樹原涼子門下生「楽しい音楽会」は、本当に楽しかった!
もう1つ嬉しかったのは、私のピアノ曲集『こころの小箱』や『やさしいまなざし』等の編集を担当した音楽之友社の亀田正俊さんが、それらの中から2作品の演奏で参加してくださったこと。さすがに一音一音への思い入れが深く感じられました。亀田さんに励まされながら、東日本大地震後に『こころの小箱』を作曲した日々が思い出されます。担当した作品をみなさんが演奏される現場をご覧になるのもまた、編集者としての喜びではないかと、私も嬉しくなりました。
とても素敵な演奏で、コントラバスという楽器の、そして髙杉さんのファンが増えたコンサートタイム。
サン=サーンスの「象」では、これまで聴いたことのない低音の響きに、子供たちは釘付け。
ラフマニノフの「ヴォカリーズ」は実はコントラバスのために書かれた曲だというエピソードに深く納得。
ピアノとの絡みが好きで私がリクエストした曲ですが、孝之介が伴奏してくれたおかげで、私は客席でゆっくりと楽しむことができました。コントラバスが長い旋律を豊かに紡いでいくのは心地よく、ピアノではできないビブラートの美しさに聴き惚れます。
つづいては、コントラバスソロで、ジャズでよく使われるウッドベースとしてのピチカートの曲、C.ミンガスの「フォークフームNo.1」。カッコいい!
そして、プログラム最後は、健人さんのリクエストでコントラバスの曲を書くことになり、私も初めての楽器の曲ということですぐには書き始められずにまずは勉強。ご本人からも楽器の特性を教えていただきながら、なんとか書き上げることができました。彼のために書いたので、「タイトルは健人くんの名前にしようかと」と言ったら、それなら大文字で、「KENT」ということになりました。スーパーマンのクラーク・ケントのように、世界中に「名前」だとわかるタイトルになってよかった!
さて、演奏です。
これが一番ドキドキだったのですが、コントラバスの音を生かすピアノ伴奏を書くことも難しかったけれど、弾くことも至難の技なのでした。ピアノの中低域とコントラバスの音域が被っていますから、コントラバスを邪魔しないように魅力的に演奏するには、タッチとバランスが命。書いたばかりの曲の新鮮さと緊張感で、楽しく集中できましたが、まだ余裕はなくて……さて、どうだったでしょう?
と思ったら、大きな拍手をいただけたので、ホッとしました〜。
健人さんが気合の入った音でぐいぐいと演奏してくれるのを真横に聴いて、楽しい共演でした。
今回は出演者と私の招待客のみという非公開の音楽会でしたが、これからどんどん演奏してくださるそうなので、みなさんどこかでお聴きくださいね。健人くんの音楽は生き生きとして情熱的で、しっかりとした主張があるので大好きです。
髙杉健人さんのスケジュールはこちらでどうぞ。
終了後にいろんな方と写真を撮ったのも、遠慮なくアップしていただいて結構です。手元にないので、楽しみにしています。今回出演してくださった皆さま、本当にありがとうございました!
また、来年も楽しい会ができるよう、1年間じっくり勉強していきましょう。
アンコール。チャルダッシュ。
以下は、樹原涼子の来月のスケジュールです。
北海道ツアー 新しいテーマで、樹原涼子の研究全てを網羅してお伝えします。
🔷2019年 10月 14日(月)えびなイベントホール(北海道稚内市)
10:30〜
一生役立つ 教え方 ピアノランド著者の樹原涼子が、これまでの著書、経験を凝縮してお伝えするセミナー
13:30〜
MTC創立30周年記念事業 樹原涼子レクチャーコンサート