ピアノランドフェスティバル2023 その1 第一部を振り返って
8月3日(木)、渋谷駅近くの伝承ホールで、24回目のピアノランドフェスティバルを開催しました。
こんなに待っててくれたのね!
ありがとう! 本当に会場で開催できてよかった。
爆発するくらいのエネルギーを客席から感じました。
こんなにも喜んでもらえて、頑張ってよかった!
心からそう思えた、ピアノランドフェスティバルでした。
ご来場の皆様、ご協力くださった全ての方に感謝申し上げます!
詳しいレポートは、『ムジカノーヴァ』10月号や「ピアノランドメイト」で、クラシック音楽ファシリテーターの飯田有抄さんが書いてくださるのでとても楽しみです。ここでは、私、樹原涼子の心の内側にスポットを当てた内容を、コンサートの第一部と第二部の2回に分けて、書いていきます。
来年は25年目、地方公演を入れて70回目という大きな節目になるので、今年のフェスティバルについて自分の中でもしっかり整理しておきたいと思います。
ピアノランドフェスティバルの意味
2019、2020、2021年は、コロナ禍で、配信のみでの開催でした。コンサートの配信は多額の予算がかかるのでリスクを覚悟で制作する上、お客様がいない状態で演奏するので「レコーディングのようでもありコンサートのようでもあり、でもやっぱり、どちらでもない感じ」がします。もちろん、配信でも開催できたことはとても嬉しく、聴いてくださった方の感想を伺って感動したことは忘れられません。
ただ、「客席との交流によって作っていくステージ」ができない辛さは、多くの演奏家が感じてきたことでもあると思います。
特に、「ピアノランドフェスティバルは子ども達に生の極上のコンサートを生で、作曲者樹原涼子とピアニスト小原孝さんが本気で届ける」ことを理想に掲げているので、そのもどかしさは大きいものでした。
それがとうとう4年ぶりに生で開催できることになり、準備段階から相当テンションが高かったことは言うまでもありません。ピアノランドのコーナーでの、小原さんと私の笑顔を見ると、その喜びが溢れているのがよくわかります。子ども達が夢中になって聴いてくれている、音のしっぽまで聞いてから拍手をしてくれる喜びに、4年間の苦労は無駄ではなかったと心から思えました。
ステージ写真は全て、@ヒダキトモコさん
昨年秋には『ピアノランドプラス 四季のうた』、今年春には『ピアノランドプラス だいすき くまモン』という2冊を音楽之友社から発売したので、前半はそれらを中心に皆さんにお披露目するための構成です。そのためにくまモンも来てくれるのですから、出演者もお客様もワクワク。
特に後者の楽譜は、私が熊本生まれであること、くまもとで、まってる。のショートムービーでピアノを弾いたご縁もあり、くまモンとのコラボ作品となりました。楽譜を作るところから熊本県のくまモンチームと相談しながら完成しました。
3月に編集の山本さんと熊本県庁に打ち合わせに行ったら、なんとくまモンも来てくれました〜!
タイトル曲の「だいすき くまモン」は、モダンダンスの木原浩太さんに振り付けをしてもらい、くまモンの練習期間を経て熊本で一度共演して、東京のフェスティバルでいよいよお披露目をするという長い準備期間があってここまできました。
「だいすき くまモン」のダンスは、会場の子ども達が大喜びで覚えてくれました!
「総合芸術」として伝える、最強のメンバー
私は、音楽を「総合芸術」として捉えて表現していくことを大切にしています。
ピアニスト「小原孝」がいたから始まった ピアノランドフェスティバル
唯一無二のピアニスト小原孝さんに子ども用の教材を弾いていただくのは、ピアノランドは単なる練習曲ではない、と思って作曲してきたから。子ども達が家で弾いているあの曲が、小原さんの手にかかると芸術作品として輝きを放つ! その感動を味わうことで、子ども達のモチベーションは上がっていくはず。音楽の見方、感じ方、センス、全てに良い影響があることを願って、小原孝さんとの連弾でスタートしたピアノランドフェスティバル。
楽譜を出版するときにはよい楽曲を書くだけでは不十分で、優れた曲集には必ずと言っていいほど優れたパッケージがセットになっている(CDや書籍もそうですよね!)と思うのです。
フサコさんの絵があると、それはもう、ミュージカル!
今回のイラストと装丁は、2019年から私の作品を担当してくれているトナカイフサコさん。本作では、作品の世界観のすり合わせからじっくり取り組んだので、音楽との一体感が素晴らしい。絵としてのクオリティも高く、楽譜部分と一体化した作品にしてほしいという願いも叶えてくれました。当日は大阪から駆けつけサイン会に参加してくれて、子ども達は大喜び! 一人ひとりに次々といろんなイラストを描いていく手元は、魔法のようでした。
手前から、クリステルさん、樹原孝之介、トナカイフサコさん。サイン会にて。
『だいすき くまモン』を英語で歌って踊ったよ!
そして、私が子どものために書いた歌詞付きの作品は、全て、歌として素敵な英訳をつけたい、という夢を叶えてくれたのがクリステル・チアリさん。NHKの「えいごであそぼ!」の4代目お姉さんとしての経験や、お父様のクロード・チアリさんとのレコーディングで培った実力とセンスは抜群で、それらはDVD「えいごでピアノランド」の中に結実しています。
今年は新作『ピアノランドプラス だいすき くまモン』から6曲を生で歌っていただきました。彼女のモットーは、「1シラブル1ノート」で日本語の歌詞世界を生かすこと。耳に心地よく歌いやすい英詞は本当に見事で、「だいすき くまモン」「オバケのあかちゃん」「おきあがりこぼし」など、大きな拍手に包まれました。
写真は、「オバケのあかちゃん」のラストのポーズ!
ピアノランド育ちだから、痒いところに手が届くオーケストラ伴奏音源
また、ピアノランドのミュージックデータ(伴奏音源)は、アプリ無しで聴けるmp3でダウンロード販売中で大好評ですが、ピアノランドプラスシリーズも伴奏音源が発売予定です。その編曲と音源制作は、ゲーム「俺屍2」「桃鉄令和」や今秋発売の「桃鉄ワールド」、ミュージカル「おどり村と妖の森」などの音楽を手がける樹原孝之介。フェスティバルでは「夏のひまわりさん」と「だいすき くまモン」の伴奏音源に合わせて、出演者全員で演奏、くまモンが踊って、大変な盛り上がりでした。
ピアノランド育ちで現在活躍中の若い感覚が、プラスシリーズを演奏する子ども達の感性にフィットするのではと、発売が楽しみです。年内にはいくつかをお届けできるはずで、先行して『ムジカノーヴァ』の「ピアノランドプラスでセンスを磨こう!」の連載の中で、QRコードから演奏をお聴きいただくことができます。
写真は、「夏のひまわりさん」を、mp3の伴奏音源とピアノと歌、みんなでクラップ👏
「樹原先生と小原くんの 爆笑レッスン」復活!
小原さんが小学校1年生に扮して私のレッスンを受ける、フェスティバルの名物コーナー。
でも、これは配信ではどうしてもできなくて、復活が待たれていたコーナーでした。
全くのアドリブなので、レッスンする曲だけ決めてスタート。今年は、「だいすき くまモン」を弾くことにして、一体どんな結末になるのか私たちもわからないまま爆笑レッスンが始まりました。
「時間さえあれば、30分だってレッスンできるんだけれど」と言うと皆さん驚かれるのですが、本当に小原さんも私も、その場の流れを楽しんで作っていくコーナーです。
アンケートには、「コント、面白かったです!」と書いてあったりして、「コ、コント!?」とショックを受けるのですが、やはり、コントかもしれません……。
今年はなんと、このコーナーにもくまモンが押しかけてきて……! 後は、配信でご覧くださいね。
ピアノランドフェスティバルとは何なのか、今年の第一部ではどんなことがあったのかを、私の主観でまとめました。「子ども向きのようでいて子どもだけに向けたコンサートではないこと」は、ご来場の保護者の皆さまや先生方にも、音楽を通して伝わったのではと思います。
次回は、第二部を振り返って
次は、小原孝さんのソロコーナー、Liokoの部屋、アンコールなどについて私の想いを書いていきます。また、ヒダキトモコさんの写真と一緒に。
そして、会場で生をお聞きになった方もなれなかった方も、配信でお楽しみいただければ幸いです。
下記は、配信のご案内です。
2023年 8月 24日(木)
8/24より配信開始!ピアノランドフェスティバル2023 vol.24
あの感動を、あなたのお部屋でも!
アーカイブ配信(2023年9月30日まで 何回もご覧になれます)
▶︎お問合せ ピアノランドメイト事務局
TEL:03-5742-7542
plf2023@pianoland.co.jp
♪樹原涼子の8月のスケジュール♪
2023年 8月 11日(金)
【福岡】夏休み! セミナー & レクチャーコンサート & 連弾パーティー!
10:00~12:00 先生のための『ピアノランド こどものスケール・ブック』セミナー
14:00~16:10 親子で聴こう!『ピアノランド+ だいすき くまモン』レクチャーコンサート&作曲者と一緒に弾く「連弾パーティー」
090-4510-1665 (菊池)
carine.ongaku@gmail.com