ピアノランドマスターコース第15期、卒業おめでとうございます❣️
ピアノランドマスターコース第15期、卒業おめでとうございます‼️
11月15日、汐留ベヒシュタインサロンにて、卒業コンサートが行われました。
ここに参加できなかったDVD受講生も含めて、これまでの中で一番沢山の方が集ったマスターコースでした。
卒業生がデザインしてくれたプログラム。
裏面には、ピアノランドメイト入会のときに配る、私からのメッセージを改めて入れました。
皆さん、2年間、よく頑張られましたね!
卒業式には福岡、愛媛、徳島、岡山、大阪、滋賀、名古屋など遠方から参加されている方も多く、ご家族や周りの方々の応援や理解あっての参加だったのではと思います。
初受講の方にとっては、何もかもが目から鱗で初めは大変だったと思いますし(二段階導入法って何?え、初めはピアノを弾かせない!? 笑)、2回目以降の方はゆとりを持って深く学べたようでした。DVD受講の方は、何度も何度も見直して勉強されて、細かい質問もたくさんいただきました。
初めていらしたときの不安げな顔は消えて、自分に自信を持てるようになったみなさん。35回のカリキュラムを消化された今、多くの方が、以前より美しいまろやかな音で、音楽の時間をゆったりと味わいながら自分の音に耳をすまして演奏できるようになりました。その違いは本当に大きく、会場のベヒシュタインはとても正直にみなさんの努力に応えてくれたと思います。
DVD受講の方も数人ですが「最後だけは!」と参加され、卒業コンサートは、それはそれは楽しいものとなりました。
各自が持ち時間を自分でプロデュースして、ピアノランドのソロ、連弾、歌はもちろん、台詞入りの音声を流しながらの熱演やら演奏の合間にお話や演技があったり、自作曲のソロを演奏する方も! 個性豊かでバラエティに富んだ内容に目も耳も釘付けで、あっという間に2時間が過ぎました。
樹原涼子ピアノ曲集『こころの小箱』『夢の中の夢』『やさしいまなざし』からの演奏は、マスターコースはもちろん様々な勉強会で学んだ事柄が花開き、豊かな音色を味わい、響きのすみずみまで聴いて表現できる人も。
連弾パートナーは受講生同士かアシスタントで、私の出番はありません。私にとっては、マスターコースの中で唯一、1回だけ、「一番後ろの席でみなさんの演奏を楽しむ」というご褒美の回でもありました。
ただ、それは、「私自身が何を伝えられて、何を伝えきれていないか」がわかる、シビアな意味も含んでいて……でも、それは、あとでじっくり考えて卒業生にお伝えしますね(笑)。今は、嬉しさの中にいたいと思います。
みなさんの演奏を聴き終えて挨拶をしていたら、本当に込み上げるものがありました。これまでの努力が実りこんなに素敵になれるって、励まし合う仲間がいるって、なんて素晴らしいことでしょう。
でも、最終回は泣かないでお別れすることに決めていたので、「もっともっと倍音を聴きましょう!」という話をして、演奏会用に調律していただいたベヒシュタインを私も演奏することにしました。
それは、とても思い入れのある、左手のための「想い出の小箱」。
宮谷理香さんとの【《樹原涼子》を弾きたいシリーズ トーク&コンサート】ツアーの冒頭で私が演奏した曲でもあります。
片手だからなおさら、どれくらい次の音に対する思いや考えが必要か、コントロールが必要か、ペダルへの配慮、倍音を聴いて響きを構築していくことが必要かを聴いて欲しいと思いました。単音を紡ぐところも多くペダルを多用するこの曲を選んだ意味が伝わったでしょうか……?
最後に、皆さんから抱えきれないくらいの真紅の薔薇の花束をいただき、胸がいっぱいになりました。
マスターコース会場のオーナーであり、受講生でもある田仲範行さん、アシスタントも一緒にプレゼントをいただきました。
そういえば、スタッフと一緒の写真は少ないかも……と、コンサートの片付けが終わって移動前にロビーでパチリ。
2年間、交代でマスターコースを支えてくれたのは、梶光代(右)&野田綾子の二人です。
どうもありがとう!
いつものマスターコースの講義は、スタインウェイとベーゼンドルファー、事務所でのレッスンではShigeru Kawaiを使い、様々なピアノを使ってコントロールを学ぶことも実践してきました。【樹原涼子と名器を巡る旅】ではベーゼンドルファーとファツィオリ(2年前)にも伺い、ピアノとの関係で演奏も変化していくことを伝え続けてきましたので、最後はベヒシュタインのフルコンで……と、汐留ベヒシュタインサロンを会場に選びました。先生方の経験値が上がることで、これからの指導力もアップするはず、そして、いい楽器が欲しくなるはず!と、楽器との出逢いのチャンスもたくさん作ってきました。
こちらは、いつも勉強の拠点としているエナスタジオ。左がベーゼンドルファー、右がスタインウェイ。
“聴きとり術”はいつも両方で聴き比べをしたり、曲によってピアノを選んで演奏しました。
楽器により、会場の響きにより、タッチもペダルも、ときにはテンポさえも変えていくことになる「演奏」。
練習したように弾くのではなく、どんな場面にも対応できるために練習をするのだと言ったら、目が点になりましたっけ……あの日から今日まで、本当にたくさん勉強して来ましたね。
この貴重な時間を振り返って、最後に。
卒業生の皆さんは、ご自身で音楽の「時間」をコントロールできましたか?
自分の音を聴く余裕がありましたか?
「弾く」ことに一生懸命になってしまいませんでしたか?
「聴く」ことにより多くの神経を使うことができましたか?
そして、あなたが弾きたい演奏のプランは明確でしたか?
それが客席に伝わりましたか?
15期まで指導して思うのは、マスターコースの皆さんは、ご自身に厳しく、仲間の演奏にあたたかい、素晴らしい精神性も持っていらっしゃること。これが音楽をする姿勢よね!と嬉しい気持ちでずっと見守ってきました。自分より秀でた人がいても、それを羨むのではなく賞賛することができるのは素晴らしいこと。その素直な気持ちが、結局自分を成長させるエネルギーになることをご存知なのだろうと思います。
誰かを羨ましく思ったところで、自分が上達するわけではありません。その違いを知り、努力に向けることができる素直さが、伸びていく原動力だとつくづく思います。よい演奏に惜しみなく拍手を送り、自分にできることをひたむきに続けていく。そんな皆さんが本当に大好きです。
卒業コンサート、本当に素敵に演奏してくださって、ありがとうございました!
でも、「卒業」は「何を勉強したらいいのかに気づくスタートライン」でもあります。
これからも、せっかくここまで上達されたみなさんの力になれるよう、私も精進していきます。
そして、多くの方に愛される曲を書き続けていきます。
汐留のお洒落な高層ビルの間を抜けて、パーティー会場へ。
全員と卒業証書を持ってツーショットも撮影した後、嬉しい気持ちで乾杯!
演奏が終わったので、皆さんとびきりの笑顔です。
私も、なんだかずーっと笑っていたような気がします。
家に戻り、1本ずつ丁寧に水切りをして大きな花瓶に活けました。本当に嬉しい!
このマスターコースの2年間の間に出版した本です。
ピアノランドフェスティバルを3回(熊本と東京)、《樹原涼子》を弾きたいシリーズ トーク&コンサートを6回、ムジカノーヴァの連載を2本、その他に多くのセミナーもあり、人生の中で一番めまぐるしかった2年間かもしれません。
毎月の介護帰省をしながらも何とか乗り切れたのは、マスターコースの皆さんととの勉強の時間が私を支えてくれたからです。何があっても、マスターコースで講義をすると不思議なくらい元気になる! 私にとって、伝える喜びの原点がここにありました。一番身近で応援してくださったことを忘れません。
演奏について、作品の分析について、テクニックについて、教え方について、楽器による違いについて、体の使い方について……勉強することにはきりがなく、2年という期間を切って勉強してきました。大きな成果と手応えを感じて、ピアノランドマスターコースはこれで一旦終了といたします。全ての講義をDVDに収めることができましたので、今後マスターコースを希望される方はDVD受講していただけるようになったので、本当に嬉しい!
そして、2ヶ月休んだ後、新たな切り口で2019年2月7日(木)からは、【樹原涼子のマスタークラス】を、スタートします。これまでのマスターコースの蓄積を生かして、『ピアノランド』の枠を取り払い(もちろんピアノランドを含みますが)、私が音楽家として気づいてきたあらゆることを、生きているうちにもっと伝えておきたいという気持ちになりました。これからは月に1回、【樹原涼子のマスタークラス】で発信していきたいと思います。(詳細は近々お知らせします)
昨日からは、なんと『風 巡る』勉強会がスタート(2ヶ月に1回)、来週から国立音楽大学での特別講義と名古屋大阪セミナーから倉敷へ、12月には『時の旅』勉強会(毎月)も始まります。この2年で出版した楽譜について掘り下げていく時間をやっと持てる喜びとその準備にフーフー言いながら、3人のスタッフも息つく暇もありません。どうしてこんなに本番がつづくのか首をかしげていると、夫が「誰が決めたのかな?」と笑います。……本当に誰が?……笑。
最後にもう1枚の集合写真を。
こちらはみんながリラックス。
夫が「はい、チーズ!」ではなくて「チャイコフスキー!」なんて言うので(笑)
DVD受講、追っかけ受講のみなさん、卒業式に参加できなかった方も、それぞれのペースで勉強が終わったときに、卒業証書をお送りいたします。可能な方は、個別に卒業写真を撮りましょう💕
長い間、私を鍛えてくださった、代々のマスターコース卒業生のみなさんも、本当にありがとうございました。
清々しい気持ちで深呼吸。
音楽っていいなぁ〜。