新刊『ピアノランド こどものスケール・ブック』発売記念セミナー終わりました!

新刊『ピアノランド こどものスケール・ブック』発売記念セミナー終わりました!

2021年2月24日、忘れられないセミナーとなりました

これまで、数えきれないセミナーを開催してきましたが、
その中でも一入嬉しいセミナーでした。

それはもちろん、『ピアノランド こどものスケール・ブック』を書けたことが
私にとってとても大きな意味があったから。

やっと今だから書けたテキストであり、今だから伝え切れたと思えるセミナーとなったから。

5年前でも、この本は書けなかったなぁと思います。

 

 

『ピアノランド こどものスケール・ブック』の前身は、
『ピアノランド スケール・モード・アルペジオ』というテキストです。

 

 

「スケール」とは音楽の「物差し」のこと

ピタゴラスが音階を発見してから様々なスケールが編み出されて今に至りますが、
私たちは、作曲家が音楽の素材として大切に扱っている「スケール」を
とても乱暴に扱っていないでしょうか?

スケールと言えば「指慣らし」と思う方がまだまだ多いとは思うのですが、
「スケールは長いことかかって育んできた音楽文化なので、大切に扱ってね♡」と
言わなければと思い、さらに……

ホルショフスキーのスケール演奏のあまりの美しさにショックを受けた私は、
大人のために『ピアノランド スケール・モード・アルペジオ』を書きました。

2016年の発表以来好評をいただき、すでに6刷。
3つの短調それぞれに美しいカデンツを与えたり、
コードをほぐしたのがアルペジオだから、
コードを知らないとアルペジオ練習の意味がなことも伝わったかな。
あまりスポットの当たることのなかった「モード」についても詳細に書き、
84種類を網羅したことでも話題となったものの、
子ども用として使うのにはちょっと難しいところもあったかもしれません。

 

そんなある日のことです。

 

2,3年前の「レッツブレイ♪ピアノランド」で各地の子ども達に同じ質問をしました。

 

「調はいくつあるかな? 長調と短調は、合わせていくつ?」

あれ?
誰も知らない?

「5」「7」「10」「12」「30」「50」……

子ども達は、まるでクイズみたいに当てずっぽうに手を挙げるので、
「惜しい!」と言いながら続けましたが、
全24調、と答えられた子どもはどの地域にも、一人もいませんでした。

 

(カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」にて 初めの挨拶)

 

調性とは何か、いくつ調があるのか知らないまま、
多分ハノンを順番に弾いているのかな?
先生たちはスケールをどうやって教えているのかな?
調性音楽以外のスケールは教えていないのかな?

私は子どもの頃どうだったのだろう?
全24調というのをいつ知ったのだろう?

 

もしも途中でピアノを辞めたとしたら
どこまで習ったのか、それにどんな意味があったのかを知らないまま、
スケールを弾いたことなど忘れてしまうのかな?

 

それでは寂しい。寂し過ぎる。
私がずっと前からレッスンで教えてきたやり方をいつか紹介できたら……。

 

そこで、この『ピアノランド こどものスケール・ブック』を書くことにしたのです。

 

セミナーでは、子どもに教えているところを見ていただこう!

 

テキストの使い方を説明するだけなら、その意義はわかっても、
実際に子どもにどう伝えるのかわかりにくいかもしれない、と思ったので、

樹原孝之介に子どもの役をやってもらい、
私がどんなふうに伝えていくかをご覧いただきました。

 

 

脱力した手で、手のフォームを作る方法も、以前より上手に解説できたかも。

 

 

セミナーの内容そのものをレポートはとても無理なので、
レジメの一部を抜粋します。この本の構成を説明しています。

指だけ動かすのではなく、一つ一つのスケールの意味を理解して、
その繋がりや世界観を十分に味わってから、
タッチのこと、速く動かすコツ、指づかいのことなどを学びます。

知識と実践のバランスが大事です。

 

知識

 Lesson1 スケール(音階)って何?

 Lesson2 ドレミファソラシドの研究

 Lesson3 五度圏を弾こう!「テトラコード祭り」

 

弾き方

 Lesson4 つやつやの音でスケールを弾くには

 Lesson5 指を自由に、速く動かすには

 Lesson6 スケールの指づかいとポジション移動 

 

知識+弾き方の実践 調性音楽の大切な話

 Lesson7 全24調 その1 ハ長調とイ短調は平行調

 

Episodo1 大切な、各音のミッション

Episodo2 同じメロディがスケールで大変身

Episodo3 #と♭がついていく「しくみ」は?  

 

知識+弾き方の実践 調性以外のスケールについて

 Lesson8 五音音階 ペンタトニックスケール

 Lesson9 半音階 クロマティックスケール

 Lesson10 全音音階 ホールトーンスケール

 Lesson11 モードの不思議な響き       

 

ハ長調・イ短調以外のスケールを5度圏に沿ってマスター!

 Lesson12 全24調 その2~12

 

スケールとは何かを知り、その種類を知り、弾き方を知り、

実践しながら音楽の世界の広さ、深さ、魅力を実感できるように。

楽曲の中でも、即興するときにも、作曲するときにも、すぐに役立つように。

 

 

 

1の指で支えながら、かぶせる、くぐらせる動きをマスターさせるために、
テキストのイラストで解説している動きを、
子どもの手を使ってどうするか実演中です。

 

 

セミナー後自宅に辿り着いたら、
今回はアンケート用紙を配布しなかったので、
メールによる感想がどんどん届き始めました。

「 Episodo2 同じメロディがスケールで大変身がとても感動した、ツボでした」
という方もあって、苦労してメロディを書いた甲斐がありました。
長調のメロディに「青い空のかなたに 何がある?」という歌詞をつけ、
それを3種類の短調に変身させると、どのように雰囲気が変わるか?

一つずつ、青い空の向こうに見えたものをイメージして書いていただくと、
驚くほどスケールの違いを感じていただけたようです。

そうして感じたことを書き留めて忘れなければ、
演奏するときに「意味のある第○音」を演奏できるようになるのです。

孝之介が持っているのは、当日のプレゼント、
トナカイフサコさんが特別にカラーにしてくれた
「各音のミッション」のキャラクターイラストです。

 

 

 

配信セミナーをご覧の方には、イラストダウンロードのプレゼントが付くそうです。

 

途中、空気を入れ替えながら、客席とはかなりの距離をとりつつ
慎重にセミナーを進めました。

予定の2時間はあっという間でしたが、予定したことは全てお伝えできて、
自分なりに満足できるセミナーとなりました。

 

 

手の形が崩れてくる子どもへの指導法の質問が届いていたので、
じっくり説明しました。
バレリーナの身体も一朝一夕にできるのではなく、
ピアノを弾く手も、何年もかかって目的に応じて育てていくものです。

ただ、その目標とすべきものが何であるかが大事ですね。

 

 

まとめとして、
「リベラルアーツとしての音楽」という言葉を使いました。

演奏には、弾く人の理解が反映されるのですから、指だけ動かして演奏した気にならないこと。

ピアノを学んだことで、5度圏という音楽の宇宙に触れ、
調性とは何か、という音楽の深淵な魅力に出逢うように教えていくために、
『ピアノランド こどものスケール・ブック』をお使いください。

そして、調性音楽以外で使うスケールにも親しむことで、近現代、未来への扉も開くでしょう。

読む、書き込む、考える、弾く、比較する、繫げる、感じる、味わう、等々、
これまでのスケール教育と何が違うのか、
深くご理解いただけたことが本当に嬉しい。

この本を使うことで、作曲家との出逢いがもっと刺激的で面白いものになるはず。

曲を作ってみたり、即興演奏することが当たり前のようになる子も出てくるでしょう。

教えている先生方の教育観が変化するかもしれません。

 

そんな未来が待っている気がします。
頑張ろう。

 

 

3月上旬から、セミナー配信がスタートします!

すでに、170名ほどのお申し込みがあるそうです。
webからのお申し込みはこちら
電話やメールは↓

カワイ表参道
電話:03-3409-2511
メール 担当 甘利:amarisi@kawai.co.jp

 

セミナーの最後に、音楽之友社の宍戸さんから、
ピアノランド30周年イベントの、ピアノランド人気曲投票と動画応募に
たくさんの応募をいただいた御礼の挨拶がありました。

30周年をお祝いしてくださる皆さんの温かいお気持ちが嬉しかったです。
応募くださった皆様、ありがとうございます!

セミナー終了後にサイン会ができず、とても残念でしたが、
感想メールを沢山いただいているので、嬉しい💖

 

こちらは、終演後にスタッフの皆さんと記念に撮影しました。
左から、樹原孝之介、樹原涼子スタジオの梶、音楽之友社編集担当の山本さん、
私の右は、カワイ表参道セミナー担当の甘利さん、音楽之友社営業の宍戸さん。
色々とお世話になりまして、ありがとうございました!

 

 

【追加情報です!】

3月1日から毎日、ベスト10からのカウントダウン発表があり、
ピアノランドの誕生日3月10日に第1位が発表されるそうです。
動画の方は、音楽之友社楽譜課のfacebookページで平日、毎日、1曲ずつ、順次発表していくそうです。
(一度にアップできる件数ではなく、数ヶ月かけての発表)
3月10日に立ち上がる音楽之友社楽譜課 特設ページでアーカイブして、
動画リンクを紹介していくことになりそう、とのこと。

 

こちらは、
『音楽の友』3月号(CD「やさしいまなざし」のピアニスト鳥越由美さんとの対談掲載)
『ムジカノーヴァ』3月号(マスタークラスの連載中、スケールについて書いています!)
2冊を持ってパチリ。

 

 

1階の楽譜売り場で、いつもお世話になっている中條さんとパチリ。

 

 

セミナーが終わってホッとした表情の孝之介と私。
秘書にもらったゴージャスなマスクでちょっと嬉しい(笑)

皆様、どうぞお元気でお過ごしください!
『ピアノランド こどものスケール・ブック』に興味のある方は、
配信でセミナーでお会いしましょう❣️

 

 

『ピアノランド こどものスケール・ブック』に関する私の思いはこちらにも書いています。

ピアノランドシリーズを書き続けてきエピソード諸々はこちらのnoteに、熱く書き綴りました。

最近始めたClubhouseについては、スケジュール欄に随時アップしていきます。

 

2021年 2月 28日(日)で配信終了です!

配信 セミナー 2月末まで『即興演奏 12のとびら』を使い倒して、レベルアップしていくために!

【セミナー】 成果を報告!新たな提案『即興演奏 12のとびら 〜音楽をつくってみよう〜』2

ピアノランドメイト事務局
03-5742-7542
info1@pianoland.co.jp
樹原涼子
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