まだまだ暑いですね。
鈴虫は鳴いているのに。お元気ですか?
9日は16日のライブのための練習に国立楽器へ。お客さんのいないホールでひとりベーゼンドルファーを弾いていると、大好きな音色に包まれて何だかとても幸せです。いい楽器で練習すると、ピアノが教えてくれるんです、どう弾いたらステキかを。“自分を出す”だけが演奏ではなくて、“楽器の力”を引き出して伝えたいことを形にするのが演奏なのだと、昔はわからなかった…。学生の頃は、とにかく一生懸命弾くだけで、楽器と会話をしていなかった、と気づくのも“経験”というものなのでしょう。
昨日は、久々にゲームデザイナーの桝田省治氏に「新曲2曲と、まだ聞いていないはずの曲も2曲やるから来てね」とtel。最近小説を出したそうで、お互いの本を交換する約束をしました。そういえば、8月中あまりに忙しくて、ライブのお知らせをしていないところもあって、さぁ大変! 本当はもっと営業しなくちゃいけないのでしょうが、次々にいろんな本番があって余裕がありません。
そのあと午後は国立音大のピアノ科のクラスで、ピアノランドメソッドの特別講義(2回)の1回め、なんだか音大独特の雰囲気がなつかしくて、思わず構内を散歩してしまいました。
昨年は、ピアノランドメソッド全体について1コマだけの講義でしたが、とても入りきれないので今年は2回に分けて行うことに。驚いたのは私のあと10月からは、バスティン、ペース、スオミ、御木本メソッドもそれぞれ2回ずつゲスト講師を招いて行われるとのこと! ピアノの先生の多くは社会に出て困ってからセミナーへ行くのですが、今の音大生は教室で、メソッドの創始者や、スペシャリストから本格的に学べるなんて本当に恵まれています。みんながいい先生になってくれるよう、願わずにはいられません!
でも、現役のピアノ科の学生さんたちほぼ全員がコードネームに自信がない、ミュージックデータも使ったことがないというのにはびっくりしました。若い感性で学んでおいて欲しいこと、プロになるには必要な条件であることを、次回、しっかり伝えなくてはと思います。まだ、この辺りを正式なカリキュラムに入れている音大は少ないのでしょうね…。国立では、学生が実際に生徒を教えていくのを先生方が指導するという、卒業後すぐに役立つ授業があるそうなので、これはいいと思いました。私も、“レッスンのレッスンをする”というセミナーができないものかと考えていたのですが、いつか実現させたいものです。
さて、私のかわいい生徒たちも発表会の練習に熱が入ってきました。私が自分のコンサートのために頑張っていると、みんなも自然とよく弾いてくるようになるのが不思議です。きっと子育てと一緒で、親の言うようには育たなくても、親のするように育つのと同じかもしれませんね。
それではみなさま、芸術の秋、9月16日にゆっくりと味わっていただけますように!