お元気でお過ごしですか?
先週の土曜日は東京もめずらしく雪、雪、雪。世の中が真っ白になるほどの雪は本当に久しぶりで、まるで別世界に行ったようでした。そんな日に出かける用があって、何時間も降りしきる雪を眺める、しかもあたたかい部屋でJAZZを聴きながら…という贅沢を味わったりしたのですが、やはり往復は大変でした。熊本育ちの私にとっては雪道、凍った道、融けかけたぬかるみ…どれも苦手です。
この1週間、大雪、ホリエモン、牛肉、ヘリコプター…と次々に大きなニュースがあって、新聞しか読まない私もさすがにテレビのニュースを見てしまいました。
こんな時代に自分をしっかり持って生きることは大変そうに見えますが、欲に目がくらんでしまわない、流されない、自分にとって何が一番大切なことか見失わないようにする、深呼吸をする、考える時間を持つ、食べ過ぎない、身体の声をきく、自分の都合だけでなく他人の気持ちを思いやる、地球に感謝する、ぐっすり眠る…そんな小さなことの積み重ねの毎日を味わって生きていくことが大事なんだなと、しみじみ思います。
学生時代にクラシックバレエをやっていて、その後何年かジャズダンスを教えていたことがあります。養老孟司さんの本のそこここに“身体性”についての考察があり、読むたびに納得するのですが、私の中でもダンスの経験を通じて実感していることがあります。人間は、身体がしなやかで柔軟で血液や体液が滞りなく流れ、新陳代謝がうまくいっていれば、心もみずみずしく柔軟で活気がある精神状態で過ごせるのではないかしら。身体の声がきこえる人の方が、心も声もきこえやすいのではないかしら。身体の中心、丹田が意識できれば考えもブレにくいのではないかしら…と。
最近、ピアノを弾く子どもたちの姿勢を正そうとして、あまりの身体の固さに驚くことがしばしばあります。小学生でも床に手がつかない子がいるんですね…。楽器を演奏するには、身体の声がきこえること、身体の本来持っている特質に気づきそれを生かすことがとても重要です。指だけ動かして“音”にしても、それは心に届く音色にはならないものです。
しなやかで強い身体を作ろう!と、小さな頃から意識して教えていけるように呼びかけていくことも私の役目かもしれない、と思うようになりました。
クラシックとジャズの架け橋となるコードネームのセミナー(2月2日)の準備をしていて思うのは、もっと耳を開いて心を使って全身でハーモニーを受けとめよう!ということです。紙の上で勉強していても、それは知識が増えるだけのこと。心に響く、心に届く音楽を紡ぐには、耳と心と指を結ぶ回路を作るレッスンが大切なのでは…と思います。
それでは、どうぞお元気で!