作曲家談話室3『ある日、オリーブの丘で』初演いたしました!

作曲家談話室3『ある日、オリーブの丘で』初演いたしました!

お陰様で、11/2(火)カワイ表参道での作曲家談話室3『ある日、オリーブの丘で』の初演を無事に終え、感動の余韻がまだ続いています。

ひょんなことから生まれた春畑セロリさんと轟千尋さんと私の3人の作曲家談話室。そもそもは、Facebook上での作曲家のお喋りの続きをステージでやろう、お互いの曲を分析したり演奏したりしちゃおう!というお遊び的な感覚で始まったのだけど、そこから、3人でリレー連載をする「お話と音楽のバトン」企画が生まれ、イラストの本間ちひろさんと共に1年間のムジカノーヴァ連載と数ヶ月の楽譜作りを経て、1冊の楽譜が誕生したのです。

 

 

 

お話と音楽のバトン『ある日、オリーブの丘で』
音楽之友社 ¥1,800+税

 

 

何かが誕生するとき、色々な偶然が重なり、神様が采配してくださったのかなぁと思うことがあるけれど、今回は正にそう。「一人一人が前の人からのお話と曲を受け取って、物語を紡いでいくのはどう?」と、言い出しっぺの私が「ぼく、友だちができた。」という話と曲を書いたときには、こんな感動的な話になるとは夢にも思いませんでした。全体の設計図はなく、「バトンを受け取って2週間で次の人にお話と曲を渡した上にイラストまで描いてもらっての連載」だから、「受け取るまでなんの準備もできない」のもなかなか大変なことでした。

これを続けることができたのは、「このバトンがなければ生まれなかった曲たち」を、全国の子どもたちに届けたいという思いがあったから。1冊で3人の日本の作曲家の様々なスタイルの曲を、ストーリーと絵を楽しみながら演奏してもらえたら、という大きな夢の力でもあります。

まるでオペラやミュージカルのように、総合芸術として味わってもらえたら本当に嬉しい!

 

 

作曲家3人が本気になって楽しみ、苦しみながら、本間ちひろさんの素敵な絵に助けられて連載を終えたときもかなりの達成感があったのです。が、連載が終わるや否や、音楽之友社で楽譜化のプロジェクトが始まり、なんと本間さんが全ての絵をカラーでリライト、それをモノクロの濃淡で楽譜に使い、絵本のような楽譜にするという……!!!

こちらは、当日入り口で皆さまをお迎えした原画4点。

 

 

 

 

一冊にまとめるにあたって改めて文章を吟味、楽譜をチェック、大きな流れのもとに全体を見直す作業も大変なものでした。何しろ、お話が完結して初めて全員に全貌が見えたのですから。

「バトン」を繋ぐ1年間のハラハラドキドキは相当なものだったなぁ、と振り返って思います。

それらの苦労が実って迎えた初演は、東京都の感染者が一桁になった翌日、秋晴れの美しい表参道のど真ん中で。

「作曲家談話室、うちでやりませんか?」と言ってくださった甘利さんのおかげで現実のものとなったイベントの3回目。カワイ表参道にはカメラ3台とプロジェクターが用意され、甘利さん、調律の小野寺さんはじめカワイのスタッフの皆さん、音楽之友社の皆さんが、物語が始まるのを待っていてくれたのでした。

 

第1部 作曲家トーク

 

 

 

 

第1部では、そんな経過や心境を作曲家3人でワイワイと語りました。

そして、いよいよ第2部は『ある日、オリーブの丘で』上演です! その前に、聴きどころをちょっとだけ解説して……。セロリさんが、五音音階やモードの解説をしているところです。

 

 

 

 

第2部 上演 『ある日、オリーブの丘で』

3人で4周、お話と曲と絵の1セットが12セット、約30分の上演は、なんだか夢の中にいるような気持ちで演奏しました。タイトルだけでは想像しにくいかもしれませんが、私が誕生させた「ぼく」に千尋さんが可愛い「ともだち」を登場させ、セロリさんが不思議な世界へと誘い込み、物語は思わぬ方向に展開していきます。

12曲中10曲はピアノソロ曲。
私が作曲した4曲目の「草原の夜明け」は連弾で、7曲目「どこにいるの?」は二重唱なので、作曲をしている樹原孝之介が助っ人に来てくれて久しぶりに親子共演となりました。

本間さんの自然な声に導かれるように、会場の皆さんも私たちも、いつの間にか物語の住人となりました。

 

 

 

 

 

お話&ピアノ曲
1 ぼく、友だちができた。 お話/作曲:樹原涼子
2 おめかしピノア     お話/作曲:轟千尋
3 泉のほとりには……   お話/作曲:春畑セロリ
4 草原の夜明け      お話/作曲:樹原涼子 連弾プリモ:樹原孝之介
5 朝の歌         お話/作曲:轟千尋
6 と、も、だ、ち?    お話/作曲:春畑セロリ
7 どこにいるの?     お話/作詞・作曲:樹原涼子 歌:樹原涼子&樹原孝之介
8 ゆっくり、しずかに   お話/作曲:轟千尋
9 きっと、だいじょうぶ  お話/作曲:春畑セロリ
10 川の向こうには      お話/作曲:樹原涼子
11 あの丘に           お話/作曲:轟千尋
12 オリーブの木の下で    お話/作曲:春畑セロリ

 

 

 

 

 

初演が終わったときの喜びと解放感はなんとも言えないものでした。30分の旅ではなく、1年半の旅が無事に終わったのです。主人公や登場人物(人ではない方が多いけれど!)の人生を、ドラマを、ちゃんと伝えられた喜び。

千尋ちゃんのキラキラとした音や1音に込める想いの深さ、セロリさんの表現する大きな世界観とユーモア、本間さんの魂のこもった絵と朗読の不思議なハーモニー、孝之介と寄り添いながら一つの景色を作る楽しさ。全てが一瞬のことでした。
みんな、本当に大好きだなぁ。なんて素敵なんだろう。

お客様の集中度の高さとあたたかい拍手に包まれて、出演者一同、心からほっとしました。すご〜く嬉しそうな千尋ちゃんと、ニッコニコの本間さん、そしてガハハって感じのセロリさんと目を見合わせて、こんな音楽が凝縮された楽譜が出版できたんだなって、じわっと込み上げるものを感じた一瞬でした。

 

 

 

 

左から、樹原孝之介、轟千尋、春畑セロリ、樹原涼子、本間ちひろ。上演後にお客様の撮影タイムを設けました。

この写真は、その時に私の新刊『教える人も習う人も幸せになる ピアノランドメソッドのすべて』でイラストを担当した綾幸子さんが撮ってくださったものです。綾さんからは、「一つ一つの音がキラキラ輝いて、お話が目の前で進んでいくような不思議な感覚で、感動しました。皆さまの曲もそれぞれ個性がありながら、お話を構成していて、素晴らしかったです。作曲のご苦労などうかがえて、楽しかったです。絵本でも楽しいし、一曲だけでも楽しくて、一粒で二度美味しい本というか贅沢な本ですよね。帰ってきたら、超現実(涙)で、あたふたしていますが、昨日の美しい世界を思い出して頑張ります。」とのメールをいただきました。ありがとうございます!

 

 

 

第3部 アフタートーク お客様も一緒に

初演に立ち会ってくださったお客様に心から感謝申し上げます!  

こちらは、会場からの質問、感想を伺っているところです。

 

 

 

 

最後に、編集者山本美由紀さんから、巧みに3人の作曲家をコントロールする立場から書かれた、本書の企画書の極秘部分、3人の本性についての発表があり(笑)一同大ウケの瞬間を。よかったら、拡大してください😆

 

 

 

感想を、ありがとうございました!

 

Shigeru Kawaiの豊潤な響きで三人三様の曲と音色をお届けできたようで、当日夜のClubhouse樹原涼子とゆるりと過ごす部屋でも、沢山の感想を伺うことができて嬉しかったです。昼夜参加の皆さま、ありがとうございました!

印象的だった感想をいくつか。「家に帰ったら自分でも弾きたくなって、すぐに1冊全部を演奏しました」というMさん! 「それは、初演に次ぐ2回目の演奏ですね~♪ 」とお話したのですが、帰宅後すぐに全曲演奏した方が他にもいらっしゃいました💖

また、カラーのスクリーンを見ながら絵の世界に没頭して音楽を聴いた方、楽譜を見ながら「ここからこんな音楽が生まれるなんて!」と作曲者の演奏を生で聴いて驚かれた方、「楽譜に書ききれないものを味わいました」「朗読が素敵で、世界が広がりました」「朗読と演奏のアイコンタクトがよかった」「同じピアノを弾いているとは思えない音色の種類がいっぱい聴けました」「イラストに色を塗りたくなりました」等々、書ききれないくらいいただき、ありがとうございました。

 

 

共著者のセロリさん、千尋さん、絵と朗読をしてくれた本間さん、共演の孝之介くん、お陰様で心から楽しめた1日となりました。そして、『ムジカノーヴァ』の連載中からお世話になった編集長の西脇さん、音楽之友社の中澤さん、営業の亀田さん、宍戸さん、web ONTOMOの和田さん、編集担当の山本さん、準備から終演、最後までありがとうございました。

作曲家談話室誕生の瞬間から今回の公演まで、全てお世話になった甘利さん、ありがとうございます。編集が出来上がるのを多くのかたが心待ちにしていますので、どうぞよろしくお願いします!

そして調律の小野寺さん、気持ちよく演奏できました。ありがとうございます! 当日お世話になった猪狩さん、吉田さん、売り場の中條さんも、大変お世話になりました。

今回のように、とても多くの方とのコラボレーションで出来上がった本番は、終えた後の感謝の気持ちが溢れます。

読者の皆さんに喜んでいただけたら、という大きな目標が達成できるよう、作曲家談話室一同、これからも努力していきたいと思います。

 

 

当日のプレゼントの絵葉書と缶バッジ

 

 

🍀カラーイラスト、ダウンロードできます!

今回のカラーイラストは、皆さんが発表会などで演奏するときにお使いになれるようにと、ダウンロードできるようにしてくださるとのこと。楽譜の最後のページ奥付にあるQRコードから、またこちらからも音楽之友社のホームページに飛べますが、近日中にそちらで公開されるとのことです。

 

🍀本公演を、配信でご覧になれます!

11月2日の公演の模様は、11月20日より12月19日午後9時まで、配信でもご覧いただけます。トークも上演も丸ごと、ぜひぜひお楽しみくださいませ。¥4,000です。

配信のお申し込みリンク

 

 

♦️樹原涼子の今後の予定です。

2021年 11月 15日(月)

『ピアノランド こどものスケール・ブック』3回連続セミナー 配信第3回 調性以外のスケールやモード 子ども達が聴き分け、使いこなせるようになる指導法NEW

ペンタトニック・クロマティック・ホールトーンスケール、モード等、分析と演奏に使える育て方

1、2回目のセミナーも上記のサイトに情報があり、同時にお申し込みいただけます。いずれも、12月31日までご覧になれます。
ピアノランドメイト事務局
03-5742-7542
info1@pianoland.co.jp

2021年 12月 2日(木)

マスタークラス 第23回 「自分の中の指揮者を育てる方法」 ゲスト:伊藤玲阿奈 午前:講義 午後:公開レッスンNEW

樹原涼子が伝えたいことを伝え尽くすためのクラス

講義:10:20〜12:30 公開レッスン:13:30〜17:15

エナスタジオ (東京都渋谷区恵比寿)

♦️クラブハウスは(火)(土)の夜9時から約1時間お喋りや音楽をお届けしています。
スケジュールはこちらからどうぞ。

 

 

 

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