アルゲリッチ音楽祭、行ってきました!
15日は、樹原涼子のコード塾、第2期生の最後の授業&卒業パーティーでした。みんなに力がついたことが実感できたのが、何よりの喜びです。私も学んだことが多く、第1期よりも充実した講義ができたような気がしています。みんながそれぞれのペースで成長していくプロセスがすごくおもしろくて、コード勉強会の立ち上げのエネルギーにもなりました。
卒業後、引き続き3期生になる人、コード勉強会やピアノランドコンサートの勉強会に進む人、すでにマスターコースを始めた人など、なにしろそのパワーに驚きます。ついてきてくれる人たちに、喜んでもらいたい、役に立ちたいと思うことが私のエネルギーなんだとつくづく思います。
でも、桁外れなエネルギーの持ち主、マルタ・アルゲリッチにはかないません。
17日、大分で開かれたマラソンコンサートに行ってきました!
去年の紀尾井ホール(10周年記念で東京でも公演がありました)も素晴らしかったけれど、やはり、音楽祭の地元で、その渦中で聴くと、イベント全体が醸し出す熱気も感じられて、本当に素晴らしかった!(取材で行った1999年の第2回のマラソンコンサートの迫力を昨日のことのように思い出しました)4時間半にわたって次々と繰り広げられる競演の中身はどれも凄くて、ため息も出ないほどです。
音楽って素晴らしい!堪能しきって喜びにヒタヒタに浸って、体中濃密な音に満たされた状態は、他のコンサートで味わえるものではありません。
具体的に報告しようと思ったのですが、やはり、行ってみないと。どこがどうというのではないのですね。みなさん、来年、行きましょう!
とはいえ、9つの演目から、せめていくつかはご報告しましょう。
アルゲリッチは、前半にハイドンのピアノコンチェルト二長調、ラストにブラームスのピアノ四重奏曲第3番を演奏。ハイドンでは、宝石のようなきらめく音色で、自在な表現に時を忘れ…桐朋の学生オケも、アルゲリッチの怒濤のようなドライブ感に食いついて3楽章のアレグロ・アッサイでは素晴らしい高みに…アルゲリッチの、若い世代への教育によせる並々ならぬ情熱を感じました。オケはリハーサルよりずっとよかったそうですが、なんて幸せな経験でしょう。音楽は、愛だ…と感動しました。
また、ブラームスは、マラソンコンサートの最後にふさわしく、これでもかこれでもかと言わんばかりの集中力と完成度で圧巻。ギドン・クレーメルの気品と知性あふれるヴァイオリン、他の曲では指揮でも活躍したユーリー・パシュメットの繊細で音楽性のあるヴィオラ、美しく優雅なチェロ、そしてみんなを音楽を奔流に巻き込みぐいぐいと引っぱり、命を吹き込むアルゲリッチのピアノ。繊細なバランス、生き物のようなダイナミクス、何もかもが夢のように美しい。特に3楽章のアンダンテはロマンティックで、どこか懐かしく、うっとりと味わいました。
特筆すべきはセルゲイ・ナカリャコフのフリューゲルホルンでの演奏。なんとハイドンのチェロコンチェルトを演奏!本当に楽しい演奏でした!
そして、ブラボーと叫びたくなったのは、ヴィヴラフォンのアンドレイ・プシュカレフ。バッハのインヴェンション4、9、2番を彼のアレンジで、限りなく Jazzyに聴かせてくれました。よく知っている曲たちが生き生きと跳ね回り、新たな魅力に輝いて、惜しみない拍手が送られました。そう、バッハはいつもクラシックをジャズに、ジャズをクラシックに連れて行ってくれる唯一の作曲家。この曲がラストから2番目を飾りました。ヴィヴラフォンのソロがラストのブラームスの前とは驚きましたが、聴いて納得、コンサートの副題『音楽の未来』にふさわしい演奏でありました。
今回、熊本のマスターコースの卒業生数人と、熊本から列車で大分入り、一緒にコンサートを楽しみました。音楽祭がスタートしたときからアルゲリッチの譜めくりという大役を務めているのも卒業生のひとりなので、裏方の苦労にも思いをはせながら…。大変なんですよ、譜めくりは!無事に務めを終えた彼女と終演後に会ったときは、もちろんエネルギーを使い切っていましたね。音楽祭を支える伊藤京子さんはじめ、たくさんの人たちの献身的な働きは8年前に取材した時からさらにパワーアップしていて、おかげ様で本当に幸せな時間を過ごすことができました!
この喜びと感謝の気持ちは、ピアノランドフェスティバルでたくさんの子どもたちにお返ししなくてはと思います。がんばるぞ〜!
翌日は、大分でピアノの先生の質問になんでも答える、というセミナー。特定のテーマがないのはスリリングで、多岐にわたる質問にお答えしてきました。みなさんがどんなことに困っているのかよくわかったのと、いくつものセミナーのエッセンスが凝縮される結果になったので、お互いにとても勉強になりました。次は、七夕の日に、静岡でもQ&Aのセミナーがありますが、どんな質問が飛び出すでしょう…。
帰りは、別府湾沿いにドライブをして空港まで。幸せで長い旅でありました。
来週26日は、大阪で“The Four Seasons ベスト・セレクション”のセミナーがあります。インフルエンザでの休校も今週いっぱいなので、通常通り行うとのこと。様子が変われば、ホームページでお知らせしますが、直前にはお店までお問い合わせくださいね。
それでは、長い報告を終わります!