作曲家談話室2 ありがとうございました!

作曲家談話室2 ありがとうございました!

世の中が新型コロナのニュースで暗く沈み、様々なイベントやコンサートが中止に追い込まれています。そんな中、3月6日の「作曲家談話室2」は、ゲストの小原孝さん、主催のカワイ表参道、出版社の協力のもと、無事に開催することができました。おいでくださったお客様、応援してくださった皆様、関係者の皆様、本当にありがとうございました! 春畑セロリさん、轟千尋さんと一緒に、ここ半年あまり情熱を傾けてきたことが凝縮してお伝えできたのではと思います。一人だったらこんなに頑張れたかどうか……と思うくらい、3人での開催は心強いものでした。開催か延期かを心を開いて話し合えたプロセスはとても大事なものでした。決まったからそうする、ではなく、自分たちで話し合って決めるということの重さ。それを見守ってくださったカワイ表参道の甘利さんに感謝の気持ちでいっぱいです。前夜全ての椅子を消毒してくださったカワイスタッフの皆様にも、心から感謝申し上げます。(前夜、この写真を見て、3人泣きました……)

 

 

そして、予約しながらも様々な理由でキャンセルされた皆様に向けても、感謝の気持ちでいっぱいです。キャンセルされたとしても、まずは足を運ぼうと思って予約してくださったことがとても有難く、嬉しいことでした。そして、残念な思いをさせたことも心が痛みます……。本当なら、当日は超満員の予定でしたが、やはり遠方からの方、休校になってお子さんが家にいる方、お年寄りや病気のご家族がいらっしゃる方にとっては、この時期の外出は諦めざるを得ないことだったと思います。断腸の思い……とメールをくださった方もいらして、その気持ちを受け止めながら開催いたしました。

今回おいでになれなかった皆様は、ぜひぜひ、来年の春にまた「作曲家談話室3」を開催いたしますので(3人とも、そしてカワイ表参道のスタッフの皆さんも固い決意です!)、楽しみにお待ちいただけたらと思います。

 

 

こちらは、当日のお帰りに配布したプログラム。
入場時に簡単な曲目リストのみお渡しして、いつ、どの曲をを誰が弾くのかは内緒のまま進行、プログラムはお土産に……って、なかなかいいアイディアだったと思います。

今回は、おいでになれなかった皆様のことを想い、気合を入れて詳しくレポートいたします。

 

 

 

第一部

 

第一部の前半は、セロリ、千尋、私の3人で作曲家談義を繰り広げました。
今回は、前回からの流れで、このテーマについて、三者三様の答が飛び出して、会場はとても和やかに。

・作曲するとき、曲を寝かせるか?

・子供達を作曲に導くには?

・誰のために書いている?

一晩寝かせて翌日に確認する千尋さん、
締め切り後も書いていることがあるセロリさん、
書いたことを忘れて、あ、こんなの書いてたんだ……ということもある私。

担当編集者さんのために頑張って作曲する千尋さん、
そういう時期もあったというセロリさん、
具体的にいろんな人のために書いている私。

作曲に対するスタンスも、日常も全く異なる3人なので、
どんなテーマについて話しても、お互いに「へ〜!」という感じがあって
お客様はもちろん、私たち自身もびっくりしあっておりました……笑。

 

写真提供:音楽之友社

 

 

 

 

 

トークコーナーの後は、他の二人の作品を演奏して解説するコーナー

 

まずは私が、千尋さんの音楽絵本『わたし、ピアノすきかも』から「手紙」をミミの気持ちになって演奏、解説。
それを聴いて、とても喜んでくれている千尋さんの姿を見て、私も嬉しい!
譜面は易しいのに、弾くのがとても難しい、可愛い曲でした♡

 

 

つづいて、セロリさんの『ポポリラ・ポポトリンカの約束』から、「グラジオラスの埋葬」を弾きました。
これは、昨年春に父が亡くなったこともあり、静かな響きの美しさに心惹かれて演奏したのですが、
なんと物語の中のポポリラのお父さんの死をイメージした曲だったとのこと……びっくり!

 

 

樹原涼子作曲『こころの小箱』より「本当の気持ちは……」をセロリさんが演奏。
A piacere(自由に)と指定した曲ですが、「こんなに自由に弾いた人、見たことない!」(笑)
セロリさんの本当に自由な表現に、感動しました!

 

 

千尋さんの『星降る街の小さな風景』から「雪あかり」をセロリさんが演奏、解説。
転勤で北海道で過ごした頃の曲で、月の光だけの雪あかりの風景を経験して書いたそうで、
それを見ている千尋さんの心象風景が描かれていると、セロリさんの分析✨

 

 

千尋さんが弾いたセロリ作品は、「ひなげし通りのピム』から「泣かないでアスパラガス」
セロリさんをよく知る千尋さんならではの美しい演奏にうっとり。
私は、「アスパラガス」を曲にできるセロリさんの感性に驚きました……!!!

 

 

そして、最後に千尋さんが選んだのは、私の『夢の中の夢』から「光る川」
三日月マーク、手のひらで黒鍵をグリッサンドする奏法をマスターして、表情豊かに弾いてくれて嬉しい。
千尋さんは、なぜこの調でなければならなかったのかを分析してくれました。

 

 

 

第二部

 

そうして、待ちに待った第二部、小原孝さん登場です!
会場は期待で張ちきれそうです。

 

 

まずは、3人のソロ曲を1曲ずつ演奏していただきました。

『木洩れ日のエチュード』より「木洩れ日のエチュード」轟千尋作曲

『空をさわりたい』より「空飛ぶモグラ」春畑セロリ作曲

『風 巡る』より「夢見る妖精」樹原涼子作曲

 

 

第一部では、静かで内省的な曲が多かったのですが、ここでは、ピアニスティックな曲が並び、
小原孝さんならではの解釈と演奏に会場が静まり返ります。
3人の作曲家の個性が浮かび上がり、誰もが集中しています。

いや〜、本当に素晴らしい! 小原さん、ありがとうございました!
作曲家冥利に尽きる3人でありました。
そうしたら、ここで重大発表が。

この3曲を、昨日(3/5)レコーディングしてきた小原さん!

なんと6月7日の「小原孝CDデビュー30周年記念リサイタル」(ミューザ川崎)で発売予定とのこと!

 

私たち3人も、この作曲家談話室がきっかけとなったのねと、とても嬉しくなりました。
邦人作曲家の曲を大切にレコーディングされる姿勢にも、励まされます。

引き続き、今度は3人が書いた連弾曲を、作曲家と小原さんのペアで連弾するコーナーです。

『きらきらピアノ こどものピアノ連弾名曲集2』〜「ティコティコ」轟千尋編曲

 

 

『ダンシング連弾パーティー』〜「ダンシングチェルニー」春畑セロリ編曲

 

 

連弾組曲集『時の旅』組曲「美しい時間」〜「Ⅳ 楽興の時」樹原涼子作曲

 

 

そして、せっかくなので4人で連弾をしよう!と、椅子を縦に置いての連弾です。
譜めくりは、ムジカノーヴァ編集長の西脇さんが! ありがとうございます!

『ロッパチ2』〜8手連弾「はやぶさテオとしまうまキャリー」春畑セロリ&轟千尋作曲

 

 

ここで、サイン会ができないお詫びや、4人のこれからのスケジュール等の他、
質問コーナーも時間を取りました。
「子供に作曲をさせるコツは?」「作ったら、どんなものでも褒めちぎりましょう!」
「みなさんが好きな作曲家とピアニストは?」 (書ききれません)

 

もう、これで普通はお終いになるところなんですが、実はここからもう一山!

3人で何かしようと第1回が終わってからずっと相談していたのですが、
なかなかいい案が浮かばず、テーマに沿ってみんなで書いたりするのは気が進まない……と、
「みんな、曲もお話も書けるんだから、お話付きの曲をリレーで回していくのはどう?」と
口走ってしまった私……。

というわけで、トップバッターの私→千尋さん→セロリさんの順番で
実は、昨年から密かに創作活動が始まっていたのです。
とうとう3作品が完成したので、サプライズで披露することにして、
贅沢にもほどがありますが、小原さんに朗読していただこう、ということに。

 

写真は、1曲めの「僕、友だちができたよ。」の朗読をする小原さんと、
つづいて演奏をする樹原涼子。

 

 

1「僕、友だちができたよ。」樹原涼子

2「おめかしピノア」轟千尋

3「いずみのほとりには…」春畑セロリ

アンケートでは、小原さんの朗読も大好評!
さすがラジオ番組で鍛えた語りが、皆さんの心に届いたようです。
お話も演奏も、ここには再現できませんが……その代わり……

これらの作品は、お話が終わるまで(どんな話になるのか、誰も見当がつきません)
ぐるぐると何周かしていくことになり、
2020年ムジカノーヴァ8月号スタートで、連載していくことになりました。
みなさん、楽しみにしていてくださいね♡

 

 

最後に、それぞれからの挨拶をして、来年またお会いしましょうと、名残を惜しみました。
いろんなシーンの、出演者のアップの写真をこちらに。
沢山写真を提供くださった音楽之友社の中澤さん、ありがとうございます!

 

 

 

 

 

接触を避けるため、サイン会はできませんでしたが、
マスクをつけてご覧いただいている客席の皆さんの姿を、
忘れることはできません。
「音楽に力をもらった」と、セロリさんが話されていましたが、
それは、客席だけではなく、出演者自身も力をもらったということ。
皆様、本当にありがとうございました。

 

ここからは、終演後に、夫が撮影した記念写真です。

 

 

 

3人で曲を交換しあった記念に❣️

 

 

 

 

それでは、皆様、2021年開催の、「作曲家談話室3」をお楽しみに‼️

 

 

🔶今後の樹原涼子のスケジュール🔶

 

2020年 4月 2日(木)

マスタークラス 第14回 コード分析で機能を理解するために必要なこと ダイジェスト

 

2020年 4月 29日(水)

『即興演奏 12のとびら 〜音楽をつくってみよう〜』NEW

樹原涼子 新刊発売記念セミナー ピアノプラザ群馬高崎本店(群馬県高崎市)

 

2020年 5月 7日(木)

マスタークラス 第15回 ペダルの技術を磨こう

 

2020年 5月 19日(火)

DVD『えいごでピアノランド』発売記念セミナーNEW

英語でピアノランドを歌いましょう!

樹原涼子
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