樹原涼子と名器を巡る旅第3回終了♪ベーゼンドルファーって素晴らしい♪

樹原涼子と名器を巡る旅第3回終了♪ベーゼンドルファーって素晴らしい♪

「樹原涼子と名器を巡る旅第3回 ベーゼンドルファー Model 290 Imperial で樹原作品を弾く・聴く・学ぶ」を開催しました。(2015年11月8日)

3月のベヒシュタイン、6月のShigeru Kawai につづいて、今回ベーゼンドルファーを訪ねましたが、おかげ様で多くの方が興味を持ってくださって、演奏申込、聴講とも、いつも満員御礼となっています。

今回は、午前の部と午後の部を設けて、まる2回の入れ替え制、なんとレクチャーを2回つづけることとなりましたが(汗)、みなさんに喜んでいただき、本当に嬉しかったです!

今回は、ピアノの先生方に混じって幾人かの調律師さんからも聴講のお申し込みをいただき、嬉しいやらびっくりするやら。

さぁ、スタートです!

左後ろにあるのは、ベーゼンドルファーを大変気に入っていた、フランツ・リストのタペストリー。

 

 

名器を巡る旅 ベーゼンドルファー

 

 

まだ、経験の浅い、若かった私自身を思い返してみても、行く先々のホールで出逢う「自分のピアノとは様子が違うピアノ」に、面食らうことがありました。

ピアノによって、たった1つの音を弾いただけでも、全く反応が異なるということを、知っているのと知らないのとでは、ピアノ人生に大きな違いが生まれます。

昔は、一生懸命練習をすればいい演奏ができるのだと思っていました。

でも、今は違います。

対人関係において、相手の年齢や立場の違いや親しさの度合いによって接し方を変えるように、ピアノもメーカーにより、また、同じメーカーでも機種や個体差により、手入れの具合により、一台一台接し方を変えて、その楽器の一番よい音を引き出そうと工夫をすることがよい演奏に繋がっていきます。

練習したようにしか弾けないのであれば、他のピアノでは役に立たないということもあるのです。

 

 

樹原涼子と名器を巡る旅 

 

 

私は、多くのピアノの先生方に、名器と呼ばれるピアノがどのような設計思想のもとに作られたのかを、知ってもらいたいと思ったのです。

楽器屋さんでもない私がなぜ? と思われるかもしれません。

作曲家の立場で「楽曲のよさを引き出してもらいたい」と思うとき、楽曲の理解を深め、どのように演奏したらよいかという段になったとき、「楽器に対する知識や感受性を持って演奏してもらえたら」という気持ちを押さえることができなくなってきたのです。

 

素晴らしい楽器は、身体の力を抜いて演奏することを教えてくれます。

少しでも力が入ると、「そんな弾き方しちゃダメだよ!」と教えてくれます。

よく考えて弾けばそのように反応してくれますし、ノーアイディアで演奏すれば「何も考えていないんだね」と教えてくれます。

よい響きを生み出すことが出来たら、「ほら、次の音はこんな風に流れていくよ」と道案内してくれます。

楽器の力は大きい。

力技でバリバリと音楽をねじ伏せたりしないで、楽器の助けを借りて、耳を澄ませてみませんか?

そう考えて、「樹原涼子と名器を巡る旅」を企画して、その名器で「樹原作品を弾く・聴く・学ぶ」という連続セミナーを開こうと思ったのです。

 

 

それでは、ベーゼンドルファー Model 290 Imperial で、どのようなことに気をつけて弾いたらいいでしょう?

例えばこの曲を弾くときには……と、楽曲の構造を考えた上で、タッチについて、音量のコントロールやペダルについてと、掘り下げていきました。

 

 

名器を巡る旅 ベーゼンドルファー 2015年

 

 

そして、同じ曲を、1909年製の、なんとウィーンのオペラ座で活躍していたというベーゼンドルファーで演奏させていただきました。

100年の歳月を経たピアノのあたたかな木のぬくもりを感じさせる音色に、いつまでも演奏していたい気分になります。

 

名器を巡る旅 ベーゼンドルファー オペラ座のピアノ 1909年製

 

 

「とてもコントロールが難しいのですが、本日演奏を申し込まれた方はどちらかのピアノを選べます!」

と言ったら、会場にどよめきが♪

 

 

名器を巡る旅 ベーゼンドルファー

 

 

 

次は、ベーゼンドルファーの木村光良氏のレクチャー「1828年音楽の都ウィーンで生まれたベーゼンドルファーの歴史と特徴」をじっくりと聞かせていただきました。

とっておきの映像とわかりやすい解説で、会場のみなさんは大喜び。アンケートも大好評!

内容は、来年発行のピアノランドメイトと、ムジカノーヴァ1月号に詳しく出ますのでお楽しみに♪

 

 

名器を巡る旅 ベーゼンドルファー 木村光良氏

 

 

 

そして、この後は、午前の部10人、午後の部13人による樹原作品の演奏があり、それぞれの方が今日のレクチャーで学んだことを振り返りながら、じっくりとピアノとの対話を楽しんで(やや緊張しながらも)、特別な一日を体験されました。

みなさんの演奏には、講評を後ほどお送りいたしますので、しばしお待ちくださいね。

 

今回演奏されたみなさんとの記念写真です。写真を提供いただいたみなさん、ありがとうございます。

まずは午前の部のみなさんとパチリ。

 

 

名器を巡る旅ベーゼン午前の部

 

午後の部で演奏されたみなさんとパチリ。

 

名器を巡る旅ベーゼン午後の部

 

 

お一人お一人の音色がそれぞれに美しく、心に残る一日となりました。

講評は、それぞれに1ヶ月以内を目処にお送りいたしますので、お楽しみに!

 

本日参加してくださったみなさま、ベーゼンドルファーの木村光良さん、調律の井上雅士さん、スタッフのみなさま、ありがとうございました。

 

樹原涼子
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