ピアノランドスクール、門下生の「楽しい音楽会」でした♪

ピアノランドスクール、門下生の「楽しい音楽会」でした♪

子供たちにピアノを教えるのは本当に楽しく、幸せな仕事です。ただ、子供には1ヶ月に1回のレッスンというわけにはいかないので、作曲や執筆活動と両立していくために、4人の先生たちが一緒に教えてくれています。こうして長くつづけられているのは、そのおかげです。今日は、そのピアノランドスクールの年に一度の「楽しい音楽会」でした。

 

3歳から学生までは第1部で、マスターコースやコード塾で学んだあとも本当に美しい音を求めて学び続ける方たちは第2部で、そして、最後は毎年プロをお招きしての豪華なコンサートタイム。今年は、ピアノランドフェスティバル熊本特別公演に出演していただいた、バリトンの春日保人さんに演奏していただきました。

写真は全てプロにお願いしているので、自分で撮ったのは終了後に春日さんと樹原孝之介と一緒に撮ったものが1枚だけ。春日さん、本当に素晴らしい歌をありがとうございました!

 

春日さんには、ピアノランド物語(小さな「お話組曲」を作りました!)を歌っていただき(伴奏は孝之介との連弾)、お客様は春日さんの表現力と声量に圧倒されて一瞬で物語の世界へ。そして、ピアソラの「バチンの少年」で心揺さぶられ、ビゼー“カルメン”より「闘牛士の歌」で会場が一つに! アンコールには新刊楽譜『風 巡る』に収めた、“親愛なる春日保人に捧ぐ”「僕の故郷」を歌っていただきました。

春日さんとのコラボを、来年はもっと沢山の方にお聴きいただく機会を作って欲しいとお客様からのリクエストをいただき、本当にその通り!と思いました。この「楽しい音楽会」は出演する人が招待した人だけが来場できるシステムなので、事前の宣伝はしておらず、確かに限られた人だけで聴くのはもったいない! 実現するときにはきちんとお知らせいたしますので、どうぞお楽しみに♪

 

このあとは、1部と2部を終えて思ったことを綴ります。

嬉しかったのは、入門し手間もない“二段階導入法”を始めたばかりの幼児も『プレ・ピアノランド』のピアニスト体操や歌で出演、日頃から“聴きとり術”や生演奏を「聴く」習慣があるので、長時間、静かに音楽を聴くことができたことです。音楽を味わうことができると、「静かにしなくちゃいけない、我慢してじっとして聴かなくちゃいけない」わけではなく、「聴いている」か「寝ている」(笑。でも、静かですね!)ので、お客様も音楽に集中できます。

そして、今年初めてピアノを弾いた子供も、何回も出演している子供も、とても大切なことができるようになりました。

それは、私が考える、何よりも大切なこと。
お客様の時間を奪う、忍耐を強いるのではなく、聴いていただくに値するような美しい音で、心から音楽を奏で、楽しんでいただくということです。音楽の喜びを共有するために、自分がどのようにこの音楽に感動したかを、しっかりと伝えられるように演奏することです。だから、「発表会」と言わずに「楽しい音楽会」というタイトルにしているのですが、今回は、この目標もほぼ達成できてとても嬉しい気持ちです。スタートして23回目にもなるので、少しは理想に近づいてきたかもしれません。お客様がそう思ってくださっていたらいいなぁ。

また、幼児の頃から通っていた子供たちは、扱いの難しいベーゼンドルファーから本当に惚れ惚れするような音色を引き出し、絶妙なペダリングで会場の響きをコントロールできるようになり、“二段階導入法”の成果に目を見張ります。いつも、自分に何ができて何ができないのか理解して練習しているので、できないままステージに立つということがない、という習慣があるのも大きいと思います。レッスンの過程でできないことを見つけても、そのための方法を考えて努力を惜しまないし、できるようになることを信じて取り組める子供たちだからこそ伸びていくのだなと、その成長に目を細めました。

音楽教育のよいところは、このように、努力の成果が美しい音楽となり、自分ももちろん嬉しいけれど、お客様に喜んでいただき、拍手をいただけることですね。親御さんとともに子供の成長を喜ぶことができる、とても幸せな日。

もちろん、まだまだ磨かなくてはならないことはそれぞれに沢山あるけれど、1年前の自分よりもずっと音楽が成熟してきていることは喜ぶべきことですから、素直に褒めてあげたいと思います。

 

2部に出演されたピアノの先生方も、それぞれにご自身の目標を持って取り組んで、大きな成果がありました。少なくとも、ミスを恐れる演奏ではなく、求める音楽への道を確実に歩んでいることがわかり、それはとても嬉しいことだと思うのです。

他人と比べるのではなく、自分の音楽に集中できる場を持つのは本当に大切なことですね。この第2部のコーナーでは、作曲家のレッスンを受ける意味をみなさんがそれぞれに感じていらして、とても丁寧に楽譜を読んで勉強されています。調性のあるものはコード分析、機能和声分析はもちろん、調性ではないものはどのような音階や旋法なのか、それはどのように理解して弾くべきか、そのためにはどのようなテクニックが必要で、それにはどういう練習をすべきか、じっくりと取り組んでいきます。

レッスン回数は多くなくても、マスターコースやコード塾や勉強会で学んだスキルがあれば、音楽を深めていくための共通語を持っているので、作曲家と言葉が通じるのです。この方法は、もうこの世にはいなくなった沢山の作曲家たちの音楽を読み解いていくヒントにもなるし、もちろん指導力もアップしていきます。本当に、取り組んだ期間と比例するように、音色が、音楽が磨かれていきます。その曲が上手くなりたいだけではなく、その音楽がわかるようになる喜びが感じられるのだろうと思います。みなさんが勉強を続けていくのは、応用できるようになっていく自分の変化を嬉しい、と感じるからなのだと思います。勉強すると、どんどん音楽が、そして自分が好きになるのだなと、見ていて嬉しくなるのです。そこにあるのは、音楽への愛と畏敬の念とでも言いましょうか。

 

音楽を愛する人と一緒に美しい響きに満ちた時間を過ごすことができた幸せな1日でした。参加されたみなさん、よく勉強されていて素晴らしかったです! お聴きくださったみなさまありがとうございました。

さぁ、一仕事終えて、次へ進みます。よかったら、おつきあいくださいませ♪

2017年 9月 29日(金)

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樹原涼子
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