倉敷、津山でのチャリティーコンサートを終えて思うこと

倉敷、津山でのチャリティーコンサートを終えて思うこと

2月2日は倉敷の湊ホールにて、3日は津山のモンレーブにて、西日本豪雨支援チャリティー炊き出しコンサートに出演しました。
昨年倉敷に伺った折、少しでも支援や復興のお手伝いができないかと、地元の氏峰裕子さんに、熊本で活動したようにどちらかの施設や仮設住宅などに伺って演奏させていただけないかと相談しました。津山在住のピアニスト鳥越由美さんにも一緒に演奏しませんかとお誘いして、倉敷は氏峰さん、津山は鳥越さんが中心に動いてくださって、いつの間にか氏峰さんが指導されている中島コーラスのみなさんが倉敷で、松尾冬美さんのピアノ教室の生徒さんたちが津山で協力してくださることになり、どんどん周りの方々の輪が広がっていきました。会場も本格的なところでの開催となってびっくり!

こうして、出演者も主催者もみなが手弁当、ホール代等を除いてチケット利益の全てと、CD等の売り上げからも寄付をするという計画が練られ、素敵なホールで開催することができました。有り難いことに、ピアノランドメイトの皆さんを中心に「自分の代わりにコンサートを楽しんでください」というプレゼントチケットが沢山集まり、被災された方数十人をご招待することができました。各地から、ピアノの先生や友人たちが手を差し伸べてくれた上、一緒に楽しみたいと、大勢が現地へ駆けつけてくれて、この上なく温かなコンサートとなったのです。ご協力くださった皆さま、本当にありがとうございました。

 

 

音楽は心のご飯だから、と、熊本では「くまもと音楽復興支援100人委員会」が何百件もの大小のコンサートを開催していたのを真似て、「炊き出しコンサート」という名前を提案したところ、倉敷では「炊き出しはどこに?」という質問をいただいたそうで、すみません! 津山ではその話もしながら、「音楽でお腹いっぱいになって帰ってください」とお話しして演奏しました。

2月2日の倉敷コンサートの様子と感想はこちらにアップしています。写真は中島コーラスの皆さんと🎵

 

 

3日の津山のモンレーブはとても美しいスペース(結婚式場)で、素敵なベヒシュタインが待っていてくれました。
写真はリハーサル中の鳥越さん。
本番では、吉松隆作品、樹原涼子作品をみずみずしく演奏、客席を魅了していました。

 

 

リハーサル前にも熱心に練習していた松尾教室の生徒さんたちを、楽屋のバルコニーからパチリ。
本番では、オープニングとアンコールで「ともだちになりたい」のコーラスがとても可愛らしくて♡

 

 

後半は鳥越さんとの連弾で『時の旅』から組曲「小さな時間旅行」を朗読付きで演奏。やはり、お話しと演奏の相乗効果で楽しんでいただけたのがよかったようで、幅広い年代に好評でした。子供達は狙い通り、「ドリアンボートに乗って」「フリジアンの罠」等の曲名からモードの名前を覚えてくれたようです。

組曲「美しい時間」からは、「星の時間」と「楽興の時」を演奏しました。
「楽興の時」は途中で奏者が「眠ってしまう」演技と、相方が「困って起こす」演技をするよう楽譜に書き込みをしています。観客はハラハラ〜爆笑!とめでたく演奏が進んでいくというシナリオなのですが、この日は、私がすっかり眠り込んでしまう演技をしていたら、最前列の子供達がみんなで私を起こしにくる!という予期せぬハプニングがあり、本当にびっくりしてしまいました(笑)。また、鳥越さんは演奏中に眠った私に「困る」というよりも「すっかり怒ってしまう」演技が上手で、もう、演奏しながらどうなることかと……。客席も大いに楽しんでくださったようでよかったよかった!

連弾には、ただの予定調和ではなく、パートナーの音楽性に刺激されながら共に音楽を作っていく喜びがあります。どの曲も、お客様へどんな風に伝わっていくのかが手に取るようにわかる会場だったので、演奏していてとても楽しく、一期一会の演奏となりました。

私のソロは「君が笑えるように」「永き道」「花」の弾き語り、そしてアンコールには鳥越さんの伴奏で「子供たちへのバラード」を歌い、とても懐かしい時間となりました。

 

 

最後に鳥越さんがチャリティーコンサートを開催するまでの心の葛藤を話され、音楽への熱い心に触れました。

誰もが自分にできることをできる範囲で無理なく継続していくことが支援において大切なことと思います。自分の生活、心や時間にも余裕がなければできないことですし、もちろん押し付けるものでもなく、ニーズがあって初めて成立するものでもあり、よかったらお聞きいただければ、という気持ちが必要です。今回も、もしかしてお役に立てるなら……からスタートして、一緒に開催しましょうと仲間が集い、地元でのリサーチや協力があり、それを支えてくれる他の地域の仲間の支援があり被災した方を招待することが叶い、駆けつけてくれた方達が受付やCD等の販売もしてくださって、それはそれは素晴らしい連携プレーでした。

「この機会に倉敷や津山に来て宿泊して観光するだけでも、地元が少しでも潤うなら。そしてコンサートのお手伝いをして、自分も音楽を楽しみたい」と足を運んでくれた、ピアノランドメイトの仲間にも、心から感謝します。

 

支援は、たとえ完璧なものではなくても、それでも、やらないよりはやった方がずっといい。熊本での活動を通じて、私はそう確信しました。やらないより、やった方がずっといい。必要としてくださる方がいて、喜んでいただけるのなら、できるときにはやった方がいい。だから、これからもできるときに、その時々にタイミングの合う方と一緒に、つづけていきたいと思います。

 

最後に、再度子供達との「ともだちになりたい」のコーラスがあり、今回の2つのコンサートの幕が降りました。子供達にとっても得難い経験になったのではと思います。みんなの歌で、たくさんの人の心が和み、拍手をしていただけたのです。どうもありがとう!!!

4日には、午前セミナー、午後『時の旅』レクチャーコンサートと、連日のコンサートの後にちょっとハードなスケジュールを組んでしまいました。そもそも旅に出る日の朝もコード塾という、4日間で5つのイベントをするという人生初の試み(笑)。無事に終えて、今はとても幸せです。

そんなわけで、旅の途中と昨夜はとても報告する余裕がありませんでしたので、取り急ぎのコンサートレポートでした。昨日のセミナーとレクチャーコンサートは、また改めて。

 

こちらは、倉敷湊ホールにて。主催、出演で大活躍の氏峰さんを鳥越さんとサンドイッチで。ありがとうございました!
お二人無くしては成立しない3日間でした。

 

 

左から二人目は子供達のコーラスでお世話になった松尾冬美さん。ご一家、教室の生徒さんご家族にもお世話になりました。
右端は2つのコンサートで受付を手伝っていただいた今村珠美さん。しかも、今村さんと氏峰さんのダーリンはそれぞれ、津山と倉敷本番中の受付をしてくださったのです! 先ほどそのことを伺い、ご家族総出でご協力いただいたことに改めて感謝申し上げます!

 

 

他にもたくさんお世話になった方があり、書ききれなくてすみません。いただいた写真でご報告させていただきました。
ありがとうございました。

 

 

 

樹原涼子
PAGE TOP ↑
single-diary.php