朝夕は秋の気配が漂ってきましたね。
23日の作曲の公開レッスンは、とても楽しいものでした。曲作りのコツを講義した後は、早速前回の曲の続きにとりかかりました。今回は、講義の流れを生かして会場の聴講生にもレジメの五線紙に作曲してもらったので、会場中で作曲するという不思議な光景が! みんなどんな曲になったのかな…? アンケートには、「初めての作曲、おもしろかったです」「○十年ぶりの作曲でしたが意外と書けるものですね!」などなど。
受講した小学生たちも2度目ということで慣れてきたようで、人前にもかかわらず、集中して作曲を進めていく姿に、大人の方が驚いていました。他人の目を気にせず、やるべきことに没頭する経験は、きっと今後の人生にも役立つことでしょう!
女の子二人のチームは、協力して1曲完成させて充実の笑顔。ステキな歌詞もできました。
男の子チームは二人のそれぞれの意見が出てきて妥協せず、完成には至りませんでしたが、自分のアイディア、感性にこだわりが出てきたのはとてもいいことです。春休みの公開レッスン以来、なんと4人とも何曲か作ってみたそうで、一人は夏休みの自由研究が作曲! 男の子チームは合同作品が完成しなかった代わりに、それぞれの曲を発表して、たくさん拍手をもらいました。
それにしても、4月からたった4ヶ月の間の子どもたちの成長は、目を見張るものがあります。大人もうかうかしていられません!
もっと時間が欲しかったくらいでしたが、彼らにはこれからたくさんの時間があります。音を編んでいく楽しさに目覚めると、作曲家の気持ちにどんどん近づいて分析力がつくだけでなく、演奏にも創造性が出てきます。次の音を探して、心の耳で、まだ書かれていない音を一生懸命探したこの日のことを、忘れないでいてほしい、そして、自分から何かを生み出していけたことに自信と誇りをもってほしいと思います。
与えられた音符を間違いなく弾くことを音楽だと思っている人もまだまだ多いけれど、書かれた音符には生命が凝縮されているということに、作曲のレッスンで気づく人が増えていったら、本当に幸せです。
この夏も、ベストを尽くしました。フェスティバルや公開レッスンでお世話になったみなさま、ありがとうございました! たくさんのお便りやメールをいただいています。新刊の感想もありがとうございます! すべてにお返事を出すことができず心苦しいのですが、いただいた応援のエネルギーを次の仕事の糧とさせていただきます。
どうぞお元気でお過ごしくださいね。
みなさんは、どんな夏をお過ごしですか?
まだまだ暑いですね。
ここ数年、私の夏=ピアノランドフェスティバル。なので、フェスティバルが終わると、夏が終わったような気がします。休暇中は、お世話になった方々に御礼状をしたため、それから少しは休んで…と思っていたのですが、今年は新刊が出たばかりなのでゆっくりもしていられなくて、あちこちに挨拶に行ったり、本を送ったり、本の取材を受けたりと、ずっと仕事をしてしまいました。
それでも、熊本の妹宅でパーティーをしたり、親戚の集まりに顔を出したり(親戚にアナウンサーがいて、今週中、「笑っていいとも」の前のニュースに出演中と聞いてびっくり!郡司琢哉くんです)、移動中に父のバースデイプレゼントを買ったり、いつもとは違う楽しい時間も過ごせました。ピアノランドフェスティバルのステージを両親が喜んでくれたのが、この夏一番の親孝行だったかな。
『いきなり&もう一度! 才能以前のピアノの常識』は、これまでの専門家向けの本とは違って、楽器店以外の一般の書店にも広く置いてあります。芸術や音楽のエリアに何冊も平積みになっているところが多く、ちょっと感激しています。
でも、1冊しか置いてないところも、1冊もないところも(涙)ありました。できれば、ビジネス関係の読み物のところや、主婦向け、健康のところなどにも置いてもらえたらいいのに、との声を頂いていますが、それは本屋さんの判断なので難しいかもしれません。でも、本の中に専門書の棚を飛び出すエネルギーがあれば、いつかかなう日があるかもしれません。ピアノランドも、書いたあとのセミナー、コンサートで育ったのですから、この本もこれからです。
先日、敬愛する中村菊子先生から、「幅広いピアノに関する知識があってこそ書けた名著」と、お葉書を頂いて大感激!!
また、『療法的音楽活動のすすめ』の著者である武蔵野音楽大学教授、丸山忠璋先生からはあたたかなお便りを頂き、しばし胸が詰まりました。
今日は,夏休み開けのレッスンで、なんと2時間ものグループレッスンをしました。大きい生徒には新刊の楽典の項を使って、簡潔に楽譜のしくみを教え(使いやすい!)ムジカノーヴァの聴きとり術の連載の聴音、コードで作曲。小さい生徒にはワークショップでの人気メニューやリズムカード、音符カード、それに聴きとり術まで。みんなそれぞれにとても楽しんでいたので、そう、楽しいのよ!音楽は!と改めて思いました。
こんどの日曜日は春休みと同じ子どもたちが、コードで作曲に挑戦するセミナー、第2弾。初めての方にもわかりやすく復習タイムがありますから、安心してお出かけください。作曲が多くの人に身近になって、自作の曲で発表会なんて、ステキですよね! 夏休みなので、お子さんも歓迎です。一般の方も気軽においで下さいね。
それではみなさん、夏バテなさいませんように!
8月10日、名古屋のフェスティバルも賑やかでした!
台風を心配しながらの当日でしたが、本番前後は雨も降らず、当日入りのスタッフも無事到着。一日ずれていたら、台風と地震で開催も危ぶまれたところでした。とは言え、名古屋には、静岡からもたくさんのお客様がいらしていたので、とても心配です。
たくさんの方のご協力をいただいて、4カ所でのフェスティバルが終わりました。私の夏が終わった…そんな淋しさと、充実感の両方が、心地よい疲れと一緒に漂っています。アンケートの回収率がいつも高いのが嬉しく、出しそびれた人からのFAXもたくさん届いて、改めて読み返しています。
今日は事務所で反省会。全体に、昨年までの経験を生かして工夫したところがうまくいって、プログラムも好評だったので、ほっとしています。また、各地でボランティアスタッフとして参加していただいたピアノの先生たちとも、子どもたちが楽しめるようにと、一緒に心を合わせてステージが進められて嬉しい!
そして、東京で売り場に立った編集者から「子どもが、かわいいお財布からお小遣いで本を買ってくれたり、お母さんにマンガが楽しいから買って買ってとせがんでいたり、びっくりしました」と聞いて、カツヤマケイコさんのイラストの楽しさに感謝です。大人向けのつもりが、子どもにも人気なんて!
名古屋では、ステージに乗り切れないかと思うほど大勢の子どもたちがピアニスト体操に参加してくれて、本当に賑やかでした。でも、クラシックコーナーではちゃんと静かに聴いてくれて、これは毎年開催してよかったと思える成果でもありました。小さいときから音楽の中身に興味を持てるように、少しずつ聴く姿勢、聴き方を伝えていく努力、聴く練習を根気よくさせていくことが大切だと、改めて思いました。ただ静かに、といっても幼児には難しいことです。このノウハウを、さらに生かしていこうと思います。
ちからんどのコードで作曲ごっこも、自由に鼻歌を楽しんだ人がたくさんいたようです。「苦しかった音大の作曲科在学中にこの方法を知りたかった」というアンケートがあって、思わず笑ってしまい(そうになり)ました。そう、楽しいという原点を忘れないで勉強すると、どんどんおもしろくなるんですが、禁則で頭をいっぱいにしてから作らなくちゃとおもったら、辛いですよね…。
さらに興味のある方は、8月23日の国立でのセミナーにぜひいらしてくださいね!
子どもならではの自由な発想で、曲ができていくところをご覧いただけるはずです。
爆笑レッスンのコーナーは、特に毎年来ている子どもたちに大ウケでした。“小原くん”が今年も小学2年生だったことを心配してくれたり、今回は前の方の席に座って小原くんが本当は大人だと気づいて心底びっくりしたり(え、ほんとに?と、私たちが大ウケ!)、樹原先生がほんとに怒ってるんじゃないかと心配してくれたり…、もう、定番になって止めるわけにはいかないコーナーとなりました。小原さん、演技もお上手なんですよ!
それにしても、子どもたちのためにずっと何年もおつきあいいただいている小原孝さん、ありがとうございました! ラ・カンパネラに目が点になった子どもたちの中に、未来のピアニストがいるかもしれません。大人の本気、プロの本気を見せたい、その願いが叶って嬉しいです。
それでは、やっと私も夏休み。
みなさんどうぞ、お元気で!
3日間のフェスティバル、楽しいツアーでしたよ!
8月4日、先乗りしたホテルで、 PRESS START から気持ちを切り替えて念入りに準備をする。
そして5日は、西宮の兵庫県立芸術文化センターで ピアノランドフェスティバルの幕が開きました。
1曲めの「どどどど どーなつ」からずっと、子どもたちが大きな声で歌ってくれて、どの曲もみんなの生活の一部になっているようでとても嬉しい。NHK の趣味悠々で活躍中の小原孝さんは、しっかり“歌とピアノのお兄さん”に変身して今年も子どもたちに大人気です。ママや先生たちも、小原さんの「UFO」や「学園天国」に釘付け!
今年初めての“ちからんどコーナー”では、コードに合わせて即興で作曲ごっこをしましたが、積極的に参加してくれる子どもたちが多くてホッとしました。まずは番組のエッセンスだけでも、とやってみましたが「息子はコンサートから帰ってずっとピアノを弾いています」「家についてから、コードで作曲をしているようです」などなど、早速メールやFAXが届いていて嬉しい限りです。
遠くは広島、倉敷、松山などから、そして毎年来てくださっている方達からは、パワーアップしたフェスティバルと言っていただき、ほんとによかったです。
終演後は、飛行機で熊本へ。6日は、健軍文化ホールでの初めての開催。恩師八戸澄江先生、そしてアンコールで演奏した「窓を開けてごらんなさい」の作詞をされた大江捷也先生にもおいでいただき、 故郷への感謝をこめて演奏しました。
このコンサートは、子どもたちにコンサートのマナーや楽しみ方を教えることも目的のひとつで、前半は短い曲をたくさんやって、後半には本格的クラシックコーナーも。みんな、歌や体操で参加するところ、静かに聴くところをよくわかって、一緒にコンサートを楽しめたと思います。親御さんからは、子どもの付き添いのつもりが、自分の心の癒しになったと感想を頂きました。
各会場のアンケートで人気なのが「ふゆのペンキやさん」「まーちゃんのバナナ」「Dreaming」「君は君のままで」「学園天国」「ラ・カンパネラ」「花」など。よく見ると、すご〜くノンジャンルですね…ふふふ。“樹原先生と小原くんの爆笑レッスン”も、会場ごとのアドリブを、本人たちも楽しんでいます。
そしてまた、終演後は飛行機で東京へ。7日はアプリコ大ホール。
さすがに3日連続なので疲れが出るかもと心配していましたが、今年は元気です。響きのよいホールで演奏も楽しく、声もだんだん出てきて、この日の「花」は小原さんとのコンビネーションもばっちり。私は小原オーケストラ、と呼んでいますが、伴奏も日に日に豪華に!「ともだちになりたい」の手話コーラスも、昨年に増して会場と一体感がありました。東京では、小原さんが踊ってくださいと言っていた「UFO」であちこちに踊っている子もいてかわいかった!
そして、ドキドキしていた分嬉しかったのが、各会場でたくさんの方が、新刊『いきなり&もう一度! 才能以前のピアノの常識』を持ってサイン会に並んでくださったこと。
編集者が、サイン会で感激していたので「好評でよかったですね〜」と言ったら、「初めて演奏を聴いて感激しました〜!すばらしいです」と言われて、「あれ?聴いたことなかったんでしたっけ!」と大笑い。そう、そういえば眉間にしわをよせて、来る日も来る日も原稿を一字一句検討していたのでしたね…。早く読んだ方から感想を聞きたい!。
昨日、詩人で絵本作家の垣内磯子さんから、渾身のフェスティバル、とメッセージをいただいて嬉しくなりました。 ここで気を緩めないで、10日の名古屋もがんばろう。行ってきます!
東京芸術劇場、フルオケで歌ってきました!
8月2日は、ゲーム音楽の祭典PRESS START 2009 の昼夜2公演、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団で「花」を歌いました。31日のリハーサルでオーケストラと共演する素晴らしさを味わい、当日を楽しみにしていました。
なにしろ、プログラムがすごくて、これだけの企画を実現するのはどんなに大変なことかと、5人の企画者とプロデューサーの方々に敬意を表して楽屋へご挨拶に伺うと、みなさんほんとに楽しそう。そう、夢を形にするのは楽しい! 5人の中で指揮の竹本泰蔵氏以外は初対面、植松伸夫氏、酒井省吾氏、桜井政博氏、野島一成氏のみなさんに、「花」をどんなに楽しみしていたか、またリハーサルで感動した、と言っていただいてとても嬉しくなりました。
いつもは2時間出ずっぱりで、「花」を歌うのはたいていラストかアンコールで声ものってきたところなので、1曲だけ歌うために1日中スタンバイしているのも、それはそれでなかなか大変。昼の部では、出のタイミングがよくわかっていなかったので、舞台中央に立ったまま他の方の話がいつ終わるのかわからず、どぎまぎしてしまいましたが、夜の部では心の準備をして歌うことができました。満員の芸術劇場でオーケストラと共演で「花」を歌える幸せに感謝しつつ、会場のみなさんと一緒に濃密な4分間を過ごしました。
ギターの窪田晴男さん、後藤貴徳さんが、袖で、「すごくいい曲ですね。入り込んで弾きましたよ」とあったかい笑顔で、そして録音スタッフで来ていたのが偶然にも「花」はもちろん私のアルバム全ての録音をしている岡部潔さんで、「涼子さん、やったね」と熱い握手。楽屋には素晴らしいオーケストラアレンジをしてくれた外山和彦さん、ゲーム『俺の屍を越えてゆけ』の原作者である桝田省治さんも来てくれて、なんだか同窓会のようなステキな1日でもありました。
翌日からフェスティバルのツアーに行くので、打ち上げに行くのを一瞬迷いましたが、今日の出逢いは今日しかないのでしっかり参加してきました。ピアノの江原啓太さん、三味線と尺八の HIDE-HIDE さん他、ゲーム関係のみなさんも。みなさん、本番が終わって緊張が解けていい顔!
あとで聞いたら、“俺しか”のサントラ盤は売り切れ、「花」の別テイクが収録されている”The Four Seasons” の
思えば、30日は母校武蔵野音楽大学での社会人夏期研修講座で講義をするという大役を果たし、PRESS STARTが終わった3日は小原さんとリハーサル、5日からは3連続でフェスティバル…。怒濤の1週間の前半は終わりました。また、週末には報告ができるかな。頑張って行ってきます!
オーケストラの「花」を聴けなかった方、フェスティバルの中で小原孝さんの超豪華なピアノで歌う「花」を聴きにきていただけたら幸いです!