残暑厳しい熊本でのコード勉強会を昨日(12日)終えて、早朝、福岡県柳川市へ向かう列車の中で、緑の山々を眺めながら書いています。テーマは「ソナチネの前に身につけたいテクニック」。
公開レッスンを除くと、九州でのセミナーは久しぶりで、本当にやり甲斐を感じました。震災や台風の被害が相次いで、明るいニュースが少ないこの頃ですが、そんな時ほど、音楽家の出番かもしれません。子ども達の日常生活の中に、"ピアノ"があることは、どんなに大切なことでしょう。
今日は、専門家を目指す子にも、そうでない子にも、しっかりと音楽の基礎を伝える大切さと、その中身についてお話をしてきました。たくさんのピアノの先生方と出会うことができました。セミナーを役立てていただければ嬉しいです!
ピアノ曲集『こころの小箱』の全曲セミナーが近づいて来たので、震災を挟んで作曲した小品達を改めて手にとっています。不思議なことに、この作品達は弾くたびに表情を変えるので、作曲者の私も驚いています。同じ月でも、見上げる時間や場所により、見上げる時の心の状態によって違う表情を見せるように...。
『ピアノランド』は、ページをめくるたびミュージカルのような楽しさを感じながらピアノが上達するようにと願って書きました。なるべく具体的に、タイトルや絵や歌詞で、曲の世界を感じられるようにと。
でも、『こころの小箱』は、私自身の心の奥深くに分け入って、心の底から汲み上げるように、自然とあふれてくる気持ちのままに作曲したものです。それは、生まれた、という感覚。こころの小箱の中にしまっていたものを、ふっと形にしたような感覚。そして、書かずにはいられなかったし、今、書くべきものだったのだという強烈な想い。
この時代に生まれた作曲家の1人として、この曲集が出版できたことを改めて幸せに思います。夏のツアーで数曲演奏いたしましたが、好評をいただき、すぐに重版になったこともとても嬉しく、皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです。
この秋から始まる『こころの小箱』のセミナーで、作曲や編曲、演奏や指導に役立てていただけるように、1曲ずつ丁寧に掘り下げて解説しながら演奏いたします。ピアノの先生方はもちろんですが、曲の解釈と演奏の関係を学びたい方、表現力を伸ばしたいと思っている方にも参考になると思います。
まずは国立、さくらホールでの全曲セミナーは9月21日、10月19日。
植田で、10月25日、倉敷では12月1日、1月26日に予定されています。ご案内はこちら。
今、樹原涼子が一番伝えたいことを、お聴きいただけましたら幸いです。
各地でのコンサートでも、もちろん『こころの小箱』も演奏いたします。
9月27日、愛知県蒲郡市の蒲郡生きがいセンターで、「樹原涼子の楽楽子育て応援プロジェクト」のトーク&コンサートが開かれます。ピアノの先生方のお招きで、子育てのお話とピアノ演奏、弾き語りをいたします。楽しいけれど大変な子育て、少しでも息抜きをしていただければと、託児付きのコンサートです。詳しくはこちら。
それでは、食欲の秋、美味しく召し上がってお元気でお過ごしくださいね!