新作オペラ「笛姫」素晴らしい舞台でした!
新作オペラ「笛姫」は、12月10日熊本県立劇場にて開催、無事に終了いたしました!
樹原孝之介作曲の初のオペラ作品がとうとう世に出たのだなと、生みの苦しみを見ていただけに感慨もひとしおです。公演が始まってしばらくは観客席の様子が気になりましたが、いつの間にか私も音楽に引き込まれ、お客様と一緒に目頭を熱くしていました。多くの方が感動してくださる舞台となったことが何よりも嬉しく、100人以上もの力が結集した舞台の魅力とはこういうことなのだなと思いました。
可憐で強い心を持つ笛姫(福嶋由記)、愛と悲しみと恨みに苦悩するホムラ(佐久間伸一)、自分の信じた正義を悔いるヤイミミ(村上敏明)、里人を守る笛姫の父カゼタツ(田中大揮)、笛姫にどこまでもついていく侍女アカネ(兼武尚美)、天上の歌を歌う女神(尾上奈奈)。主要なキャラクターがどれも魅力的で、演じた歌い手さん達もその役を見事に演じきっていて、深く感銘を受けました。とても心に残る物語なので、いつか再演の機会があればいいなと心から思います。
歌い手さん、オーケストラ、裏方のみなさんにとっても、新作を短期間で仕上げるのはどんなにご苦労だったかと思いますが、全ての方の苦労が報われたのではないかと思うほどの拍手がありました。
熊本シティオペラ協会の30周年記念作品として佐久間伸一先生が企画された新作オペラ。
孝之介は原作の大江捷也先生が目指された世界観を音楽の中に込めようと心血を注ぎ、それは神宮章先生の指揮によって立体的な生命をもった音楽となって客席まで届けられました。中村敬一先生の過去と未来をつなぐ演出に感動して、リハーサルのときから私は涙が出そうで……。そして、伴征子先生のバレエ団のみなさんの踊りが美しく素晴らしい! リハーサル、ゲネプロ、本番と進むにつれ熊本シティフィルハーモニーオーケストラの音が溶け合い一つになっていく様子にも感動しました。熊本ヴェルディ合唱団の熱い心、NHK熊本児童合唱団の集中力! 舞台、照明の方達が素晴らしい完成度で仕事をしてくださったのも印象的です。
このオペラに関しては私も思い入れがあり、約半年間先生方との連絡や楽譜の整理、スケジュール調整などを手伝い、音楽には口を出さず、孝之介がスムーズに仕事ができるように心を砕いてきました。いつも私のスタッフがどんなに大変かを思い知る良い経験でした(笑)。何事も、支える人あって力が発揮できるのですね。そう言えば、これまでも孝之介は中学生の頃から私の本や楽譜の校正にも参加していましたから、これでおあいこです!
何もかも、「初演」という魔法のもとに、多くの方々の力が結集しました。
涙をぬぐいながら帰られる方もあり、好評と聞いて本当に嬉しい。
熊本復興の願いをこめた阿蘇を舞台としたオペラが熊本から発信されたことも嬉しい。
もちろん、オペラは初演で完成ではなく、初演がスタートと言われています。生まれたての作品の誕生を多くの方に喜んでいただけたことを感謝し、これからさらに手を入れて、再演のたびに進化していくようにと願っています。
ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました!
遠くからはるばるおいでいただいた方も多く、初演に感動して“再演を必ず追っかける会”も結成されました。ありがとうございます! 作品が育ち、未来に繋がっていきますように見守っていただければ幸いです♪
当日、珍しく家族揃っての写真を撮りましたのでいくつか。
母がお世話になったコーラス「コールローザ」から、そして、上白石萌音さん、萌歌さん姉妹からのお花の前で。
終演後の笑顔! 父を囲んで。
原作の大江捷也先生(左)と父長谷川孝道。
本番中の写真は、主催者からいただいてからアップするとして、本日はリハーサルやゲネプロでの何枚かをご紹介。
熊本シティオペラ協会の佐久間伸一先生(総監督、ホムラ役)と孝之介。
原作の大江捷也先生、日本舞踏家で所作指導の高濱流光華々先生。ゲネプロをご覧になり笑顔!
リハーサルでの要求は厳しいけれどユーモアたっぷり。指揮の神宮章先生。
ゲネプロで。
「孝之介くんの曲に虜になりました」と何度も言ってくださった、演出の中村敬一先生(パンフレットから拝借)。
バレエ振付・監修の伴征子先生(右)、振付指導の前川智子先生とバレエダンサーズ。
左からアカネ役兼武尚美さん、衣装の志賀典子さん、笛姫役の福嶋由記さん、孝之介。
大江捷也先生とゲネプロでパチリ。
子供の合唱(熊本NHK児童合唱団)を指導された春日幸雄先生。
オーケストラのみなさんと。
客席は満員! 各地から応援に来てくれたみなさんに感謝♪
終演後、東京から駆けつけてくれた孝之介の友人たちと。
打ち上げに参加してくれたピアノランドメイトのみなさんや孝之介の友人たちと。
我が家はいつも誰かしらの本番があってイベント慣れしているはずですが、オペラは特別な大イベントでありました。お話をいただいてから数年がかりで迎えた本番は、本当に素晴らしいもので、孝之介はこれからも邁進していく覚悟のようです。音楽の道は本当に険しく、美しく、魅力的で、その頂を目指すのは並大抵のことではありませんが、音楽して生きていることそのものが幸せなのだから仕方ありません。
母は入院してベッドから起き上がることができませんが、心は共に舞台を見て応援していてくれたと思います。また、私の子供のころの恩師八戸澄江先生のご長男夫妻にご覧いただくことができ、とても感動したと言ってくださったのも大変嬉しく、その同門の春日幸雄先生がNHK熊本児童合唱団を率いて子供の合唱シーンを盛り上げていただいたのもとても嬉しいことでした。幸雄先生のご子息でバリトン歌手の保人さんはピアノランドフェスティバル熊本にゲスト出演していただいており、こうして何世代にもわたっての音楽教育が実を結ぶのだなとしみじみと思いました。
孝之介は東京に戻ってからも譜面に向かっています。私も頑張ろうと思います!
また、本番の様子や頂いた感想などは改めて日記第2弾に書きたいと思います。
熊本日日新聞、12日朝刊の記事。
12月24日のクリスマスコンサートに孝之介も出演しますが、昼の部に「笛姫」の旋律をピアノアレンジで演奏すると張り切っています。それ以外にも連弾や歌の伴奏で競演いたしますので、ぜひお聴きくださいね。夜の部は”ごきげんバンド”の一員としても演奏予定です。プログラムは下記のリンクでご覧になれいます。お楽しみいただければ幸いです。