3月2日(水)日経新聞朝刊の2面に、樹原涼子の記事が掲載されました♪

3月2日(水)日経新聞朝刊の2面に、樹原涼子の記事が掲載されました♪

日経新聞の朝刊の2面に? ピアノランド25周年にあたって先日取材を受けたけれど、それが2面に?
夕刊に小さく出るかもしれないと思っていたので、記事を見たときは本当に嬉しく、信じられない思いでした。
「旬の人時の人」という欄です。
コツコツ書いてきてよかったなと、『ピアノランド』シリーズだけではなく、25年にわたって書いてきた五線紙の厚みや、原稿の量を思い浮かべました。
ある日浮かんだ小さな楽想が徐々に膨らんで、音符1つ1つが積み重ねられて曲になっていくのに要した時間。
パソコンの前で書いたり消したりを繰り返すうちに、少しずつ増えた文字がいつか私の代わりに私の考えをストックして本になり、店先に並び、誰かの家に辿り着く。
それまで、編集者、家族、スタッフ、アイディアの源となった多くの出来事や諸々の事柄(それは本だったりお菓子だったり、自然だったり……笑)のおかげでぼんやりとしたものが形となり命を得ていくプロセスが、私の愛する「仕事」であると言えます。
 
 
な〜んて、グラミー賞を貰ったようなコメントになって我ながら笑ってしまいますが(笑)、やはり、これまで沢山取材を受けましたが、日経新聞は一味違います。
なんというか、私にとってはピアノランド25周年の年でもあり、グラミー賞くらい嬉しい記事でした。
 
2時間余のインタビューで、ピアノランドの特徴やら、これまで行なったピアノランドフェスティバルの様子やら、録音応募プロジェクトのことを一生懸命お話したような気がしますが、記事にしてくださったのは私にとって思いがけない部分ばかりでした。
 
 
と同時に、「なるほど!」と膝を打ちました。
専門的な内容もさることながら、新聞では、短い言葉で全体像をくっきりと表すことが必要です。
削りに削った内容、まるで和声の骨格のような部分だけが記事となるのですね。
 
 
樹原涼子の考えや樹原涼子の仕事の25年を凝縮すると、そういうことだったのだなと、私を要約してタイトルをつけて頂いたような気がしました。
本当にありがとうございました!
また、明日からコツコツと頑張ろうと思います。
 
 
 
ひとつ記事に付け加えるとすると、
「誰もみたことのないものが、みんなの欲しいものだったのでしょうね」という私のコメントについて。
今では、ピアノ教材にカラーのイラストがあり、タイトルと歌詞、伴奏があることも珍しくありませんが、ピアノランド以前にはそのようなスタイルの楽譜はありませんでした。
だから、作ったのです。
 
 
私は、絵本のように美しい、装丁にもイラストにも楽譜の浄書にも心を配った楽譜を作りたかったし、そこには、音符を音に置き換えていく練習ではなく、感情の動きや情景の美しさや面白いことを音楽にして、“子供達の心を動かしていく”、という目的がありました。
指ではなく、心を動かすピアノ教本を作りたかった。
 
 
それには、何よりもメロディと歌詞のコンビネーション、和声の動き、リズムの躍動感、全体が美しくカッコいいこと、何度でも演奏したくなること、楽しいことは続くのだから……という信念というか確信がありました。
その結果、全くの新人が書いたピアノ教本がいきなりベストセラー&ロングセラーになったのは、「こんな曲集が出来たら、絶対にみんなが欲しいはずだ!」と信じて書くことが出来たからだと思います。
 
 
その後、輸入一辺倒だった楽譜業界に、日本人が日本人のためのピアノ教材を作るという流れが生まれ、続々とイラストや伴奏付きの楽譜が誕生したのは、本当に嬉しいことでした。
 
 
「私が欲しいものがなかった」ことが「私がピアノランドを作る」きっかけにもなり、「輸入するばかりではなく、作ってもいいんだ!」という前例となって誰かの「私も作ってみよう!」に繋がったと思います。
何にせよ、次のことが起こるには、そのきっかけが必要なのですね。
 
 
「ピアニストとピアノの先生のレベルの差を縮めることが目標です」と言ったとおり、私が企画するセミナーは先生達自身の音楽力や聴く力をアップさせるものです。
教室経営に直結するかどうかはわかりませんが、音楽家として自分が成長する喜びに繋がることを目指しています。
それは、音楽はギフトだと思うから。
 
 
天からの贈り物で、子供達を苦しめたり、自分のストレスにしたりするのはもったいない。
音楽からは音楽の恵みを、喜びを受け取り、それを、連弾で誰かと分かち合えたらいいなと思います。
 
 
ちなみに、先生達のための小さなセミナーは3月5日に、「樹原涼子の名器を巡る旅第4回ファツィオリを弾く・聴く・学ぶ」は3月27日に、それ以降のスケジュールはこちらにあります。
 

日経新聞20160302取材記事

 

 

2016年ピアノランドシリーズ表紙写真

 
 

 

樹原涼子
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