樹原涼子 ようこそピアノランドへ!

 
 
 

毎日本番で遅くなりました~ 東京での『こころの小箱』セミナーレポート!

 19日、国立のさくらホール。ピアノ曲集『こころの小箱』の演奏と解説で綴る第2回め。1回目は台風直撃の日でドキドキしながら会場に向かいましたが、今回は落ち着いた秋の一日、じっくりと音楽に向き合う時間を過ごしていただきました。
 久々にHPを更新するので、今回は『こころの小箱』を作曲中のこと、セミナーのこと、アンケートの人気曲の集計をまとめることにしました。


 3月11日を境に世の中が一変してしまい、新しい曲を書くことができずにフリーズしてしまった私。約束した楽譜が夏までに出来上がらないのではと、悶々と過ごし、心に汗をかいた辛い時間。何かしなくては、でも、何もできないと、誰もが思った長い春...。

 無理に楽しい曲は書けない。
 心を偽って音符を紡げない。
 だから、誰のため(大人、子ども)の曲か、難易度をどこまでに設定するか等、もう、気にするのはやめよう。とにかく、 ごく自然に心に溢れた音達を、ただただ書きとめていくところからスタートしようと。そうでなければ、一音も書けないと思いつめた私は、ムジカノーヴァの"耳を開く聴きとり術"の曲さえも、震災をテーマにして作曲したのです。そして、それらの曲は、なんと『こころの小箱』の楽曲の種となり、とくに「大空へ」は出版直後に大人気曲になりました。

 昼となく夜となく、いつのまにか夢中になって作曲を続け、とうとう1冊分の楽曲が出来上がっていました。気がつけば、音楽が私を救ってくれていたのです。.
 素直に、こんなに素直に次々と曲ができていくのは久しぶりで、嬉しいことでした。編集者のK氏は、どの曲の誕生も心から祝ってくれました。心の底から汲み上げた曲たちが、まるで神様の計画どおりであったかのように、本間ちひろさんの手による美しい表紙をまとい、1冊にまとめられました。

 嬉しいことに、多くの楽器屋さんで平積みになり、プロもアマチュアも大人も子ども、誰でも弾いて楽しめる曲集として広まり始めました。譜面は易しくても(とっつきやすい)表現するのはなかなかに手強い(弾き甲斐のある...)という、一番ステキな結果を、ピアノの先生達は喜んでくれているようです。本当によかった!


 19日の国立でのセミナー来場者は、すでに『こころの小箱』を弾いたり、レッスンしたり、発表会で取り上げたりしている方も多く、発刊後すぐに演奏されているという事実に大いに励まされました。母は、我が子の行く末が気になるんです(笑)。


 今回は連弾の4曲「明日はいい日だ!」「風はどこから」「こころに羽をつけて」「いかないで」を、ピアノランドスクール講師4人と1曲ずつ演奏。それぞれの個性も出て、本当に楽しかった! 連弾曲はどの曲も人気でした。

 とにかくこの曲集に必要なのは、透明感のある音色、感性、ドライブ感、歌心、そして細部までを聴き分ける集中力、聴く力、ペダリングのセンス...ということがわかりました。特に連弾は、お互いの揺るぎないテンポ感への信頼が大切です。どの曲も迷っている場合、待っている場合じゃない、というか...。


 また、ソロ曲は、みなさんの予想を超えてとても繊細だとの感想で、みなさん必死に解説をメモメモ!

 左手だけのための「想い出の小箱」には特に思い入れがあり、詳しく解説しました。これはまたいずれ、どこかに詳しく書きたいと思います。

 それから最後に、なんと倉敷から、「発表会で演奏する曲を勉強するために夜行バスで行きます」と聞いていたピアノの先生が、東名高速の工事渋滞で終了間際に駆け込まれるというハプニングがありました。お目当ての「いかないで」が終わっていてあまりにもお気の毒で「終了後に再度演奏します!」と申し上げたところ、ほとんどの方が2回目の「いかないで」までお付き合いくださって、会場は温かな空気に包まれました。みなさま、本当にありがとうございました!

 さて、ここで2回にわたるアンケートから、みなさんが印象に残った曲、好きな曲、弾きたい曲、生徒に弾かせたい曲の結果をご紹介します。

1位 大空へ      ソロ 歌詞付き
   明日はいい日だ  連弾
   いかないで    連弾
2位 想い出の小箱   左手のためのソロ曲
   心に羽をつけて  連弾
   言葉よりも    ソロ
3位 時の砂      ソロ
   明日への道    ソロ

 他の曲も、1曲ずつ、好きな理由が丁寧に書かれていて、感激しました。

 この『こころの小箱』18曲は、つづけて演奏していただけたら嬉しいです。ソロだけ12曲続けてもいいし、連弾を4曲続けていただいてもいいし。
 でも、18曲通して見えてくる世界があります。この1冊が、まるごと作品です。
 セミナーの最後に、18曲めの「想い出の小箱」を弾いたあとに、1曲目の「時の砂」「好きなこと」に戻って、ループしていく様子を聴いていただいたら大好評でした。
 そう、この作品はみなさんの心の中でずっと、絶え間なく流れている通奏低音のようなものかもしれません...。

 セミナーで、「全曲通して弾きたいな~」とつぶやいたところ、沢山の方が「通して聴きたい!」と言ってくださったので、そのチャンスを作ることに決定!!!

 12月24日(土)クリスマスイブに、恵比寿のアートカフェ・フレンズでクリスマスコンサートを開くことにしました。昼夜2公演の予定ですが、昼の部で全曲通しますよ~! 詳細は近々に発表いたします。お聴き逃しなく!

 それでは、いつもより長くなりましたが、秋の夜長にぴったりの「こころの小箱」、ぜひ演奏してくださいね。お元気でお過ごしください!

2011年10月25日 樹原涼子
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〔CD〕樹原涼子ピアノ曲集「こころの小箱」(2枚組)
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ピアノ曲集「やさしいまなざし」
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〔CD〕風はどこから
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ピアノ曲集「夢の中の夢」
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ピアノ連弾のための「ラプソディ第1番」
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ピアノ曲集 こころの小箱
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樹原家の子育て ―ピアノランドと笑顔の毎日―
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