『風 巡る』レクチャーコンサート、『樹原涼子からあなたへ“贈る言葉”300選』も一緒に♪

『風 巡る』レクチャーコンサート、『樹原涼子からあなたへ“贈る言葉”300選』も一緒に♪

沢山の皆様に見守られ、樹原涼子ピアノ曲集『風 巡る』の新刊お披露目レクチャーコンサートが終了いたしました。曲を書き始めてからこの日まで、長い時間が流れましたが、今、とてもホッとしています。「あ〜、もう、みんなにあげちゃった! これからは好きに弾いてね!」という気持ちです(笑)。皆様、どうぞ、じゃんじゃん弾いてくださいませ。

 

 

全6曲、心をこめて演奏、解説した2時間少々。会場は笑いあり、涙あり、新しい曲たちを喜んで迎えてくださるお客様に恵まれ、感謝の気持ちでいっぱいです。

遠方なのでどうしても都合がつかなかったと残念無念のメールもいただいたので、ほんの少しですが、レクチャーの内容をかいつまんでみます。

 

親愛なる宮谷理香に捧ぐ「巡る」

小節線がない曲をどのように捉えていくか、音楽の骨組み、和声の捉え方について、モードかなと思ったときの確認方法、様々な奏法について……等々、じっくりお話いたしました。4月にはこの曲を贈った宮谷理香さんが初演、8月にはピアノランドフェスティバルで小原孝さんが素敵に演奏してくださいましたが、これから、沢山の方に演奏していただけたら嬉しいなと思います。今、一番のお気に入りです。

 

世界中の子供たちに捧ぐ「夢見る妖精」

調性を確定するドミナントについて、調性とモードの絡み合う関係、拍子の中でポリリズムを感じて弾くには、どのラインを出すか、音域による違いを出して……等、この曲を素敵に弾くポイントをお伝えしました。
何と言っても、冒頭のG7sus4の使い方、ツー・ファイブ・ワンのわかりやすさ親しみやすさと、それ以降との音使いのコントラスト、中間部の響きの捉え方が鍵。夢の国に連れて行ってくださいね! ラストの和音が素敵でしょう?

敬愛する舘野泉先生に捧ぐ「天空の風」

舘野泉先生に捧げた左手のための曲。左手だけで演奏するのは、ハンディではなく、両手で弾く曲とは全く異なる、別の豊かな世界があります。これまでとは違った発想で曲を書く楽しみに出会えた喜びについて、そして、先生からリクエストをいただいた「大気の動き」を音として表す工夫についてお話しました。この曲は、舘野先生に初演していただくのを楽しみに、部分的な解説のみ。手のひらを使った三日月型マークのグリッサンド記号、みなさん弾いてみたくなったそうです♪ 11月16日の《樹原涼子》を弾きたい シリーズ トーク&コンサート 第2回 舘野泉での、先生の初演を楽しみにお待ちくださいね!

 

親愛なる春日保人に捧ぐ「僕の故郷」

熊本の景色を織り込んだ曲です。バリトンの春日さんのために書いた曲ではありますが、ト音記号にするとちょうど女声でも歌える音域なので私が歌いました。歌曲の伴奏は、間の取り方が命なので、歌手の方に歌っていただくときは、呼吸とrubatoに注意して。何と言っても、春日さんが熊本のピアノランドフェスティバルで、そして、先日の「楽しい音楽会」で歌われたように、目の前に景色が見えるように表現できたら素敵です。

 

故郷に捧ぐ「君が笑えるように」

熊本地震の直後の大雨でさらなる被害が出た翌日、夜中の雨が嘘のように止んで、さんさんと降り注ぐ陽の光にきらめく美しい庭を父と眺めました。一見、何事もなかったかのような美しい景色を眺めながら、現実には今、理不尽な運命に、どうして自分がこんな目に合わなくてはならないのかと呆然としている友人知人のことを思いました。「泣かないで頑張ろう、嘆いても仕方ない」という言い方もあるかもしれませんが、私は、「泣いたり怒ったりしていいんだよ、我慢しなくていいんだよ。君が笑えるようになるまで側にいるから」と言いたい、と思ったのです。

そういう気持ちを歌にしたので、自分で歌うには、まだまだとても辛いのです。昨年と今年のピアノランドフェスティバルでも熊本のためにと歌いましたが、できれば、みなさんに歌っていただきたい。という思いをお伝えして、会場の皆さんと一緒に歌いました。涙をこぼしながら一緒に歌ってくださったみなさん、ありがとうございました。

 

昔子供だった人に捧ぐ「小さなお伽話」

鍵盤を1センチだけ軽く沈めて、音程感のある軽やかな音色で表現してください。「心のピッチ」で演奏すると、様々な音程の組み合わせを楽しみ、不思議な世界へと連れていくことができます。一番最後のコードは、Cmmajor7のサウンドの見本のようですね。昔子供だった大人たちに、子供だったころの気持ちを思い出してほしいなと思います。

 

駆け足でのご報告ですが、大切に書いてきた6曲、お披露目できて幸せな1日となりました。皆様に演奏していただいてこそ、曲の生命が輝きます。どうぞ、末長く楽しんでいただけますよう、広めていっていただけますよう、よろしくお願いいたします。

特に、この楽譜集に登場させた3つの新たな記号により、みなさんに新たな視点を提供できたことも嬉しく、作曲家が求める音の響きを表すための工夫や苦労も感じていただけたかと思います。これまで出版した『こころの小箱』『夢の中の夢』『やさしいまなざし』でも使っている記号があります。楽譜の解説欄に詳細がありますので、ご覧いただければ幸いです。樹原涼子のサウンドを表すために必然性があって生まれてきた記号たち、ぜひ、みなさんの音の引き出しを増やしていただければと思います。

 

『樹原涼子からあなたへ“贈る言葉”300選 もっとピアノが好きになる!』
今日は、『風 巡る』とともに、印刷所から直行した『樹原涼子からあなたへ“贈る言葉”300選 もっとピアノが好きになる!』が並んで先行発売できるという幸せ❣️ 瞬く間に足りなくなり、休憩までの間に追加を運んでくださったそうで、ありがとうございました。お友達の誕生日プレゼントにと買っていかれた方もあり、贈り物にしていただけて嬉しかったです。

ツイッターミニレッスンから生まれた言葉たち6年分を一冊にした本。今日は、『風 巡る』の曲ごとにぴったりの一言を選んで披露しましたが、みなさんそれぞれにお気入りの言葉に巡り会えますように。10月4日発売なので、もうすぐお店に並びます。それまでは楽器店、書店、アマゾン等で予約受付中です。

 

 

終演後、『風 巡る』の表紙を描いてくださった本間ちひろさんも、一緒にサインしてくださいました。なんと、イラストも描いていただけるのです♪

 

 

終演後、お世話になったカワイ表参道の甘利さん、調律をしてくださった小野寺さんもご一緒にパチリ。

 

あ、本を持ってなかったから、もう1枚!

 

 

 

みなさま、ありがとうございました!

それでは、11月にお目にかかりましょう。(かなり埋まっておりますので、お早めにどうぞ!)

 

2017年 11月 16日(木)12:00〜13:30

《樹原涼子》を弾きたいシリーズ トーク&コンサート 第2回 館野泉

出演者:舘野泉×樹原涼子

 

 

 

樹原涼子
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