『走れ二十五万キロ 金栗四三伝』発刊 父 長谷川孝道 著

『走れ二十五万キロ 「マラソンの父」金栗四三伝』復刻版
長谷川孝道著 

熊本日日新聞社刊  ¥1,500(税別)

 

 

来年のNHK大河ドラマ「いだてん」の主人公金栗四三(かなくりしそう)という人物をご存じですか?  実は、父長谷川孝道が金栗さんの伝記『走れ二十五万キロ 金栗四三伝』を執筆していることがご縁で、GWに、金栗さんの故郷玉名市でのロケを見学してきました。小雨降りしきる川原で車椅子での見学は大変でしたが、素晴らしい1日となりました。

金栗さんを演じるのは中村勘九郎さん。父とのツーショットが5月17日の熊本日日新聞に大きく掲載されました。「日に焼けたメイクがお似合いですね」と申し上げたら「いえ、地なんですよ」と仰ってびっくり! マラソン選手役なので走りこまれた成果の日焼けなのでしょう……凄い!

金栗さんの奥さん役は綾瀬はるかさん、兄は中村獅童さん、養母は大竹しのぶさん。豪華な俳優陣の皆様ともお会いできて父はご満悦。勘九郎さんとの写真はこちらの新聞記事でご覧になれます。

→ 熊本日日新聞 熱演「いだてん」

 

金栗四三ってどんな人?

金栗四三(1891年熊本県玉名市生まれ 1983年 92歳で没)は、日本人として初めてオリンピックに出場したマラソン選手です。父の伝記によれば、金栗四三は小学校時代に往復12キロの道のりを韋駄天通学(ここからドラマの名前が決まったのかな?)、オリンピックの予選会で世界新記録を打ち立てて優勝、国民の期待を背負い第5回ストックホルム大会に出場するも熱中症で途中棄権、第6回ベルリン大会は第一次世界大戦のため中止となり絶頂期の出場を逃す。第7回アントワープ大会16位、第8回パリ大会33キロ付近で意識不明。

こう書いただけでも壮絶な人生だとお判りいただけると思いますが、その間に日本の陸上界を育てようと箱根駅伝を創始、様々なトレーニング方法を考案、日本のマラソン界のみならず体育、スポーツ界に多大な影響を与えました。実は女子が体育ができるようになったのも金栗さんのお陰なのです!

それまで「女子体育は日本になかった」ことにも私は大きな衝撃を受けましたし、私自身も金栗さんの考え方、“カナクリズム”の精神を父から受け継いで育ちました。

 

『走れ二十五万キロ 金栗四三伝』出版の経緯

父長谷川孝道は、済々黌高校、早稲田大学を通じて陸上競技に打ち込み、その後地元の熊本日日新聞の記者になりました。子供の頃に、熊本陸上競技協会の会長だった金栗さんに時々声をかけて頂いていた記憶があり、後に取材でお目にかかるようになったときはとても嬉しく光栄だったそうです。

昭和35年熊本国体を控え、その成功とスポーツ振興の願いを込めて、金栗さんの偉業を熊本日日新聞に連載することになり、二十代半ばの父が取材、執筆を担当、この本の元となる連載記事を書きました。足繁く玉名市のご自宅に通い、金栗さんがご自身の日誌を確認されながらの直接の取材で、時折奥様も同席されてエピソードを伺えたとのことで、何という巡り合わせでしょう。

翌36年、その連載は講談社から『走れ25万キロ 金栗四三伝』として出版されました。表紙に「金栗四三 閲」とある、唯一の貴重な伝記です。

 

 

 

しかし時を経て絶版。金栗四三さんのことを調べる人は必ず父のところへ辿り着くので、全国各地からテレビ局、新聞社、雑誌の記者が熊本の自宅まで取材にみえていました。金栗さんについての講演活動も度々行っていましたが、だんだん父も高齢になり、先の本は絶版ですし、自分が死んだら金栗さんのことを伝えていく術がないと口にするようになりました。

それからというもの、父は「金栗四三の考え方、人となり、歩んでこられた道は、歴史的にも大変意味がある。これは、陸上のため、日本のために残さなくてはならず、それができるのは自分しかいない」と再び本にすることを決意、金栗さんの後半生や父の思い出を綴った「余禄」を書き足して出版するのだとワープロに向かい、執筆を続けました。

80代になってからの執筆は、病気の母との二人暮らしの時期とも重なり、とてもハードなものでした。私は、これを仕上げなくては死んでも死にきれないであろう父の思いに打たれ、樹原涼子スタジオのスタッフや縁のある編集者の力を借りて古い原稿は全てパソコンに入力しなおして編集、元原稿を一から作り直しました。困ったのが年表です。古いワープロのフロッピーからどうやって取り出したものか悩みましたが、それは夫が研究して無事に取り出すことができ、過去の原稿は約2年かけて準備ができました。

そこに新たに書き足す「余禄」の部分は、父とFAXで原稿をやりとりしながら励まし、父の信頼する高校、大学、新聞社、FMK、熊本陸上競技連盟を通じての後輩である永廣憲一氏に編集をお願いして、2013年にやっと完成。私は東京で出版社を探そうかとも思いましたが、父が地元での出版を望み、熊日出版と熊本陸上競技協会の協力を得て自費出版の形で復刻版を出すことになりました。

もし金栗さんが生きていらしたら122歳という2013年の誕生日8月20日を出版日として、父の長年の願いが形となりました。このときばかりは、私自身の著書を出版するときの何倍も嬉しかったことが思い出されます。熊本のホテルで大きな出版記念パーティーを開き、母も何とか出席できたのは夢のように嬉しい出来事でした。

 

 

 

余談ですが、私が父に捧げた『やさしいまなざし』を出版したのも2013年の8月。壮絶な介護生活の中で「余禄」の執筆を続けながら、母へ優しい眼差しを向けてくれた父への感動をこのときに曲にしたのでした。

もう、金栗四三の伝記を世に出すことができて、思い残すことはないと父は思ったかもしれません。が、思いがけず2回目の東京オリンピック開催が、本の出版直後の9月8日に決まったのです! 天国の金栗さんもさぞびっくりなさったことでしょう。

 

NHKからの連絡に、さらにびっくり

ところが、びっくりはそれだけではありませんでした。

2019年の「東京オリンピックの前年の大河ドラマ」を考えていらしたNHKのプロデューサーさんが父の本を見つけ、何度も熊本の父のものとに取材にみえました(そのときは金栗さんが大河ドラマの主人公になるとは父も私も知らず!)。父は金栗さんの生家やゆかりの地を案内したり、金栗さんのお嬢さんを一緒に訪ねたり。それから随分経ってからのことです。2017年11月に金栗四三が主役となる大河ドラマ「いだてん」の制作発表がありました。

 

このドラマを見れば、2020年・東京オリンピックの見方が変わります!

大河ドラマでは後半の主人公は“日本にオリンピックを呼んだ男”田畑政治(阿部サダヲ)の活躍に軸足を移します。脚本は宮藤官九郎さんなので放送が楽しみでたまりません。

みなさんもぜひドラマを見る前に父の本で金栗四三の人生、その魅力に触れていただけたら幸いです。私も、校正するたびについ夢中になって読んでしまいました。幼少期から3回のオリンピック出場までとその後の人生をご一緒に辿ってみてください。

多くの関係者の皆様方のおかげ様で、『走れ二十五万キロ 金栗四三伝』は2918年5月22日に復刻版の第2版が出版されました。今回は自費出版ではなく、熊日出版から正式な発売となります。表紙、帯、父の挨拶文、最後の年表が新しくなり、有森裕子さん、為末大さんから帯に推薦の言葉をいただきました。より多くの方に読んでいただけたら本当に嬉しいです。

 

 

 

Amazonでも購入できますが、熊日出版から購入いただければ幸いです。
樹原涼子スタジオ(ピアノランドメイト事務局)でもお取り扱いしております!
熊本以外の本屋さんではまだ取り扱っていません。全国に広がっていくよう、皆さんもどうぞ応援していただけますよう、心からお願い申し上げます!

ピアノランドメイト事務局にお申し込みの方は、どちらかご希望をお伝えください。

1)2013年に出版した記念すべき第1版
(初版は在庫限りとなります)

2)2018年5月22日出版の第2版
(大河ドラマを記念した新しい表紙と帯に変わり、挨拶文と年表が新しくなっています)

どちらも本文は同じです。

 

メールか電話でお申し込みいただけましたら、振込用紙付きでお送りいたします。
こちらまで、お願いいたします。

感想をお寄せいただければ、必ず父に伝えます。とても喜びます! どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

樹原涼子
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