ふるさと熊本でのピアノランドフェスティバル♪
今年で16回目を迎えるピアノランドフェスティバルですが、「東京、大阪、名古屋、それで、なぜ福岡ではなく熊本?」と何回尋ねられたことでしょう。
フェスティバルは通算16回目、全国ツアーをスタートしてからは故郷である熊本では毎年開催しているので、今年9回目。
福岡でもピアノランドメイト会員のみなさんのおかげで、過去4回も開催しています。
熊本でどうしても開催したかったのは、両親への感謝をこめて、そして恩師にも見ていただきたい、熊本から新しい才能が羽ばたいていくお手伝いができたら……という思いから。
ですが、私にピアノ人生をプレゼントしてくれた母は入院中、大好きだった故八戸澄江先生が車椅子で聞きに来てくださったことを思い出して楽屋前でツーンとなり、やはり、故郷での開催では胸がいっぱいになります。
妹も仕事で来ることができず、親戚に付き添われて父だけが会場で私を見守ってくれました。
でも、そんな私の心を奮い立たせてくれたのは、ボランティアスタッフからのサプライズ!
会場入り口に、なんと大きなポスターが飾ってあるではありませんか!
こんなにあたたかく迎えていただき、大感激。ありがとうございました♪
作曲をするのは、自分の内側から溢れて来るものを完成させたいという強い欲求があり、譜面にしていくプロセスではいろいろなことを考えながら命を削るようにして書き上げていきます。だから、これは自分との対話であり、自分への挑戦でもあります。
人前での演奏は、待っていてくれる方がいてはじめて成立するもので、お客様の心に全身全霊で届けたいと思うもの。だから、これは自分と(共演者と)お客様との対話であり、会場のみなさんとの共同作業でもあります。
今回は、私の楽譜集のための作曲時間確保がうまくできず出版は間に合わなかったので、書き下ろした数曲の中からお気に入りを1曲だけ演奏することにしたのですが、まだタイトルも決まっておらず、会場のみなさんにどんな印象だったか聞いてみました。
アンケートには、大人の方から「フランスの(ような)お洒落な感じがとても素敵です」、子ども達からは「花ばたけの川」「ふしぎなとびら」等タイトル案も。さて、東京公演でもみなさんに聞いてみたいと思います。
やはり、作曲家として、新作を発表しつづけることがどんなに大切なことか、アンケートに綴られたみなさんからの感想を読んで思いました。
早く弾いてみたい、早く出版してほしいという声は、本当に嬉しく励みになります。
もちろん、知っている曲や有名な曲を聴きたい人が沢山いるのも分っていますが、それらの曲もその曲が生まれたときには誰も知らなかった新曲だったのです。
愛された結果、誰もが知る曲になった、クラシックと呼ばれるようになった、ということ。
新曲に耳を澄ます、その喜びを体験していただける場を作っていくのはこの時代には大変なことですが、次の時代への贈り物を作っていくのは私達です。
そのことを忘れず、私は書き続けていこう、そして、作曲する人を育てていこうと改めて思いました。
そして、作曲の勉強の中で欠かせないのは“リハーモナイズ”の力です。
メロディに対してどのようなハーモニーをつけていくかによって、曲の印象はガラリと変わります。
その面白さを前面に出して、知っている曲を2通りのリハーモナイズで楽しむという連弾曲集を、次男樹原孝之介が出版いたしました。
各地で、師である小原孝さんと連弾していただいているのですが、熊本会場ではようやくこなれてきて(笑)、リハーモナイズのよさが伝わる演奏となりました。小原さん、ありがとうございました!
おかげ様で、『ふたりで弾こう!ピアノびっくり箱』はサイン会で売り切れとなり、孝之介は大感激。
東京会場では、また他の曲を演奏予定です。
順番は前後しますが、第二部、録音応募プロジェクト、公開レッスンを経て選ばれた子ども達のコーナー。
今年は応募数も増えて大激戦の末出演者が決まった熊本会場、どの子も力を出し切った素晴らしいパフォーマンスとなりました!
鳥居麻央ちゃん(年長)は、「わたりどり」を私と連弾、一生懸命な弾き歌いに会場はあたたかい空気に包まれました。
久保田凰世くん(小2)「レッサーピョン」は小原さんの伴奏で、堂々としたステージマナーと心のこもった表情のある演奏に大きな拍手が贈られました。
昨年につづいて作曲で出演した甲斐夏恩さん(小2)は、遊びの中から生まれた「おうまのかけっこ」をピアノのフタを使って「ひずめの音」を入れて、楽しく歌いました。
橋本奏実さん(小4)は、旅行先で「嘘鳥みくじ」を引いたことからインスピレーションを得て作った「うそ鳥さん」という、拍子が度々変わる不思議で素敵な曲を弾き歌いで披露。
月俣麻美さん(小3)は、ピアノランド5巻の「Dreaming」を私と連弾、プリモとしてぐいぐいと音楽を引っぱり、繊細な表現で客席を魅了しました。
演奏後の、子ども達の笑顔をパチリ♪(保護者の許可をいただいています)
「樹原先生と小原くんの爆笑レッスン」のコーナー、3会場めとあって“小原くん”のヒネリが冴え渡り、“樹原先生”は大変!
「1年かけて練習して来た」という小原くんのガンガン弾きの演奏の凄まじさに樹原先生は倒れそうになり(汗)、脱力を指導する…という設定は各会場同じなのですが、コロコロと変わっていくアドリブの応酬で、くまモンが登場した西宮に負けない盛り上がりでした♪
(西宮のピアノランドフェスティバルの模様はこちらでご覧になれます)
こうして、1つ1つのピアノランドフェスティバルが、かけがえの無いものとして記憶に刻まれていきます。
本当に、音楽は素晴らしい力を持っていますね!
演奏した子ども達、会場につめかけた子ども達の笑顔を忘れることができません。
そして、大切な1枚! ボランティアスタッフのみなさんとの記念撮影です♪
残すは8月21日の東京公演のみとなりましたが、今年のフィナーレを存分にお楽しみいただければ幸いです。
また、どんなハプニングが待っているか、私もドキドキです♪