突然の雷雨に驚く毎日ですが、一雨ごとに涼しくなってきました。
9月7日、台風が通り過ぎた直後に、母校、武蔵野音楽大学を訪れました。ムジカノーヴァの音楽大学最前線!“音楽教育のスペシャリストが訪ねる母校徹底探検”(仮題)のレポーターとして、ということでねじりはち巻きででかけました。私が学んだ頃に比べると、当然時代が変わって新しい要素が加わっているのでは?と楽しみにしていましたが、予想以上に変わっていました。
江古田キャンパスに昨年新設されたヴィルトゥオーソ学科は、1学年30名(ピアノ、声楽、管弦打楽器含む)の定員のところ、現在10数名、うちピアノは7名とのこと。今年の新入生のピアノは4名。教職課程はなし、演奏!演奏!としごかれるそうですが、演奏家を目指す学生にとって、少数精鋭での教育は願ってもないこと。
ヴィルトゥオーソ学科では、専攻のレッスンの他、演奏家に必要な語学にも力を入れ、レパートリー研究、ステージでの心理学、優れたプログラムノートを書くための授業、舞台芸術概論、マネージメントとのコミュニケーション能力を高めるなど、ステージに立つための具体的な準備が進められます。定期試験のための課題曲を置かずに、学外のコンクールにも出やすいように、個性を伸ばす曲目が選べるように配慮されているとのこと。
こうして、新たな学科ができることで他の学生たちも当然刺激を受け、切磋琢磨していく環境になることでしょう。一般の器楽学科からヴィルトゥオーソ学科に転科することも2年に進級するときにチャレンジできるそうで、今年はピアノ専攻の学生がひとり転科したそうです。
その他にも、ピアノ専攻の学生たちはオーディションを受けてピアノ二重奏、伴奏法(リート、器楽、オペラ等)、指揮法などを学ぶチャンスがあり、私の学生時代にもそんなカリキュラムがあればなぁ…と思ったことでした。
また、音楽家が輝くにはよきプロデューサーが必要!
私自身、よきプロデューサーに支えられて他方面の仕事が広がっていきました。プロデューサー能力のある人がもっともっと育たなければ音楽界は発展しないので、今年新設された音楽環境運営学科も応援したいと思います。
武蔵野音大は、一般に堅実なイメージがあるのですが、のだめカンタービレのモデルになったことで、音大生の厳しくも楽しい日常生活がイメージしやすくなった面もあると思います。音大で音楽を学ぶ人たちが増えていくと嬉しいな!
受験生を持つ先生方は、各音大の要覧を毎年取り寄せたり、音大のコンサートやセミナーに実際に出かけたりして、その音大の“今”を知ることが大切ですね。今回、つくづくそう思いました。
さて、9月10日の熊本でのマスターコースも、だんだんと軌道に乗り、講義の手応えも出てきました。今回は、リズムトレーニングやコード聴音、手のフォーム、筋力チェックなどに時間をさき、聴いているだけでなく自ら参加して自分の能力を伸ばす、という感覚を持っていただけたかと思います。
それでは、ピアノランドメイト、今月中に発行できるようにがんばろう…
みなさまお元気で!