来た道を振り返る構成にしました。
 子ども達の作曲で「歌」がつづいたので、東京会場のみ『やさしいまなざし』からの1曲を「森を吹き渡る風」に変更、故郷九州の山々の景色を客席に届けて、私のルーツを辿る気持ちでスタート。
 そして、息子達が小学生のときに書いた「君は君のままで」を弾き語り、震災の年に作曲した『こころの小箱』から「いかないで」を次男樹原孝之介と連弾しました。
 さらに、その孝之介が作曲した、ゲーム「俺の屍を越えてゆけ2」主題歌「WILL」を彼の伴奏で歌い、プロの道を歩き始めたのだな、とちょっぴり感動して…。
 つづく“HARA HARA 倶楽部”のコーナーでは、小原孝さんの伴奏でゲーム前作の主題歌「花」をシャンソンのごとく歌い(ゴージャス過ぎる伴奏に、歌が変わるのです!)、小原さんの名曲「逢えてよかったね」を感謝をこめて演奏しました。
 

 父に捧げた曲集、我が子への歌、息子との連弾、彼の歌、花…アンコールは「願い〜震災を乗り越えて〜」で幕を閉じたとき、私は、今回のフェスティバルを終えただけではない、不思議な安堵感に包まれました。それは、多分、各地で演奏してくれた子ども達の楽曲と演奏のクオリティの高さに、やっと一安心したからかもしれません。ピアノランドを作るときからの苦労が、少しずつ、目に見える形で実り始めたことに、じわじわと感動しています。
 

 ですが、安心している場合ではありません! 『耳を開く聴きとり術 コード編』の使い方を広め、次の本にも取りかからなくてはなりません。でも、その前に、少しだけ羽を休めます♪
 

 今回、東京会場で手伝っていただいたみなさま、本当にありがとうございました!
 
2014-08-09-03
 

ピアノランドフェスティバル2014 東京
アンケートより抜粋

 

とてもすごくてあっとうされました。
 

(爆笑レッスンの)ききとりじゅつがとてもおもしろかったです。
 

「きらら〜きらら〜きらきらら〜」年長さんの歌(「だいすきななつ」)がMVPでした。ピアノを弾いたことがないのにマイナーの曲を作ってしまうのにびっくりしました。頭から離れません。
 

「ピクニック」を歌いながら帰りました。連れて行った子ども達は、お子さんの作った曲についてずっと話していました。
 

佐治万智子さんの作った「ここから」がすごかったです。
「花」というきょくが、「花、花」ってところが、つぼみから花がさくようなイメージがしました。
 

私は13年間、毎年きかせていただいています♪ “今”が一番よかった。
ずっと歌っていきたい♪心に響きました。
 

初めてのコンサートでしたが、年長の娘にも楽しめる、とても充実した内容でした。ピアノランド1を弾いている段階なので、ピアノランドの曲がいろいろ聴けてよかったです。
 

子どもたちの作品が、どの曲ももう一度聞きたくなる作品と演奏でした。
審査される先生は大変でしょうけれど、日常にうもれてしまったかもしれない作品や子どもたちの感性に光を当てる企画はすばらしいです♪
爆笑レッスンは、小原くんの Gm7 の感じ方がツボでした! 今度、生徒たちとやってみます♪
 

小原さんのノクターンヴァリアント付きは、5月の風をゼリーにしたように美しかったです。
 

小原先生の力強い“心 シン”のある音に感動し、高音のキレイな音に心がキラキラしました。
樹原くんの若い音楽性も新鮮でしたし、ピアノランド育ちの完成版!?を間近で見られまして嬉しかったです。
樹原先生のピアノだけではなく、今日は美しく意志のある歌声に感動しました。ありがとうございました。
 

いつものことながら、感動でいっぱいになりました。
ピアノランドのそれぞれの色合いの違う1曲1曲。
爆笑レッスンはおかしすぎました(すごく勉強になった!)
子どもさん達の素晴らしい作品。小原先生と涼子先生のすばらしい演奏。孝之介君のすてきすぎるWILL…音の宝石箱のようなコンサート。本当にありがとうございました。
 

樹原涼子
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