『ふたりで弾こう!ピアノびっくり箱』いよいよ初セミナー!
まさか今夏、次男樹原孝之介が楽譜を出版して、秋には初セミナーを開催することになろうとは、夢にも思いませんでした。
11月6日(金)10:00〜ヤマハ横浜、と日も迫って来たので、それはどんな楽譜なのか、どんな内容のセミナーになるのかをご案内いたします。
楽譜のタイトルは『ふたりで弾こう!ピアノびっくり箱』、その名の通り、びっくりするような連弾曲集が出来上がりました。
春に出版が決まり夏には楽譜が出来ていたスピードにも驚きましたが、もっと驚いたのは、誰もが知る有名曲15曲の選曲のよさ、そして各曲につけられた2パターン30曲の連弾アレンジの斬新な響き。
はじめは母として息子の出版を喜びましたが、出来上がって連弾した瞬間に、作編曲家樹原孝之介の作品のクオリティに驚きました。
絶対に私には思いつかない和声進行。そんなの有り?
でも、面白い!魅力的!不思議なサウンドの連続に、思わず唸りました。
編集者さんの目の付け所、手綱さばきの見事さのおかげです。
私にとっての『ピアノランド』のように、『ふたりで弾こう!ピアノびっくり箱』は樹原孝之介にとって記念すべき楽譜となりました。
どんな楽譜か一言で言いますと、よく知られた曲のメロディに2種類の異なった雰囲気の伴奏がついていて、プリモ(子どもが弾くメロディパート)は同じなのに、セコンド(先生が弾く伴奏パート)の違いによって、全く異なるハーモニーやリズムを感じることができる、子どものハーモニー感覚を刺激し、色彩感覚やセンスを磨く曲集です。
彼の恩師である小原孝さんからはこのような推薦文を頂いています。
「子どものころは練習が嫌いだった(笑)樹原孝之介くんが作った、
一粒で二度美味しい連弾曲集。
同じメロディが、2つのアレンジで楽しめる。
きっとみんな練習がすきになるね♪」
メリーさんの羊、きらきら星、さくら、ジングルベル、聖者の行進、ドレミの歌、エーデルワイス、野ばら、喜びの歌等全30曲の60通りのアレンジ。
よく知っている曲だからこそ、2種類のハーモニーの違いを、どんな人も楽しめるのですね。
例えば、ジングルベルの1曲目のサブタイトルは「ようこそサンタさん!」で、サンタクロースが来てくれる喜びに満ち溢れ、さり気ないテンションノートもお洒落にリズミカルなアレンジ。
ジングルベルの2つ目のサブタイトルは「ひとりのクリスマス」は、クリスマスパーティーが賑やかに繰り広げられている様子を、ひとり、家の外から眺めているような淋しさや切なさを、まるで映画やドラマのように感じるアレンジ。
このように、音楽は、心の中の状態をそのままサウンドで表すことができることを、対照的な2曲でたっぷりと味わうことができます。
私がプリモを弾いて伴奏してもらうとき、思いがけないサウンドに(予想していないコードが度々登場するので)、心の色が刻々と変わっていくのに驚きました。
また、私が子ども達と連弾するとき、子どもの心が、表情が変わるのが手に取るようにわかります。
2つの伴奏の違いを聴くと、子ども達は同じメロディであっても自然に音色や強弱、アーティキュレーションを変え、テンポを変えて弾こうとするのです。
言わなくても、「そうしたくなる」感受性を育てていけるというのは、素晴らしいことです。
驚き、という言葉を沢山使いましたが、だから、『ふたりで弾こう!ピアノびっくり箱』。
この楽譜のテーマは、専門用語でいうと「リハーモナイズ」(コードの付け替え)。
私のジャズピアノの恩師八城一夫先生の口癖が、「リハーモナイズな!リハーモナイズ!」だったのですが、何も言わずともそれが次男に伝わっていたことが、とても嬉しいです。
30曲の中の一例ですが、アルソ出版のサイトに何曲かアップされていますので、その中から「聖者の行進」の2つのアレンジをご紹介。
「鏡映しのマーチ」では、上行するメロディを伴奏では下行させ、音の方向性を意識させる編曲。
「スウィング・マーチ」は、楽しさはじける編曲です。演奏は、小原門下の細貝柊くんと。
ピアノランドフェスティバルで小原孝さんと連弾していただいたときに「2つの異なったアレンジを思いついた理由は?」と小原さんにインタビューされて、孝之介は
「昨年音楽を担当したゲーム『俺の屍を越えてゆけ2』で、同じメロディをシーンによって何通りにも編曲していくという経験が役立ちました」と答えていました。
ここがスタートライン、頑張って欲しいものです。
11月6日(金)10:00〜12:00、お時間の有る方は、どうぞ『ふたりで弾こう!ピアノびっくり箱』初セミナーにお越しくださいませ。
ヤマハ横浜 TEL:045-311-1202 FAX:045-313-4687
http://www.yamahamusic.jp/shop/yokohama/event/bikkuribako_seminar_151106.html