「樹原涼子と名器を巡る旅 第1回 ベヒシュタインで樹原作品を聴く・弾く・学ぶ」無事終了しました!
本日3月5日、本当に企画、準備段階から今日までの大変さが嘘のように、「樹原涼子と名器を巡る旅」の第1回が、それはそれは楽しく、ステキに終了いたしました!
いろいろなピアノメーカーのショールームやサロンを訪ねて、その歴史、設計思想、どのような音を求めて作られたのか、演奏にあたってはどのようなことを知って準備すればよいのか等、ピアノの先生方とご一緒に勉強してみようと、2年間、数回にわたるツアーを企画。
そのツアーコンダクターとしての第1回を無事に終えて、本当にホッとしています。
ベヒシュタインの最高機種D-282の音色をサロンで聴き、マイスター加藤正人氏の解説を聞き、できれば自分でも演奏してみて、他の人の演奏も聴いてみる…それを一日で経験したのですから、参加された約80人の先生方は本当にラッキーだったと思います。
満席でお聞きになれなかった方、演奏の申し込み締め切り後に申し込まれた方、本当に残念でした。
第2回めの企画は6月3日(水)カワイ表参道のパウゼでShigeru Kawaiを予定です。近々、詳細をアップいたしますので、お待ちくださいませ。
北海道から倉敷まで、沢山の方が飛行機や新幹線でもつめかけ、汐留ベヒシュタインサロンは冷房を入れる程の熱気となりました。
まずは、私から、今回の企画の意図をお話したあと、『こころの小箱』から初めの4曲、『夢の中の夢』から「笑顔」、『やさしいまなざし』から左手のための「ふたり」を演奏しながら、ベヒシュタインのクリアな響きを生かしてペダルを踏むとすると、どのような可能性があるのか、実験しながら聴いていただきました。
短い時間ではありましたが、このような切り口はとても大切なことだと、大きな手応えを得ました。
いくら家のピアノで納得のいく演奏ができたとしても、本番で演奏するピアノの機種によって、音色、倍音の響き、ダイナミクス、音の減衰のスピードも、ペダルのかかり具合も、そしてホールの残響時間も、何もかもが異なる条件での演奏となるのです。
当然、同じ曲を演奏するとしても、テンポも表現もペダルも変わります。
道具が変われば、結果が変わる。だから、道具の使い方を知っておくのは大切なことではないか…と思うのです。
つづいてレクチャーのコーナーでは,ドイツピアノ製造マイスターの加藤正人氏が登場、映像を使ってクラヴィコード、チェンバロ、フォルテピアノの歴史解説を、そして、現在のピアノが大きく2つの系統に分かれていることや、作曲家と楽器製作者が協力してピアノを作ってきた過程などを解説してくださいました。
ベヒシュタインの工場ではどのようにピアノが制作されているのか、各部品の制作工程を詳しくお聞きして、クリアで美しい響きの秘密に迫り…いつの間にか会場のみなさんはすっかりベヒシュタイン通に!
もっと詳しく知りたい方,おいでになれなかった方は、ベヒシュタイン主催のセミナーに参加されるといいですね。
車でも、家でも、料理でも、何でもそうだと思うのですが(ピアノランドでもそうですが)、その、設計思想とも言うべきものが大切だと私は考えます。それを理解しているか否かで、結果が大きく変わります。
一流の楽器の設計思想を知ることで、音楽がさらに上質のものとなっていく。
その楽器の特性を生かして演奏する、あるいは、自分の音楽にふさわしい楽器を選び演奏する。
多分、これまで考えていなかった部分まで考える習慣がつけば、必ず、変化は訪れます。
そして、Q&Aのコーナーのあと、あらかじめ申し込まれた方達の樹原涼子作品の演奏タイムへ。
午前の部は10人、入りきれなかった方達14人は、午後に演奏、私はお一人お一人へのコメントを書きながら、後ろの席で聴かせていただきました。
どなたも、それぞれに美しい音色で演奏されていて、ペダルに関してもかなりの水準!
みなさん、ベヒシュタインの音色を楽しみながら、とても注意深くご自分の音を聴いて演奏されていました。
それぞれの方への細かいアドバイスはカードに書いて、来週お送りするつもりです♪
透明感があり、優雅で上品でありながら、ハッキリとした主張のある音色。
オーケストラの楽器のように、そのフレーズや役割にふさわしい音色を創る楽しみがあり、それらを弾きわける楽しみがあり、聴きわける楽しみもあることを、改めて思いました。
楽譜を研究するのがたまらなく楽しくなる、そんな楽器、ベヒシュタインを堪能した一日が終わり、本当に嬉しく思います。
この模様は、ムジカノーヴァ5月号に取材記事が、ピアノランドメイトvol.89には、記者の方の体験記(演奏されました!)でお楽しみください。
最後に、演奏者のみなさんと一緒に記念撮影♪ (事前にWeb掲載の了承を得ています)