『ピアノランドプラス 四季のうた』mp3伴奏音源 誕生です! ピアノランドのミュージックデータ物語もどうぞ
12月4日、『ピアノランドプラス 四季のうた』の伴奏音源が mp3で発売されます。
これを機に、ピアノランドシリーズのミュージックデータの変遷とそれにまつわる思い出を書こうと思います。
【現在のミュージックデータ・伴奏音源発売状況】
まず、現在音楽之友社のweb ONTOMO shop では、ピアノランド1〜5、たのしいテクニック上中下、プレ・ピアノランド1〜3、ピアノランドコンサート上中下、以上の楽譜に対応する〈MIDI(GS音源・XG音源)のミュージックデータ〉と〈mp3の伴奏音源〉が発売されています。
元となる楽譜「ピアノランド」シリーズは1991年から現在に至るまで新刊を発表し続けてきましたが、現時点でシリーズ累計210万部に達したそうで、長く愛用してくださる方々には感謝しかありません。
本当に本当に、ピアノランドを楽しんでいただけて幸せです。ありがとうございます!
【ミュージックデータの開発理由】
ピアノランドのミュージックデータが普及したのは、ピアノランドが連弾でスタートするメソッドだからというのも大きな理由ではないかと思います。
連弾でスタートする理由は、音楽で一番大切なメロディーをピアノで歌えるようになって欲しいから。
ピアノという楽器は左手で伴奏、右手がメロディーという役割分担が当たり前となってしまい、左手の難しさに注意が奪われ、肝心のメロディーの表現が疎かになってしまうケースがとても多いのです。
弦楽器や管楽器では単旋律をいかに歌うか、という音楽の大切な部分に集中できるのに、ピアノではそれを学ぶ機会が圧倒的に足りないのです。
そう考えた私は、ピアノで単旋律を両手で受け渡して美しく弾くところを原点とし(それは、将来バッハの3声を弾くときの真ん中のパートの練習にもなる)、ハーモニーとリズムは先生の伴奏パートに集約させました。
それが教育的に功を奏したことで、自宅でも初歩の間は先生の伴奏パートに代わるものが欲しいと思い、オーケストラの伴奏が入ったミュージックデータを日本で初めて開発することにしたのです。
実は出版当時、ピアノランドの編集者と相談してその頃話題のヤマハ自動演奏ピアノに先生が弾く連弾の伴奏ピアノパートを入れたものを作って子ども達が自宅で連弾を楽しめたら!とヤマハに相談したところ断られ、いい方法がないかと思案していたところに、ローランドの創業者梯郁太郎さんから「面白いものがあるので浜松まで見に来ませんか」とお誘いを受けました。
浜松の工場に伺うと、梯さんは作業着姿で待っておられ、もうすぐ発売されるMT120Sという機器(シーケンサー)をご自身で丁寧に説明してくださって、私もピアノランドは何を目指しているのかを熱くお話ししました。
フロッピーに入力されたオケとピアノ、リズムパートを別々に再生できてテンポもピッチも変えられることに感動した私は、すぐに音楽之友社に報告して「絶対にこれを作りたい!」と相談しました。
MTという機械に出会ったときに、初歩のピアノのみならず、実は自宅でレコーディングの練習ができる夢のような機械だということが私にはすぐにわかりました。
当時、コマーシャルやアニメ、テレビゲームの音楽を作曲、レコーディングしていましたが、ピアノ奏者は「他のパートを聴きながら練習する経験」が足りなさ過ぎることを痛感、自宅でのレコーディング練習の方法を模索していたところだったのです。
【梯郁太郎さんとの思い出】
MTの機能を、こんなことができるなんて凄いでしょう!と得意げに、楽しく、力を込めて解説してくださった梯さん。
見せていただいた試作品では、メトロノーム音と共に光が点滅する表示でした。
私は梯さんの前で、セミナーで提唱している「リズムボール」を叩いて「拍と拍の間にあるこの空間を弧を描いて表せませんか? 点だけではダメなんです。 曲線を描いて次の拍の着地点を予測できることができたらいいのですが」と申し上げたところ、光が弧を描いて2点間を移動する仕様を実現してくださったのは本当に嬉しいことでした。
「あなたにこれじゃダメだと怒られたから、やってみましたよ」と、ずっと後になって笑っていらしたことが忘れられません。
社長さん自らが世界中のアーティストと話をされ、友人となり、音楽家が本当に欲しいものを作ることに徹していらしたなぁと懐かしく思い出します。
【ミュージックデータ 制作過程】
ローランドと音楽之友社との話し合いがまとまり、いよいよオーケストラ音源の制作にかかることになりました。
偶然にも、夫の大学の後輩である外山和彦氏がバークリー音大を首席で卒業して帰国、仕事の相談に来たところで、「それなら彼女の歌のCDと教材の編曲をしてくれないか」ということで、CD「ギリシャ神話のように」と「ピアノランド」全曲の編曲をお願いすることになりました。
外山さんは、私達夫婦の結婚パーティーの司会もしてくれた家族ぐるみの友人でもあり、ピアノランド各巻の目的を理解して素晴らしいミュージックデータを作ってくれました。
私からは入れて欲しいオブリガートや対旋律、使用楽器、イメージなどを伝え、外山さんがそれに応えると同時に素敵な味付けを加えてくれるところから始まり、何往復にも渡る細かい修正作業をしました。
それらがスムーズにできたからこそ、GS音源の良さをフルに発揮できるクオリティとなったのではと思います。
それらがスムーズにできたからこそ、GS音源の良さをフルに発揮できるクオリティとなったのではと思います。
お互いに遠慮していてはいい仕事はできません。
何かを形にするときに、制作に関わる人全てが完成形のイメージを共有できて、納得がいくまで諦めずに仕上げられるかどうかが一番大事なことです。
外山さんからは沢山のことを教えていただき、とても勉強になりました。
外山さんからは沢山のことを教えていただき、とても勉強になりました。
外山さんの編曲はもちろん、マスタリングの坂上さんも大変よく理解してくださって、当時の技術で最高のものに仕上げていただいたことは感謝してもしきれません。
【ピアノランド GS音源のフロッピーディスク発売】1994年
作品の制作年表を見ると、楽譜が出てすぐにミュージックデータも次々に発売していたのだなぁとびっくりしてしまいます。
1991年3月から翌年の2月までの1年の間にピアノランド全5巻の楽譜を出版、93年にはテクニック上中、94年に下巻、その秋にはなんとピアノランド全5巻のGS版のフロッピーディスクを発売しています。
(GSというのは、それまで世界で共有していてたMIDI音源「GM」をローランドがアップグレードした規格で、発表されるとその美しさが評価され瞬く間に広まった音源です)
他の教材(ピアノランドコンサート、プレ・ピアノランド、バイオリンランド)も楽譜出版後1、2年のうちにGS音源対応のミュージックデータを出版しています。
発売されたMT120Sは8万円台でしたが大変な売れ行きで、ピアノランドのデータ練習がどんどん普及していきました。
【ヤマハXG音源のフロッピーディスク発売】2000年
2000年には、ヤマハの伴奏くんに対応するXG音源でも発売することになりました。
「伴奏くん」ではGS音源のピアノランドのフロッピーが使えない、という苦情が殺到したそうで(仕様が異なりますので当然です)、どうしても開発して欲しいとヤマハから音楽之友社に申し入れがあったのです。
GS音源からXG音源に変換するだけなら簡単な作業に思えますが、単純な変換作業では全く音楽的に成立しない演奏になってしまうことがわかり、私は二の足を踏みました。
MIDI音源というのは「楽器ごとに指定された音色のパレット」があってそれをMTや伴奏くんが鳴らす仕組みです。
厄介なのは、GSとXGでは全く異なる美意識でパレットが作られていることです(統一しておいてくれるとよかったのに!)。
例えば、トライアングルの音色はGSでは高くて可愛い感じの音色(小さなトライアングル)ですが、XGでは低くて太い音色(大きなトライアングル)です。
その音色を前提に「可愛らしいイメージ」で作ったはずの音楽が、そのように聞こえなくなるという類のことが、あらゆる楽器で起こるのです。
全ての楽器の音色が違いすぎて、音のテイストもバランスも変わってしまい、一から作り直す作業に近いばかりか、すでに広まっているGS音源のイメージに近づけなくてはならないのに近づけないというジレンマ……。
初めは「できない」と答えましたが何度もお願いされ、「伴奏くんユーザーの方のためにもできる限りの努力をしよう」ということになり、これは外山さんと大変な苦労をして作りました。
このとき、素人目線では簡単そうでも実は困難なことがあったり、素人目線では難しそうなことでもITには簡単なことがあったりと、メカに弱い私が様々な仕組みを学べたことは、後々のための勉強にもなりました。
人生に無駄な出来事はない、作ってよかった、と思います。
【フロッピーからUSBへ】2010年
ところが、いつの間にかフロッピーディスクの時代は終わりを迎えることになりました。
フロッピー自体が生産終了で手に入らなくなり、データの保存はUSBメモリになったことを受けて、2010年にはピアノランド全てのシリーズのUSB版(GSとXG)が出ました。
ここは「データの入れ物が変わった」だけですが、やはり細々とした修正作業は必要で、出版社はその都度大変だったのではと思います。
ハードの方も、ローランドはMT90U、伴奏くんもMDP-30というUSB対応のものが発売されました。
【ダウンロード販売開始】2015年
そして、とうとうミュージックデータを「もの」としてではなく、本当に「データ」としてダウンロード販売する時代が来ました。
2015年、音楽之友社のWebサイトからダウンロードする方法で、MIDI(GS/XG音源)データの発売が開始されました。
それは、ローランドが2015年に Sound Canvas for iOS というiPhone/iPadで使えるアプリを安く発売したからです。
これまで数万円の機器で再生するしかなかったのが、数千円のアプリで、しかも携帯の中でできるというのは(もちろん、スピーカーを通さないとアンサンブルはできませんが)ユーザーにとって大きな喜びでした。
【ローランド Sound Canvasの発売、サポート中止】2020年
ピアノランドのミュージックデータが簡単に使えるとユーザーに人気だったSound Canvas が、2020年11月に突然販売もサポートも中止してしまいました。
音楽之友社にも、作曲者である私にも何の連絡もなく、私は途方に暮れました。
一体何が起こったのか!?
出版社からも私からもローランドに何度も尋ねましたが、「終了しました」ということ以外、理由や経過の説明もなく、しばらく待っていれば再開されるのか、それとも新しいものが出るのか、全てが終わってしまったのか、何もわからない状態が続いたのです。
30年前のデータ制作時にお世話になった方は皆さん退職されたり他の部署に移動になっていて、私は途方にくれました。
梯郁太郎さんが生きていてくだされば、と何度思ったことでしょうか。
機械であれば販売を中止しても、壊れるまで使うことができます。
ですが、今回は毎日のようにレッスンで使っていたミュージックデータが、iPhone、iPadをアップデートした途端、Sound Canvasが使えなくなる、つまり再生されなくなるなんて!
こんなに苦労して作ってきたピアノランドメソッド14冊分、数百曲のミュージックデータ。
購入して使えなくなった皆さんはどうすればいいのか?
ショック状態の中、ユーザーの皆さんも大変困って私の事務所にも、音楽之友社にも沢山の苦情や相談が来ました。
「まずは、ローランドにアプリの復活をお願いしてみましょう!」と、沢山の方が一緒に要望を伝えてくれました。
それほどまでにピアノランドのミュージックデータを大切に思っていただいて、なんと有難いことでしょう。
発売後30年経ったデータがずっと愛されていることへの感謝の思いでいっぱいになりました。
泣いてばかりもいられません。
何とか、iPhoneやiPadで再生できるミュージックデータを作るためにはどうしたらいいか、その道に詳しい方や技術者、音源制作に携わる方を訪ねて伺ったり、調べたりの日が続きます。
ですが、なかなか今まで通りの使い方ができる方法は見つかりません。
アプリを開発するのは、専門の会社でチームを組んで予算を組んで何年もかけることですから、楽譜出版社や作曲を生業とする私の手には負えません。
そんな中、ピアノランドメイト会員の方から「mp3での発売はできますか?」と質問をいただきました。
「そうか、GS音源をそのままmp3にして発売することならできるかも?!」と一筋の希望の光が差し込んできました。
もうローランドに働きかけるのを諦めて、熱心なピアノの先生方と一緒に音楽之友社にmp3での発売をお願いをすることにしました。
もちろん、音楽之友社も、楽譜を愛用してくれる皆さんがどうやったら喜んでくれるのかを必死に考えてくださって、とうとう2022年にピアノランド全てのラインナップでmp3が完成! 発売していただくことができました。
一緒に心配、応援してくださったピアノランドメイト、ピアノランドファンの皆様、本当にありがとうございました。
mp3という形を得て、再度ピアノランドシリーズが復活できたことは、本当に大きな喜びです。
連弾ではマイナス1、6手連弾ではマイナス2、もちろんオーケストラのみのバージョンが初めから入っているので、どれかをミュートする手間もなく、間違いなく「目指す曲の目指すバージョン」が再生できて便利にもなりました。
すでにmp3を使いこなしている方は、iPhoneやiPadのでは「anytune」、Androidでは「音楽スピードチェンジャー」というアプリで、テンポを変えて再生、レッスンで活用していることも教えていただきました。本当によかった!
後日談
なぜ、突然、このような事態になったのかが随分後からわかりました。
中の人から伺ったのですが、Sound Canvasが発売中止になったのは、担当していた技術者が辞めてアプリの更新ができなくなったからなのだそうです。
え?
そ、そんなことがあるのですね。
あるかもしれない……。
他の人にはできないってことが……。
世の中には、継承されずに消えていってしまう技術があるのですね。
見えるところにも、見えないところにも、それはきっと沢山あるのでしょう。
技術は人についてくるのだそうです。
それを聞いて、私は何だか少しスッキリしました。
考えてみれば、多くの技術者の皆さんが積み上げてきたもののおかげで、今日私たちはパソコンやスマートフォンを使い便利に暮らしています。
たまたまピアノランドを世に広めてくれたアプリのメンテナンスをできる人がその会社からいなくなってしまった、ということだったのか、なんだ、そうだったのか、と。
事後の対応は残念でしたが、だからと言って、この30年余り沢山のピアノランドを使う人たちがお世話になってきたことへの感謝の気持ちは変わりません。
技術者の皆さんのおかげで、私たちは素晴らしい練習方法を手に入れることができました。
音楽の発展のために尽くしてくださった顔も知らない方々へ、心から感謝を捧げます。
【今後発売する楽譜のデータは、mp3です!】2023年12月
現在発売されているのは、ピアノランドの下記のシリーズ、MIDI音源のGS XG、そしてmp3 の3タイプで、web ONTOMO shop で購入できます。
ダウンロードや使い方など、詳しくはwebページをご覧ください。
ピアノランド1234 5
ピアノランドたのしいテクニック上中下
プレ・ピアノランド123
ピアノランドコンサート上中下
そして、今後出版予定のピアノランド 「プラス」シリーズの伴奏音源は、全てmp3での発売です。
下記の伴奏音源のオーケストラ編曲は樹原孝之介が担当しています。
『ピアノランドプラス 四季のうた』mp3 12月4日発売
『ピアノランドプラス だいすき くまモン』mp3 2024年発売予定
新しい「プラス」シリーズ以降の mp3 は、これまでのGS・XG音源とは全く違う音質でお聴きいただくことになります。
なぜなら、MIDI音源はそれぞれのメーカーが決めた音色のデータしか使えなかったのですが、mp3 になると、世界中にあるあらゆる音源からチョイスすることができるからです。
ピアノランド「プラス」シリーズは、樹原孝之介がミュージカルやテレビゲームの音楽を制作するために使っている、彼の持つ音色のパレットの中から、曲ごとに選ばれた音色が使われています。
このように、無制限の音から組み合わせて伴奏音源を作れるところが、MIDI音源でのミュージックデータと異なるmp3のいいところです。
つまり、皆さんが普通に購入するCDと同じ方法で録音されたもの、というわけです。
そうそう、プラスシリーズにはピアノのイントロの前にオケのイントロが入っているので、ごく自然に音楽の流れに乗る練習ができます。
一度聴けばわかる! 音楽的な流れを耳でつかむトレーニングが自然とできます。
曲中でのフェルマータ、rit.やaccelerando も、オケに合わせて自然に練習できるようシミュレーションを重ねました。
プラスシリーズは、本当に美しく、愛に溢れた編曲です。
樹原孝之介世代の若さとエネルギー、ミュージカル的な雰囲気が感じられる編曲もあれば、昔のメヌエットのオーケストラ編成や楽器の用い方を取り入れた優雅な曲もあります。
大人の皆さんも、ぜひ、心ゆくまでお聴きください。
鑑賞して、演奏して、楽しんで、幸せな気持ちになれる伴奏音源が出来上がりました!
【mp3でもパートキャンセル、テンポやピッチの変更OK】
ピアノランド、およびピアノランドプラスのmp3 では、初めからマイナス1、マイナス2、オケのみのバージョンが入っています。
手元でキャンセルする必要がありません。
再生するときにミスなくできるので安心、かつ便利です。
テンポやピッチを変えたいときには、iPhoneなら「anytune」、Androidなら「はやえもん」などのアプリ(無料・有料)を入れると便利です。
その案内も、Web ONTOMO shop でご覧になれます。
これらは曲を耳コピするときに使っている方も多いそうで、本当に時代はどんどん変わっていきますね。
私も、まだまだ時代に取り残されないように頑張らなくてはと思います。
【まとめ】
駆け足で、これまでのピアノランドのミュージックデータの変遷と、これからのピアノランドプラスの伴奏音源について書きました。
ピアノランドのミュージックデータは来年の秋に発売30年を迎えます。
このような年月に耐える編曲をしてくれた外山和彦さん、本当にありがとうございました!
このデータで育った次男孝之介が新シリーズの編曲を担当していることを考えると、本当に胸がいっぱいになります。
フロッピーで17年、USBで5年販売後、データでのダウンロード販売に転じて8年が経ちました。
昨年からはピアノランドのmp3 販売もスタート。
時代の変わり目に消えていくコンテンツも多い中、しぶとく30年続いてきたのは、本当に多くの方がピアノランドを大切に演奏し続け、次の世代に引き継いでくれてきたお陰です。
ありがとうございます!
最後に一言……
最後に、申し上げたいことがあります。
特に、コロナ禍で辛い時期に起こったSound Canvasの終了問題では心に痛手を負い、原因がわからない中で解決策を見つけなければというプレッシャーを抱え、なかなか積極的に発信することができなかったことを、ピアノランドファンの皆様に改めてお詫びいたします。
購入されたデータが使えなくて不便な思いをされた方々に、心からお詫びを申し上げます。
やっとこうして解決策を見出し、ピアノランド、そして新しいシリーズをmp3 で発表できるところまで漕ぎ着けて、皆さんにこれまでの経緯をお話しすることができました。
このmp3 が、皆さんのお役に立てることを心から願っています。
長期間に渡って苦しさを共有してくれた担当者の皆様、力になってくださった皆様に、心から御礼申し上げます!
右肩上がりではない時代です。
私の願いは、ピアノを奏でる喜びを一人でも多くの人に知ってもらうこと。
名前も知らない誰かが、音楽で幸せな時間を過ごせるよう、私にできることをして生きていくことです。
誰に媚びることなく、自分が美しいと思うものを書いていく。
自分の直感を信じていけば、きっとそれを美しいと思ってくれる人もいるはず。
作曲家にできることは限られていますが、自分の音楽を形にして届け、少しでも恩返しができればと思います。