ピアノランドフェスティバル2024 を振り返って
いよいよ本日8月20日から、ピアノランドフェスティバルの配信が始まります(9月30日まで)。
数日前に映像の編集チェックをしたとき、見終わってから「これまでのピアノランドフェスティバルとは何かが違う」とハッキリと感じました。
いただいた感想の中に「今年のフェスティバルは何だかしっとりしていましたね!」というのがあって、その意味が、ちょっと分かった気がしました。
あちこちにユーモアが散りばめられていて笑うところも沢山。
でも、様々な要素がごく自然に進行していくので、無理に作られた感じがしていないのがよかったなぁと。
元気な曲もじっくり聴いてもらえるような演奏を、と小原さんと話したことも関係しているかもしれません。
「こわ〜い部屋」では、会場の空気が一変。
小原さん、孝之介も真剣に演技しながらの演奏で、私の歌と表情が浮いてる感じが全くしない、一体感あふれるステージになっていました。
生で見てくれた皆さんの仰ったことの意味が分かりました。
作り物ではなく、本気であることって大事ですね。
五味太郎さんとの音楽絵本『こっけん』の曲も、まだ実物が出来上がっていない中で、曲だけを楽しんでもらえたのもとてもよかった。
映像を見て、芸術と真剣な遊びとは、全くもって区別できないものだなぁと思いました。
五味太郎さんから学んだ宝物のようなエッセンスも、多分、本番の演奏でも伝えられたと思います。
子ども達が最後までずーっと静かに聴き続けてくれていたのも、退屈する暇がなかったのだろうなと。
息つく暇も無く、まるで編集でカットしたみたいにサクサク次のコーナーに転換していて、本当によかった! 袖のスタッフも一丸となって進行できたおかげです。
音楽之友社の皆様、ありがとうございました!
音楽之友社の皆様、ありがとうございました!
(唯一、途中でちょっと泣きそうになった小さいお子さんに「泣いてもいいよ、寝ててもいいのよ。そこにいてくれるだけでいいのよ」と話しかけたところだけは編集でカットされていましたが)
後半の、小原孝さんの「弾き語りフォーユー」は「あし笛の踊り」「エリーゼのために」「小犬のワルツ」に会場はうっとり!
「どんな日も どんな日も」では、「若くして我が子を残して亡くなったピアノランドのイラストレーター岡さんの気持ちになって歌います」と話してから演奏したところ、子どもたちがとても真剣に聴いてくれました。
楽しいコンサートの中ではあるけれど、大切な人が死んでしまう、ということは日常と地続きだということや、みんなの両親はとても君たちを大事に思ってるんだよ、ということも伝わったかもしれない。
そして、さらに。
樹原孝之介が“HARA HARA 倶楽部”に書いてくれた新曲は、「世界が平和になりますように」。
多くの子どもたちが殺されていくガザの現状に対して、人間は一体何を学んできたのかと、僕たちは何ができるのかと真摯に問いかけ、やっとの思いで作詞作曲した作品だと声を詰まらせながら話すシーンは、動画で見てもグッときました。
孝之介の思いのこもったピアノで、小原さんと私はもう、無我夢中で歌わざるを得ない切ない曲でもありました。
譜面をもらったときにあまりにも跳躍やリズムが難しいので、「本番までに歌えるようになるかしら」と私が言ったら、「歌わなくて済めば一番いいけどね。早く、この歌を歌わなくていい日が来るといい」と言っていた言葉は忘れられません。
その後は、プログラム最後の曲である小原さんのボレロで、それまでのコンサートの流れを踏まえて「素晴らしい未来への足音になるように、と願いを込めて演奏します」と一言。
小原さんと孝之介と3人で作り上げたとびきりのピアノランドフェスティバル2024。
多くの人の心に、未来を担う子どもたちの心に、どうぞ届きますように。
写真は全て、ヒダキトモコさん。
いつも絶妙なシャッターチャンスで音が聞こえてきこそうです。
いつも絶妙なシャッターチャンスで音が聞こえてきこそうです。
皆さんもぜひ、ピアノランドフェスティバル2024をお楽しみください。