コロナ禍の4ヶ月〜2月から6月の出来事

コロナ禍の4ヶ月〜2月から6月の出来事

コロナ禍を駆け抜けたこの4ヶ月、皆さんはどのようにお過ごしでしたか?

 

6月も半ばになり少しずつ対面での仕事が復活してきました。
この怒涛のような4ヶ月間を、自分の書いた日記等を見ながら、
振り返ってみることにしました。

何しろ、生まれて初めて、感染症で世界中が大騒ぎになり、
人口当たりの罹患率は日本では極端に少ないとはいえ、
東京ではまだ新規の感染者が出ています。
幸い、家族も友人も感染することなく無事に過ごしていますが、
この激動の数ヶ月を忘れないでおかなくては、と思いました。

 

私の2月の“時々日記”から記事を拾っていると、
3月頃からの、日記に書けなかった苦しい思いが蘇ってきます。

星野源さんのコラボ映像に励まされたり、
webの中での音楽家、バレエや演劇、文学、美術方面の方々の
いつもだったら接点がなかったかもしれない素晴らしい作品にも出逢い、
医療や政治、各国のニュースにも注意を払い、考え、
家の中だけで生きていくのに必死だった3ヶ月。

なぜあれほどまでにダメージが大きかったのだろうと
少し自由に動けるようになった今は思いますが、
GW中にはどっと心身ともに疲れてしまい、
あの、何もできない、何もしたくない虚脱感は
今までに経験したことがない種類のものでした。

思ったほどには自分が強くないことがわかって
少し安心もしました。
そんなに頑張らなくていいんだと、
自分に言うことができるようになってよかったとも思います。

 

 

多くの人が、自分の責任ではない出来事の結果を、
経済的なことも含めて個人で引き受けなくてはならない生活は、
若い人や余裕のない人にとってどんなに過酷なことか。

身一つでも大変だというのに、
病気だったり、誰かを看病、介護していたり、子育て中だったり、
大きなハンディのある人たちは……
また、大事な人と会えなくなってしまった辛さを抱えた
多くの人のことを思います。

私もまた、熊本の母に4ヶ月面会ができない日を送っています。
昨日、妹が15分だけ面会できたと写真を送ってきたときには
ちょっと涙が出ました。

 

誰もがいつもより大変さを背負っているから、
まだまだ当分の間、他人にも、自分にも、
もっとやさしくできたらいいなと思います。

イライラした時には、「疲れたんだね」「悲しいんだね」と、
「大変だったね」「よく頑張ってるね」と、
自分の名前を呼んで、
自分を抱きしめてあげてください。

引きこもった生活に慣れるのに時間がかかりましたが、
また、そこから出ていくのにも時間がかかる人もいます。

そんなことを言いたくて、書き始めたのかな、私。

 

さっき書き上げたこの後の記事は
私の備忘録です。

お時間のある方はよかったら。

 

 

これは、6/5の表参道の美しい並木道。

 

 

 

2/7

青柳いづみこ先生との対談です! 進化します、ピアノランドメイト

ピアニストであり作家でもいらっしゃる青柳いづみこ先生をインタビュー、
ピアノランドメイトvol.108からその連載をスタートする予告をしています。
まだ、コロナの私の生活への影響は微塵も感じられない時期でした。
数週間後にはキャンセルとなる、3月の3連休に開催できるはずの
「レッツプレイ♪ピアノランド」ツアーも、とても楽しみにしていました。
対談はもちろん大好評、vol.110に続く予定です。

 

 

 

2/10

ふるさと熊本は熱い!『即興演奏 12のとびら』セミナー

昨秋の東京、大阪、名古屋につづいての新刊セミナーを故郷で開催、
イラストのトナカイフサコさん(右端)を迎えて、
熊本の皆さんと絶好調の様子を写真でセルフレポートしています。
もう、この楽しげな、屈託無い笑顔は本当に貴重です。
終演後にはみんなで食事会も普通に開催できていました。

 

 

 

そして、約1ヶ月日記が更新されていない間に(日記を書く余裕もありませんでした)、徐々にコロナが広まってきたことが伺えます。

2月後半、講師を派遣している勉強会が4ヶ所中止となったのを皮切りに、3月は楽しみにしていた広島、倉敷、津山の「レッツプレイ♪ピアノランド」が延期、22ヶ所の勉強会が中止(延期)、となりました。
それまで、半年1年、それ以上かけて練り上げてきたイベントやコンサート全ての準備が水の泡となるのは本当に辛いものでしたが、人の命には替えることはできません。

このとき、私が講義するマスタークラスには遠方の方のためにDVD受講制度を作っていたこともあり、急遽、通常受講の人も含めて講義を録画したDVDを送ることにできたのが幸いでした。

「そうだ、私にはこの方法があった!」と思いついてからは、3月のキャンセルの嵐の中、4月からは講師の仕事を確保するために! そして、勉強をつづけたい受講生のために!(特に、新刊『即興演奏 12のとびら』は、どうしても休まないでと相次いてリクエストが) と必死になって、全てのクラスをリモート化する準備に奔走しました。

そんな中、下記のイベントは万全の体制を整えていただき、奇蹟的に開催が叶いました。

 

 

3/8

作曲家談話室2 ありがとうございました!

作曲家の春畑セロリさん、轟千尋さんと私の3人で、昨春から立ち上げた作曲家談話室に、ゲストの小原孝さんが登場、コロナで何もかもが自粛となる直前の隙を突くように開催できてお客様にとって至福の時間となったことは幸いでした。
ここから、ムジカノーヴァ8月号に素敵な連載がスタートすることになりました。

 

 

 

3/13

どうして、「えいごでピアノランド」を作ろうと思ったのか

誰とも会えない、辛い自粛生活の中で、私は悶々と考えていました。
こんな時期に発売となる、かわいそうなDVD「えいごでピアノランド」
この子の誕生は、コロナで楽器店も閉まっていて、Amazonも生活必需品優先で取り扱いなし、いったいどうやってみなさんの元に届けたらいいのだろう……。

悩みつつ、なぜ、英語でピアノランドを作ろうと思ったのかを伝えようと、必要だと願い続けた理由、制作動機を書くことにしました。
何もしないという選択肢はありません。
少しでもできることを……と。

 

その動機を持ち続け、やっと巡り会えた、翻訳者クリステルチアリさんと、連弾パートナー樹原孝之介と(昨年の撮影直後の写真です)。

 

 

3/14

リモートレッスン、スタートされましたか?

リモート勉強会の準備をしながら、各地で不安に押しつぶされそうなピアノの先生方の声を聞いて、教えることを諦めないで……と、リモートレッスンについて記事を書き始めました。

通常レッスンを続けるにあたっての注意点と、リモートレッスンを始めるのならこんな考え方で!と身近なアプリと方法を紹介しました。
この反響があまりにも大きく、私は2週間ごとに記事を書くことになっていきます。

 

 

 

3/29

リモートレッスン2 皆さんの様子とこれから

レッスンができないという絶望感から立ち直って、少しずつリモートレッスンを始めたいという人が増えてきたので、私も頑張らざるを得なくなりました。

ピアノの先生方の現状を分析、「休む」「対面レッスン」「リモートレッスン双方向型」「リモートレッスン時間差往復型」に分けて解説、提案しています。

 

 

 

4/5

リモートレッスン3 オンラインはリモートの一部、問題は、その中身です

ここでは、リモート(遠隔の)レッスンにもいろいろ方法があって、同時双方向のオンラインレッスンと、同時ではなくても成果が上がる録音、録画のやり取りなどについて紹介。
弾かせるだけじゃないレッスンの提案、宿題のヒントが好評でした。
みなさんから届くレポートも増え始めます。

連載をまとめるのがどんどん大変になっていくのですが、何か使命感のようなものを感じて、頑張りました。

 

 

 

4/14

リモートレッスン4 オンラインと録音録画の組み合わせで

みなさんからの報告が相次ぎ、レポートとQ&A特集となりました。
樹原涼子の仕事でのリモート方法、ピアノランドスクールでの使い方も紹介。

オンラインと録音録画の組み合わせで効果を上げる人が増えてきて、廃業しなくてよかったとお礼メールが沢山届くようになりました。
連載、やめるにやめられない感じになってきました……。

そして、リモート勉強会が各地で次々にスタートして、事務所はとんでもない忙しさになりました。
受講生は、慣れない録音録画提出に戸惑う人と喜ぶ人がいて、講師陣もリモートでの講評、アドバイスに苦労するのを励ましつつ、私も全ての提出物に目(と耳)を通して総評を描く毎日でした。

 

 

 

4/24

リモートレッスン5 軌道に乗ってきましたね

リモートレッスンの長所、短所を理解して使いこなしていく時期になりました。
こんなときは、ノウハウばかりではなく、本質的なことも考えなくてはと、あれこれ書いています。
そして、みなさんの体験談。

いつまでつづくのかなと思いながら、頑張っているみなさんの緊張感が伝わってくる時期でした。

この時期に、『風 巡る』勉強会のために、春日保人さんと「僕の故郷」のリモートでのコラボ演奏を制作して5月にアップしています。
大学の講義もリモートになって大変だと伺いました。

 

 

 

 

5/3

DVD「えいごでピアノランド」どこで買えるの?

4月末にいよいよDVD「えいごでピアノランド」が発売になり、どこで買えばいいのか問い合わせが殺到しました。
皆さん、こんな時期に購入してくださって本当にありがとうございました。

担当者の、この作品に対する愛情溢れる言葉も紹介しました。
こうして形になって届けられるまでには、関係者のみなさんの膨大な工夫、努力があり、その一つ一つの過程に感謝せずにはいられません。
この可愛いデザインは、『即興演奏 12のとびら 音楽をつくってみよう』で初仕事となったトナカイフサコさんです。

 

 

 

5/15

リモートレッスン6 コロナで変わったレッスン

コロナ騒ぎの渦中で頑張ってきたけれど、この辺りで疲れが出て来た人も多くなりました。
私はGW中にしばし倒れ込んでいましたが、中旬にはゆるゆると復活。

先が見えない中での努力には限りがあることも感じ、休むことの大切さや、生きてるだけで素晴らしい!という発見もあった時期です。

あっ。
GW明けに、『ラプソディ第2番』のソロ版の編曲を上げて送信しているので、そうでした、本業も頑張っていたのでした。

 

記事では、戸惑いつつも前へ進む先生方のレポートを沢山紹介しています。
中止となった発表会の代わりにと、YouTubeでの限定公開で発表会を開催した方も。
皆さんがどんなにレッスンを大切に思っているか、生徒さんへのあたたかな眼差し、ピアノへの愛の深さを感じて、共感した3ヶ月でした。

こうしてリモートレッスンの記事を書きながら、私自身はリモート勉強会のために3ヶ月で20本近くのDVD講義を撮影、自粛期間はいつも以上に大変なことに……。
過去の講義DVDも編集して送付したクラスも沢山あります。
スタッフはすっかり編集上手になりましたし、沢山の課題提出(音源、映像、書類)をクラスごとに整理して講師陣や私とやりとりしてまとめて発送する作業に追われました。

 

 

 

 

この後の1ヶ月は、日記を書く余裕のない怒涛のような日々でしたが、写真をかき集めてまとめておきたいと思います。

5/19 初めての動画配信セミナーを無観客で撮影、編集作業に入りました。
(セミナー公開は5月末〜6月末日まで延長して公開されます。6/16にお知らせをアップ↓)

自粛期間が終わりに近づき、今度は、各地でのリモート勉強会を対面に切り替えていくための準備や、4月5月の受講生からの宿題の総評や講評を書いたり、原稿を書いたりの日々が続きます。
変更になった様々なイベントやコンサートの手当てなど、気を遣う仕事が多いので、息抜きにお菓子作りをして心のバランスを保つ……。

 

 

 

6/4 マスタークラス 4ヶ月ぶり、ソーシャルディスタンスを保つ為、カワイ表参道にて開催。

いつもの会場では「密」になってしまうので、会場を変更して
久しぶりに顔を合わせて、生の音でペダリングについての講義をたっぷりと。
ソステヌートペダルのための書き下ろし練習曲、我ながら気に入っています。
もちろん、参加できたのは数人、おいでになれない方はDVD受講で。

午後は、ホールの後ろに座って、マイクを使っての公開レッスン。
客席での響きを聴いて細部まで磨くレッスンの大切さを
改めて感じました。

 

ステージからパチリ。

 

 

 

6/5 コード塾 同じく、4ヶ月ぶりに生で開催しました。

コード塾では、五度圏の右回りと左回りを“聴きとり術”の課題と絡めて学んだり、
diminished chordの曲中での使い方他。

二日間とも、生の音に包まれて幸せな皆さんの表情が嬉しい。
早く、通常での開催が可能になればいいなぁ……。

二日間、会場をお借りできて本当に助かりました。
調律したてのShigeru Kawaiで勉強できて、
久しぶりに夢のような時間を満喫しました。

 

 

 

6/16

クリステル・チアリさんとのセミナー6月30日まで公開期間延長、見てね!

そのときの精一杯って、とても大事だと思います。
あとで後悔したくないからベストを尽くす。
そんな、クリスと孝之介と私のセミナー(5/19)でした。

きっと、何年もたったら懐かしく思い出すのだろうと思います。
このセミナーがあったから、きっと次のDVD第二弾も……と信じて
コツコツ頑張ります。

 

 

6/17

ここ数ヶ月の集大成として、動画でピアノランドメイトを製作中。

自粛期間がなければ、いつものように16pのピアノランドメイト(ピアノの先生を中心とするピアノ好きさんのサークルのようなもので、年4回の季刊誌を発行)を作っていたことでしょう。
今回、1時間半近くもある、番組みたいな動画を作ってしまいました。
ご覧になるのも大変かもしれませんが、ミニセミナーがあちこちにあるので楽しんでいただけると思います。

 

この期間、一緒に頑張ってくれたピアノランドメイト事務局スタッフに、心から感謝します。
そして、一緒に勉強会受講生の演奏へのアドバイスを地道に続けてくれた講師陣のおかげで、みんなも頑張ることができました。
たくさんのお礼状が届いています。本当にありがとうございました!

 

そして、この4ヶ月間、一緒に勉強をつづけてくれたピアノの先生方、webの記事を読んでくださった皆様、どうもありがとうございました。
多くのフィードバックがあったからこそ、倒れないで前に進むことができました。
お子さんとDVD「えいごでピアノランド」を見ながら楽しんでいる写真や動画、感想も数え切れないほどいただいて感謝の気持ちでいっぱいです。

これから、少しずつ良い状況に向かっていくことを祈りつつ。
それでは、みなさんお元気で!

 

 

 

樹原涼子
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