樹原涼子ようこそピアノランドへ!

 
 
 


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寒いのにも身体が慣れてきて、澄み切った朝の冷たい空気も気持ちよく感じます。

 お元気ですか?


 先週は会報ピアノランドメイトのvol.60を発行するので大わらわでした。15年間、年4回、休まず発行できた充実感があります。ひとりで記事すべて(論文のようなもの、エッセイ、おススメコーナー、お便り、Q&Aなど)を書いているのですが、はじめの頃は8ページ程度だったのが、この頃は16ページかそれ以上のことも多くなりました。フリーのピアノの先生は、いつもひとりで教室を運営しながら、いろんな悩みをかかえているので、ささやかでもこの通信で勉強したり励まされたりすることがあればと続けてきました。続けることも才能だとすると、続ける才能ならあるかも、と思います。

 そのメイトの原稿をかかえつつ、18日のコード塾、21日の熊本マスターコースを終え、22日にやっと印刷屋さんへ、24日はマスターコースとそのままミニ公開レッスン、26日はセミナーのリハーサル、27日は武蔵野音楽大学での第14回武蔵野音楽教育研究大会に出席。人前で講義をする日が続くと、他の方の講演を聞くのがとても楽しみになります。

 年に1回のこの研究大会は、武蔵野音楽大学の大学院の卒業生を中心に、各分野で活躍する人が集まり、それぞれの専門分野の研究や実践の報告をして情報を交換し、高めあっていくものです。毎回二人の研究発表、さらに特別講演があるのですが、私はその第一回めに(14年前)にピアノランドの実践報告をさせていただきました。今回は寺島明美氏がモンテッソーリの音楽教育について(とても勉強になりました!)横山尚氏が呉港高等学校(私立男子高)で実践されている音楽教育について(楽譜も読めない生徒たちが金賞を取るまでに変わっていく姿に感動!)発表されました。同窓生の仲間が自分の一生をかけて音楽の様々な分野で汗を流していることを知り、「そんなやり方があったの!?」「深い…」と大変刺激になりました。読書好きな私ですが、他人の話を聞くことは尚大切だと強く思いました。
 また、特別講演では名古屋芸術大学の山本文茂先生がこれからの音楽教育について4楽章形式で(!)お話しになり、膨大な内容をいかに簡潔に、楽しく美しく伝えられるかお手本を見せていただいたようでした。

 こうして、卒業生の活躍を支え、応援している研究会ですが、来年は私がワークショップと講演という大役を仰せつかり、さぁ大変! 頑張らなくては。


 今週木曜日のバロックのコード分析セミナーは、すでに100名ほどの予約があるそうで、気持ちが引き締まります。私は当日のレジメを作るのが好きで、どんな切り口でどのように伝えたらよいか、白い紙の前でギリギリまで考え続けます。フツフツとアイディアが沸騰してきたところで一番大きな泡をつかまえて形にするような楽しさと難しさ…。それにしても、バロックの曲はなんて生き生きとしてステキなんでしょう。もっともっと、子どもたちにバロックを教えてあげたい、弾いてあげたい!と思います。

 それから、3月1日のひな祭りライブの予約がスタートしました。パンフレットはダウンロードしていただくか、FAX、郵送しますのでお問い合わせくださいね。

 今日は、私の誕生日。この1年がいい年になりますように!


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樹原涼子とごきげんバンドのひな祭り

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2008年01月28日 樹原涼子
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東京では、昨日初雪だったとか。今日は晴れているけど風が強いので、出かけたくないなぁ。

  先週末はピアノランドスクールのお弾き初め。初めて参加する生徒もたくさんいましたが、みんなに見守られて全員無事演奏できました。こんな風に、例えば季節ごとに、年に何回かのスポットライトを浴びる時間は、子どもにとって大切ですね。集団の中で目立たないように気を使って生きている(いじめられないように…)小中学生も多いと聞きますが、こうして学校とは別の世界で―音楽に限らず、絵や踊りやスポーツなど何でも―自分の居場所を確認することも、広い視野を持ち、追いつめられないためにも大切なことではないかと思うのです。

 年齢も学校も、住んでる地域も、ピアノを習う目的もいろいろの子どもたちが顔を揃えて演奏を聴きあう。プロになってもならなくても、多分一生、音楽を心の友としていけるように育てた子どもたちがここにいると思うだけで、本当に幸せな気持ちになります。何かうまくいかないことがあったときも、音楽が励ましてくれるよ、ピアノの音がなぐさめてくれるよ! 難しいところをクリアするために分析したり、タッチを選んだり、幾通りもの練習をした成果が表れたことを忘れずにいたら、きっと困難なことがあってもちゃんと自分で乗り越えていけるよ! 何分間もの曲を暗譜でたくさんの人の前で演奏するとき、何かあっても誰も助けることはできません。今まで頑張った自分を信じ、誇りに思い、心を込めて演奏していくことで、100%うまくいくという保証のないことを、集中してたったひとりでやり通していく力。音楽の楽しさと同時に、そんな強さを育てていくことが私の目標でもあります。肝心なところで力を発揮できるかどうかというのは、大人でも難しいことですが、小さい頃から成功する習慣をつけていくと“ミスを恐れない精神”が育っていきます。ミスをしてもいいから恐れず向かっていくという気持ち、小さなミスくらいで傷つかないという図太さ、そんなことが、その子の幸せにもつながっていくのではないかと思います。
 そんなことを改めて感じたお弾き初めでした。

 さて、現在発売中のムジカノーヴァ1月号に、ピアノランドと併用するおススメの教材をまとめて掲載中です。お問い合わせの多いことなので、見やすい形で発表できてよかったと思います。ピアノランドメソッドのどのあたりで私がどんな曲集を使っているかご覧いただけるので、ぜひ参考になさってくださいね。
 それにしても、他のテキストでの進め方例が書いてある頁を見ると、いろいろな考え方ややり方があるな…と思います。メソッドがひとつしかなかった大昔ならいざ知らず、今は“選ぶ側の見識”が大切になってきます。こればかりは先生や親の責任で、子どもの責任ではないですものね…。何にせよ、情報に振り回されず賢く生きていくのが大変な時代でもありますね。

 それから、3月1日(土)は、吉祥寺のスターパインズカフェで 6:00pm より恒例のおひな祭りライブです。もうすぐチラシができますが、ぜひ遊びにいらしてくださいね!
 では、みなさまお元気で!


p.s.
セミナー担当者から聞きましたが、クラシック曲のコード分析 6回シリーズの通し券は、みなさんのご希望により、1月15日締め切りが25日締め切りに変更になったそうです! なるべく通して聞いてくれたら嬉しいな。とはいえ、席には限りがありますので、お早めに。立ち見はできないそうです。

2008年01月17日 樹原涼子
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お元気ですか?

 仕事始めとはいえ、今週はまだエンジンがかからない人も多いようですね。七草粥を食べて、重箱も片づけて、年賀状の整理も終わり、お正月気分もこれでおしまい! でも、元旦に誓った気持ちを忘れないように早寝早起き、一日一日を大切にしようと思います。

 年末年始は、クリスマスコンサートの感想を綴った手紙やアンケート、ピアノランドメイトに寄せる想いなど、みなさんからたくさんいただいたメッセージにゆっくり目を通すことができました。今回はコンサートの感想で何人かの方から、コードセミナーやコード塾で勉強した成果が出て、「今までと違う耳で深く曲を味わうことができました」と嬉しいメッセージが! 音楽の聴き方、聴こえ方が変化してきた人は、自分の演奏でも気をつけるポイントが変わっているはずです。和声感覚とか色彩感覚というと持って生まれたものという感じがしますが、磨けば伸びていくということがわかっていただけて、努力する人が増えて、本当に嬉しくなります。

 また、年末のメイトに「教えながら勉強するということ」というエッセイを書いたのですが、たくさんの方から「涙が出るほど嬉しかった、ありがとうございます」「これで私も先生でいていいんだと光が見えました」etc.お便りをいただきました。こうして、自分の発信したことの手応えが山びこのように返ってくるとき、私もまた励まされて次の一歩へのエネルギーになっていく…この心の交流、循環しているあたたかいものに感謝しながら、今年も私の中から湧き出てくる新しい“いろいろ”を発信していきたいと思います。


 昨日は、ピアノランドスクールの初レッスン。ひとりの休みもなく、週末の“お弾き初め”に向けて元気な笑顔を見せてくれた子どもたち。2週間会わないくらいで少し大人びたり、とても上達していたりと、伸び盛りの子どもたちには驚かされることばかり。年明けに演奏のチャンスを作るのは、適度な緊張感があってペースも乱れず、子どもたちにとってとてもよいなと思います。


 それから、「クラシック曲分析セミナーは6回シリーズですが、興味のあるところだけ受講してもいいですか?」「2回めから受けてもわかりますか?」「和声とコードには暗いので予習できませんが、ついていけるでしょうか?」等、お問い合わせをいただいています。
1)もちろん、時代ごとに進めていくので古典派だけ聞きたい、バロックだけ聞きたいという場合はそこだけ受けてもOKです。ただ、時代ごとの違いを感じていただくためには、比較できた方がおもしろい、ということはあると思います。
2)3)途中、興味のあるところ、予定の合うところだけでも受講できますが、“その方がわかるかどうか、ついていけるかどうか”は個人差が大きく、保証しかねます(笑)。もちろん、1回めから続けて6回受けたからすべてわかった、予習したからパーフェクトだった…というのは理想ですが、そもそも伝えたいことが100%わかってもらえるセミナーというのは存在するのかしら…とも思いますし。

 コードと機能を結びつけて分析していく方法は、これまでにも初心者用の曲から発表会で弾く名曲までたくさんやってきましたが、今回は時代ごとにスポットを当てていきます。毎回、はじめの方で分析の手法を解説しますし、取り上げる曲はト長調のメヌエットのように耳馴染みのよいシンプルなものから始めて少しずつグレードアップしますから、初めての方でもその日の曲すべてちんぷんかんぷんということはないと思いますヨ! それに、知らなかったことに出逢ってなるほど!と思うことがあれば収穫ではないでしょうか?

 ちなみに、1回ずつの受講券はいつでもお申し込みできますが、6回の通し券は締め切りがあるそうですから、お早めに手続きをなさってくださいね。

 さて、東京ではあまり寒くない、温暖化を感じる冬ですが、みなさんのお住まいではいかがですか? 冬は、演奏家や音大受験生にとっては大変な時期ですよね。ピアノに限らず、楽器の練習をする方は、練習の前に深呼吸をしたり、脱力して筋肉をゆるめたり、ストレッチをしたりと、演奏のためのウォーミングアップをしてから始めるといいですよ。筋肉を痛めないために、冷たい手のままで弾かないよう、気をつけましょう。


 それではみなさん、お風邪を召しませんように!

2008年01月10日 樹原涼子
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あけましておめでとうございます!

 昨年中は、たくさんの応援をいただきましてありがとうございました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。2008年がみなさんにとって、よい年でありますように!


 年末は声帯の先生に診ていただき、一日毎に薄皮をはぐように声も快方に向かっているようです。「乾燥したところで喋り続けないこと。声帯も筋肉なので休めること」確かに思い当たることばかりです。痛めたままで毎日セミナーを続けていたので、治りも遅いはず…。今年は今までに増して体調管理に気をつけなくてはと思います。ご心配くださったみなさん、ありがとうございました。

 そんな訳で、友達との忘年会も新年会も開かず出かけず、なるべくしゃべらず、静かなお正月を過ごしました。たまにはのんびりするのもいいな、ゆっくり深呼吸。そう、深呼吸です。クリスマスコンサートや年末に、マスターコースの卒業生や友人からいただいたお花が、ずっときれいに咲いて励ましてくれているようです。一輪ずつ水切りしながら見とれていると、何だか笑顔に包まれているようで幸せな気持ちになります。

 元旦は、近くの親戚宅でバッハとモーツァルトを弾いてスタート。ピアノが好きだから弾く、好きな曲を弾くというピュアな気持ちで弾くと楽しい! なんて当たり前のことですが、今年は昨年にも増していろいろな仕事が増えるので、この気持ちを忘れないでいこうと心に誓いました。


 1月31日から始まる、国立でのクラシック曲のコード分析6回シリーズも、「ねぇねぇ、この曲ってこんなハーモニーでできていてここがステキでしょ。聴いてみて! ね、弾きたくなるよねぇ。え、あなたはそこが好きなの?うんうん…」と、友達とワイワイピアノを囲む気分で好きな曲をアナリーゼ(分析)しようというのがそもそものアイディア。

 そういえば、冬休みに見た「のだめカンタービレ」の中に、のだめがフランスでアナリーゼの授業を受けてちんぷんかんぷんで「日本の音大で勉強してこなかったの?」と言われ悩むシーンがありました。これって、曲だけどんどん弾かせてアナリーゼは後回し、の日本のピアノ教育に対する痛烈な皮肉かも…と思い、作者の取材力に感心してしまいましたが、ピアノの先生たちもこれからはこの部分にしっかりとスポットを当てていけるといいですよね。そう、曲の中身がわかるとおもしろいし、もっともっと弾きたくなる! 難しく考えないで小さい頃からアナリーゼをレッスンに取り入れていきましょう!


 のだめのおかげで、ますます1月のバロック時代のアナリーゼが楽しみになってきました。昔々の音楽ってカビ臭いと思っている方もあるかもしれませんが、バロック音楽はとても生き生きとしていて音楽の推進力、ドライブ感がすごくあって、喜びにあふれているんです。そんなことを言ってたらワクワクして、またピアノを弾きたくなってしまいました!


 それでは、みなさま、今年もどうぞよろしくおつき合いくださいませ!

2008年01月 7日 樹原涼子
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