樹原涼子ようこそピアノランドへ!

 
 
 


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連休はいかがお過ごしでしたか?

 私は、ゆっくり休んでコンサートと勉強と読書…と、かわりばえのしない連休でしたが、仕事の電話がないというだけでも、ずい分と平和な日々を過ごしました。

 連休の谷間5月1日はマスターコース9期の久々の講義&同窓会で、日頃私がレッスンで併用している数十冊の楽譜の解説をしてきました。本当は、これだけでもセミナーができるくらいの量を1時間少々でまとめて(だから早口がなおらない!)、残りの時間はタイマーをかけて1人1人のクリニック or Q&A、そして“願い〜大切な日に〜”を合唱してから懐かしのレストランで仏料理!
 みんなが相変わらず美しく、勉強熱心なのに驚きますが、これも音楽のなせるわざ。楽しい時はまたたく間に過ぎますが、十二分に心の栄養になりました。さすがに海外の方は欠席でしたが、名古屋、大阪、福岡からも出席して頂き大いに盛り上がりました。今回参加できなかった方にもまたきっと会える日を楽しみに、そしてマスターコースがみんなの心の故郷でいられるよう、ずっとずっと元気でいたいなと思いました。

 そして夜は、ベテラン岡本愛子さんのメシアンの演奏会、翌日は注目の若手バリトン歌手 春日保人さん率いる“情熱の仏バロック”の演奏会へ。蓋をあけてみると、春日さんが歌うのはラストで、ずっとバロックフルートを吹いていてびっくり! チェンバロ、ビオラ・ダ・ガンバ、バロックバイオリンのアンサンブルに、気分はベルサイユ宮殿。でも、平均律に慣れた耳が415ヘルツ、“6分の1”の調律に馴染むのに15分くらいかかったかな…。アンコールの「さくら さくら」も秀逸で、本当に楽しい演奏会でした。

 5月5日は田代ユリ姉のセミナーへ。古い日本の歌もユリ姉様の手にかかるとカッコよく大変身! 音楽の流れをどう読み取っていくか、編曲者から演奏者へのあたたかなメッセージがいっぱい。核のところをわかってもらえたら、何にでも応用できるはずだから――。
 それにしても、音楽をしないではいられない人たちが、私も含めて世の中にはこんなにたくさんいて、「こうやったらもっとよくなる、もっとステキ、もっと美しい、もっと楽しいはず…」と誰かに伝えないではいられなくて、自分が認められるためなんてそんなちっぽけなことではなくて、それはもう“祈り”に近い形であって、誰かの人生の中の少しの時間でも音楽でキラッと輝いたりポロッと泣けたり、そんな小さな幸せのために、出し惜しみなんてしないで、ありったけ届けられたらという気持ち。そんな、あふれるような想いに突き動かされて、何千何万という音符の玉を紡ぎ、原稿用紙を埋め、旅に出て話したり弾いたり歌ったり教えたりしてる…。
 そんな仲間がいる幸せ、そんな道を歩く人生もいいなって、ふと思う初夏でありました。
 お元気で!

2008年05月 8日 樹原涼子
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