故郷熊本でオール樹原涼子プログラム 鳥越由美ピアノリサイタル

故郷熊本でオール樹原涼子プログラム 鳥越由美ピアノリサイタル

熊本で、拙作『やさしいまなざし』を中心とした演奏会(3/27)があり、印象に残ったことを忘れないように書いておきます。

 

 

鳥越由美さんのCD「やさしいまなざし」発売記念リサイタルツアーの最後は、私の故郷熊本のラフカディオホールで開催されました。

 

父が、病気の母を看病する優しい眼差しに感動して書いたピアノ曲集『やさしいまなざし』は、故郷の自然と両親への想いが詰まった作品です。それを、鳥越さんはとても気に入って2年前にレコーディングして、大切に弾き続けてくれています。
昨日も、慈しむように奏でる鳥越さんの深い音色に、天国の父も聴き入ったのではと思います。面会はできなかったけれど、母の耳にも届いたのではと思いながら、聴きました。
なんと、3月27日は両親の65回目の結婚記念日で、偶然にもその日に演奏会が決まったのも不思議なことです。
とても個人的な想いから生まれた作品が出版され、誰かに愛され、それを弾いたり聴いたりしていただくうちに、いつの間にか私の曲は「誰かの個人的な曲」になっていくんですね。

全曲が樹原涼子作品だったので、自分の曲がどんな世界観を持っているのかを、鳥越由美さんの演奏で客観的に聴くことができました。これは、自分で演奏するのと違って、とても面白い経験でした。

東京で聴いたときには鳥越さんのドキドキも伝わってきて、私もちょっと緊張して聴いていましたが、今回は故郷で、しかも両親ともよく出掛けていた紅蘭亭に新しくできたホールということで、素のままの自分で聴きました。

 

 

 

前半は『やさしいまなざし』の全11曲。
思いの外、私の曲はゆったりとした時間でできていました。鳥越さんは「演奏していると樹原先生が耳元で喋ってるみたいな気がした」そうで、お客様によると「樹原先生が弾いているのか鳥越さんが弾いているのかわからないような不思議な感じ」「樹原先生の声のような音楽だった」「情景が見えるようだった」等々、私の心の中にある景色や時間を、皆さんが感じとってくださったようでした。

なるべく音を削ぎ落として美しいピアノの響きを求めて作るので、その音数の少なさ故に、1音の意味を表現するのが簡単ではなく、決まった形式から入るのでもなく、派手でもなく、奇をてらうのでもなく、水が流れるように風が吹くように音楽が流れていく。作ったというよりは光や風の中から立ち現れ、寂しさや悲しみや喜びをすくい取って生まれたような曲たち。

そうか、そういう曲を書いているんだ、私は。
他人の書いた曲を聴くように初めて耳にしたようで、面白い体験でした。

 

 

 

後半の最初は、折角私も里帰りしているのだからと連弾することにして、鳥越さんが選んだのは演技付きの「楽興の時」(連弾組曲集『時の旅』の組曲「美しい時間」より)。
これは、演奏中にセコンドが居眠りをしてしまうのをプリモが怒る!というちょっとしたやりとりを音楽で行うシーンがあるのですが、鳥越さんが、怒ったところからすぐに音楽に戻らずに、なんと泣いてしまう!という予想外の演技に突入(汗)。
もう、おかしいやら困ってしまうやらで、何だか大変なことになってしまいました!

 

 

 

 

ここで一気にアットホームな雰囲気になり、宮谷理香さんに捧げた「巡る」、舘野泉先生に捧げた「季節の三部作」、小原孝さんに捧げた『ラプソディ第2番』ソロバージョンと続き、鳥越さんの本領発揮となりました。

とてもよく鳴るスタインウェイのフルコンを、美しいピアニッシモで操ることができるピアニストが演奏するとき、響きの芳醇さや煌めきや、香りや潤いが客席に届きます。
これは、とても大事なことで、楽器と闘ったり征服したりしないで、楽器を味方につけて一体となること。
ピアノランドメソッドを通じて伝えてきたことを、ピアニストとして実践してくれているのも嬉しく、全身が耳になったように弾く姿を嬉しく見つめていました。

これからも樹原作品のレパートリーを増やし、研鑽を積みたいという鳥越さん。
作曲家として嬉しい一日でありました。

 

 

 

 

両親と縁ある皆様にもおいでいただき、お話しできたのも嬉しかった!
何もかも、繋がっている、と思えた一日でした。
鳥越さん、企画してくれた河越さん、ありがとうございました。
また、当日お手伝いしてくださった皆様、ラフカディオホールの葉山さん、ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。
お転婆だった(木登りしていた私を見て、立派なお坊ちゃんでと言われていた……駆けっこ大好き)頃の記憶が根っこにあって、熊本の自然や友達やピアノの先生に影響を受けたこと。
そして、ピアノがあったから何度転校しても私は挫けなかったのかもしれない、音楽を仕事にできて本当によかったと、母に、そして父にも感謝の気持ちが溢れます。

私は、またこれからも「時」を音符にしていこう。
マイペースで、ゆっくりと、両親からもらった生命を音楽で燃やしていこう。

 

 

私の大切なピアノ仲間の皆さんと。
多くの方のご協力、心から感謝申し上げます!

 

 

 

鳥越さんの作陽音楽大学での憧れの先輩、吉武裕美さんがラフカディオホールとのご縁を繋いでくれました。

 

 

コンサートの後は、熊本の夜桜を楽しみました。
忘れられない一日の終わりに相応しい、熊本城の桜です。

 

 

 

 

 

 

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