「これが聞きたい」「これを勉強したい!」人が企画した催し♪
1月は、とても印象的な催しが2つありました。
どちらも、「これが聞きたい」「これを勉強したい!」という方達が、
ゼロから企画、夢を膨らませながら実現させたものです。
この2つの催し(杉並と大阪)のお蔭で、私にとって、とても意義ある一年のスタートとなりました。
そこで、この2つの催しについて、「この話を聞きたい」「これを勉強したい!」
と思われたのはどんなことか、そして「それはどうしたら実現できるのか」について、2回に分けて書いてみようと思います。
1つ目は、杉並公会堂で行なわれた「樹原涼子の楽楽子育て応援プロジェクト」通称"楽プロ"18回目の公演。
2つ目は、大阪の遊音堂で開かれた"聴きとり術"を中心とした4コマのセミナー。(こちらは、次回の更新で詳しく報告します)
まず、杉並の楽プロが始まったそもそものことの発端からお話ししましょう。
昨年の1月に小平市で行なわれた自治体主催の13回目の楽プロ(地元のピアノの先生の提案で実現したものです)は、
地域のために楽プロを開く...という視点で、下記のように話を締めくくりました。
同じテーマでトーク&コンサートをしても、開催する地域、主催者の考え方、希望する曲目、会場、
お客様の年齢層等によって、全く異なる催しになります。終了後は、企画してくれた"言い出しっぺさん"に
「開いてくれてありがとう!」とお客様から御礼の嵐に。だから、楽プロはいつも"言い出しっぺさん"のものだな~と思います。
12回開催してきて、毎回、その人(グループ)の個性あふれる、その人にしか開けない"楽プロ"だったと思うのです。
不思議と、毎回、お客様の中から次の主催者が現れ、リレーのように開催されていく"楽プロ"の出会いに感謝しています。
(2013年1月19日小平市ジャーナリスト楽校の"楽プロ"にて)
それを客席で聞いていたAさんは、拙著『樹原家の子育て』(角川書店)を読んで
「私がその当事者に、言い出しっぺさんになってみたい!」と思われたそうで、
それから地域の「ままいく」というグループのみなさんに声をかけて、1年がかりで杉並公会堂小ホールでの"楽プロ"を実現されたのです。
まずは、Aさん自身、そして同世代の若いママ達が私に聞きたいこと。
・現役ピアニスト・作曲家がどのように仕事をしながら男児二人を育て上げたのか
・子育てと仕事・家事との両立、子どもの心と脳を育てる、お稽古事をどうするか
また、地元の本格的な音楽ホールで(ベーゼンドルファー・インペリアルがある!)、子ども達に本物の音楽を聴かせたい、ママ達も楽しみたいとのこと。
こうして、聞きたい話、聴きたい音楽のイメージが膨らみ、言い出しっぺさんを中心に何回もミーティングを重ねて、
こちらのスタッフと連絡を取り合い、最終的には来場予定者からの質問リストがコンサート前に届き、
ステキなプログラムが印刷できて...。あっという間の1年が経ち、なんと予約だけで満員となり、キャンセル待ち多数で本番を迎えることができました。
主催者のみなさんは小さな子どもを抱えて働いているため、申込方法はインターネットのみ、
キャンセル待ちもネットで登録という条件にもかかわらず、200席を予約で売り切ったみなさんの熱意は素晴らしい、の一言です。
杉並区発行の子育て応援券をチケット代にできるというのもステキなアイディアでした。
初めてコンサートを聴くであろう乳幼児と、その親御さんで満員の客席をステージから見た眺めは、何と言うか、圧巻でした。
ピアノランドフェスティバルで鍛えられてなかったら、逃げだしたくなったかもしれませんが(笑)。
そのときの私は、ピアノランド出版前に年子で生まれた息子達を抱いていた自分の姿が客席にいたように感じました。
「今のあなたは、ついこの前の私です」
という感じでしょうか。
本当に、あの頃の自分に伝えたいことを、今、泣く子を抱いているパパやママ達に伝えたいと思いました。
そして、力を合わせて一緒に育ててほしいなと思いました。お手伝いしますよ!と言いたくなりました。
こうして、第一部の子どものための30分(グループレッスン&コンサートのように凝縮して楽しみました)、
第二部の大人のための45分も、あっという間に楽しく終えることができました。大人向けの話の途中で飽きてしまう子ども達も、
私がピアノを弾き始めると静かになり、演奏に耳をすましているのがわかりました。
「次はこんな曲を弾くから聴いてね!」と言うと、真剣に聴いてくれるのです。本当に嬉しかった!
ピアノの先生ではないママ達の初企画でしたが、地元のピアノの先生達が自主的にサポートを申し出てくれて、
受け付けや会場でお手伝いをしてくれて、本当に有り難いことでした。また、マスターコース卒業生の生徒さんがピアノ連弾で出演、楽しいコーナーもできました♪
最後に、お話したことの中で、小さい子どもの親御さんの心に届いてほしいと願ったことをいくつか書きます。
「子どもに呼ばれたら、すぐに笑顔で返事をする」これが、私の子育てのモットーでありました。
まず、ニコッとするのです。そうすると、その後の流れがとてもおだやかなものとなります。
「子どもに言いたいことは、笑顔で伝えると理解できます。丁寧な言葉を用いて、笑顔で伝える習慣を身につけるといいのです。
そうすると、本当に大切なことを真剣に伝えたいときに、それが伝わります。いつも小言を言ったり、声を荒げていると、子どもは親の言葉を聞き流すようになります」
「今は子どもに夢中でも、少しずつ子離れできるように自分の夢をしっかり持ちましょう。
自分のことを8割、子どもに2割。これで、子どもが親を負担に思わないでいられます」
等々、私の実感していることを手短かにお話してきました。
あれから2週間が過ぎようとしていますが、参加されたみなさんが、ほんの少しでも楽プロの時間を思い出してくださったら幸いです。
杉並の"楽プロ"では、その収益を、被災地への楽器支援に充てようと話が進んでいます。
企画制作運営に携わったみなさん、足を運んでくださったお客様にも、心から感謝申し上げます!
春には福岡での"楽プロ"が、その後も関東近県や北海道等、各地で計画が進んでいます。
様々な形で、その地域に応じたやり方や場所で、言い出しっぺさんと一緒に温めていきたいと思います。
「これが聞きたい!大切な友達や仲間にも聞かせてあげたい!」というシンプルな思いからスタートした"楽プロ"。
興味のある方は、ピアノランドメイト事務局までどうぞご連絡くださいね。
それでは、近日中に、「これを勉強したい!」みなさんが企画した催しについて書きたいと思います。
インフルエンザ、ノロウィルスが猛威を振るっていますが、どうぞご自愛くださいませ!