「上杉春雄さんと“美”を探る!」深く、濃い時間でした!
とても久しぶりに思い立って、ピアノランドメイト会員のためのセミナーを企画。
私自身が学びたい、そして、会員のみなさんも一緒に、深く深く学んで欲しい!と、「上杉春雄さんと“美”を探る!」というテーマで、五反田のG-call サロンに上杉春雄さんをお招きしました。
私達の脳は、どのように音楽を知覚するのかに始まり、アナリーゼとは何か、感覚入力と出力の一連の流れを演奏に際して、練習に際して、どのように見直していくべきか、演奏を時間軸に沿っての運動プログラムと考えると……と、改めて、毎日自分の脳が行なっていることを見つめ直すところからスタート。
「なんとなく、弾いてはいけない」と仰った言葉には、大変な説得力がありました。
音楽は、音楽だけで存在していたのではなく、大きな歴史の中で、宗教や建築や絵画と影響し合うようにして変遷してきたことがよくわかるレクチャーで、「ピアノだけ弾いていてもダメなんですね」と目を丸くして帰って行かれた方もあって、本当に嬉しくなりました。
グレゴリオ聖歌よりも前の時代からスタートして、楽譜が生まれた宗教的な理由や、音楽の発展の様子について(一言で言えないので割愛)、音源や演奏を聴かせて頂きながら1000年の旅をしたのですから、もう、それは凄い内容と深さでありました。
バッハ以前については貴重な音源から、そして、ベーゼンドルファーヨハンシュトラウスモデルで弾いてくださったのは、バッハ、モーツァルト、ドビュッシー、ウェーベルン、クセナキスまで。
時間旅行、世界旅行をして、演奏会付き、という、なんと贅沢な時間だったことでしょう。
上杉さんには、セミナー前に「ピアノランドメイトのみなさんは、〈ピアノを弾く分解図〉(ピアノを弾くということは、楽譜を見てその視覚的情報を脳に伝えて、脳から指令を出して各筋肉をコントロールして「音」を発生させ、その音をよく聴きながら次の音への流れを考えつつ、その先の音符を見るという一連の動作を同時に行なう)をよく理解して、ピアノを弾いたり教えたりしています」とお伝えしていたので、「安心してお話しました!」とのことで、よかったよかった!
今日のお話は、“二段階導入法”や『ピアノランドたのしいテクニック』で伝えたかったことにもどこかで深くつながっていて、その先も、その先のお話も聞きたい!と、時計を止めてしまいたいくらいでした。
上杉さんの美しい、端正な演奏は本当にすばらしく、その音色や立体的な音楽の作り方は建築物のようでした。
最後に、ピアノランドシリーズから3曲、『こころの小箱』からも1曲、私の小品を連弾していただき、現代の日本に来たところで、最後にもう1曲、昨日の神戸のリサイタルのアンコールでもお弾きになった故助川敏弥さんの「花の舞」も演奏してくださいました。
この作品は上杉さんが初演されたとのことで、花びらが舞い散る様子が見えるようで、その美しさにしばし言葉を忘れました。
終了後に、上杉さんと奥様、そしてピアノランドメイト事務局のスタッフ一同で記念撮影♪
上杉さん、どうもありがとうございました!
G-callサロン(共催)、名器を巡る旅でもお世話になった調律の井上雅士さん、お世話になりました!